《指風鈴連続殺人事件 ~するカナリアと獄の日記帳~》2001年7月9日(月)

ようやく期末テストが終わった。すっげー清々しい気分。

その記念ってわけじゃないけど、今日から日記をつけてみようと思う。

なにせもうすぐ、高校にって初めての夏休みが迫っている。絶対楽しくなる予がするから、こうして日記として記録しておいたほうがいいと思ったんだ。

若菜は、

「小學生のころ、夏休みの絵日記もろくに続かなかったくせに」

とか言ってきやがったけど(そしてそれは事実なんだけど!)、今回はマジだぜ。この日記、最低でも夏休みが終わるまではつけてやる。サイコーの思い出を毎日記録してやるぜ。

ちなみに若菜ってのは言わずもがな、俺のなじみで同じ高1の堂若菜《みどうわかな》のこと。

優しくて可くていいやつ。ぶっちゃけここだけの話、俺は若菜が好き。小學生のときからずっとだ。

中學生のときも3年間、ずっと好きだった。だから若菜と同じM高校に進めたのがマジで嬉しい。偏差値、ちょっと足りなかったからさ、俺だけ落ちてたらどうしようって思ってた。

とにかく俺は若菜と同じ高校にり、同じクラスにまでなったんだ。このチャンスを活かさない話はないぜ。

この夏休みの間に、俺は若菜に告白する。付き合ってみせる。この日記は、実はそのために書き始めたんだ!

つまり俺と若菜ののメモリー……的な? 日記になるんだよこのノートは!

……ワレながらくさい。

かっこつけ。きも。

でもまあいいやどうせ日記だ。俺しか読まねー!

高1の夏はこうして始まるのだ。俺の初就ストーリーがな!!

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