《指風鈴連続殺人事件 ~するカナリアと獄の日記帳~》2001年7月16日(月)

晝休み、佑ちゃんも含めてみんなで集まる事件があった。

なんと佑ちゃんが、ハセガワくんといっしょに以前、地下室へのり口?

……らしきものを発見していたらしい。いつのまに!

「これだ。きっとそうだ。すごいよ、天ヶ瀬くん!」

安愚楽くんは大興して、地下へと続く階段を眺めていた。

學校の西側の隅っこにあった、地下への階段。佑ちゃんはどうして、こんなところに來たことがあるんだろう。

あとで聞いたら、なんかはぐらかされた。むむむ、謎である。

で、この地下に向かう階段をみんなで降りてみたら、そこにはドアがあって鍵もかかっていた。

ドアは錆びていて、汚れていて、古くて、バッチいじだった。キキラちゃんはすぐに「帰ろう」って言いだしたけどわたしも同。なんか臭いし、それにこの階段、本當に病院への道かもわからないし。置かなんかだと思った。みなもちゃんはなんだか楽しそうに、ドアをったり、なんとか開かないかガチャガチャやってたけど。

けっきょくドアは開かず、その場はそれでお開き。

この階段が元病院に続いているものなのかどうかは分かんなかった。

で、そこから――

教室に戻る途中、わたしの隣にいたみなもちゃんが、

「調べてみようかしら」

なんて言い出した。

「調べる? なにを?」

「あの地下室のことよ。本當に、あの地下が病院の跡地だというのなら、なにか手がかりが殘っているはずよ」

「手がかりって……。まあそうかもしんないけど、でも、どうやって調べるの?」

「地元の話だもの。図書館の郷土資料コーナーに行くのが一番でしょうね。今日は月曜日だから、図書館は閉まっている……。――明日、調べてみようかな。どう? 若菜もいっしょに調べる?」

「わ、わたし? うーん、そうだねえ……」

調べものって、そんなに得意じゃないけど。

でもあの地下室が、本當に人が殺されたような部屋かどうかは知りたいかも。

事実がどうなのか分からない、宙ぶらりんの狀態が一番怖いから。

「……わたしも調べるよ。あんまり役に立たないかもしれないけど」

「OK。それじゃ明日の放課後にでも」

「うん、そうしよ。あ、佑ちゃんたちはどうする? う?」

「そうね……」

わたしとみなもちゃんは、前を歩いている佑ちゃん、キキラちゃん、ハセガワくんの背中を見た。

3人は笑い合っている。テンションが下がっていたキキラちゃんも、し落ち著いたみたい。

「やめときましょ。天ヶ瀬くんと長谷川くんは調べものなんてする柄じゃないし、キキラはこの話、怖がっているみたいだから。私たちふたりで調べて、面白い結果が出たらみんなに報告したらいいわ」

「そっか、うん、そうだね。じゃ、まずはふたりで図書館へGO、だねっ」

そういうわけで、わたしはみなもちゃんと學校の怪談? について調べることになったのです。

まさかこれが壯絶な事件の始まりになろうとは、このときふたりは知る由もなかったのだ……ジャジャーン!(←ドラマのオープニングっぽく!)

    人が読んでいる<指風鈴連続殺人事件 ~戀するカナリアと血獄の日記帳~>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください