《指風鈴連続殺人事件 ~するカナリアと獄の日記帳~》2001年7月12日(木)

今日は學校の図書室に赴いた。

M高校の図書室は、あまり品ぞろえがよくない。

小説も古いものばかりだったり、全8巻のものが3巻だけ欠けていたりする。

それでも、學校の中にあるものだから、やはり利用してしまう。もっと本を読みたいから。

買うのが一番なんだろうけど……。おこづかい、ないもの。うちはお金持ちだって言われることがあるけれど、お金を持っているのはお父さん。私は貧乏な子高生。

ところで最近、私がハマっている本がある。

それは卒業文集。過去にM高校を卒業した生徒が、卒業間近に書いた作文がまとめられたもの。

これを読むのが好き。……変わってるって言われそうだから、誰にも言ったことはないけれど。

なぜ、読むようになったのか。それは卒業文集に、その人の人生が詰まっているから。そして未來を想像すると、とても楽しいから。

夢はパティシエになること、と言って専門學校に進んだ子生徒がいる。……その後、夢は葉えたのかしら?

自分探しの旅に出る、と言って進學も就職もしなかった男子生徒がいる。……その後、自分は見つかったのかしら?

好きな人と25歳までに結婚したい、と言っている子生徒もいた。……その後、結婚はできたのかしら?

想像するだけで、ぞくぞくする。

その人の人生、未來、夢、希

彼ら彼らは、どこかで果てたのか、それとも前へと進めたのか。

先にあったのは希かしら、それとも絶かしら。それを考えるだけでとても愉快。

……悪趣味かもね?

今日図書室で借りたのは、19年前にM高校を卒業した生徒たちの文集。

先ほど、ざーっと大まかに読んでみたけれど、やっぱり面白そうな作文がある。

一番面白そうなのは、このひとね。19年前に卒業した子生徒。

名前は、北條凜《ほうじょうりん》、というのね。

楽しい作文を書いているわよ、このひと。……笑っちゃうくらい。

時間が取れたら、このひとの作文、コンビニでコピーしておきたいわ。

それくらい、面白いの。

    人が読んでいる<指風鈴連続殺人事件 ~戀するカナリアと血獄の日記帳~>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください