《【書籍化決定】白い結婚、最高です。》16.妹夫婦の來訪
玄関には近づくなと忠告されたが、こっそり見に行くことにした。
すると、やたらと豪華な服裝をした男がメイドたちと何やらめていた。
「私はアニスお姉様の大事な妹です! こうして會いに來る権利はあるはずですよっ!」
「たとえご家族であろうと、事前に約束を取りつけていただいた方しかお通しすることは出來ません」
「そんな……酷い! 私とお姉様の絆を引き裂こうとするなんて……!」
アポ無しで公爵邸を訪問するなんて……ソフィア……
分かりやすい泣き真似をしている妹の隣では、金髪の青年が鼻息を荒くしていた。
ソフィアの旦那であり、マリカード伯爵子息のハロルドだ。
「隨分と融通の利かないメイドだな。オラリア家は、お前たちのような連中ばかりを雇っているのか?」
「オラリア家だからというわけではなく、これは普通のことだと思いますが」
「マリカード伯爵家は、突然の來客であろうとけれる。何せうちは、この家と違って寛容だからな」
うーん、マリカード家の將來が不安になってきた。
あの二人の応対をさせることになってしまい、メイドたちには申し訳なく思う。
今すぐ止めにりたいが、今日の私はアニスではなく、フレイだ。流石に妹相手じゃ変裝も気づかれると思う。
「あっ、フレイ~! そのワンピースとっても似合ってるよ!」
「ポワールさん……!」
お出かけでテンションアゲアゲなポワールが、大音量ボイスで私に話しかけた。
ソフィアがこちらに気づいて視線を向け、ハッとしたように目を見張る。
そしてメイドたちを押しのけて、私たちのほうへやって來た。
やめて來ないで。焦る私に、ソフィアはこう言った。
「お願いします! 私たちをアニスお姉様に會わせてくれませんか!?」
あれ? 私だと気づいていない……?
そしてソフィアのお願いを聞いたポワールが、不思議そうに目を丸くする。
「あなた、アニス様のご令妹なんですか?」
「はい、ソフィアと申します。今日はお姉様のお顔がどうしても見たくなって、會いに來たんですけれど斷られちゃってぇ……」
「そうなんですか~。じゃあ私たちはこれから外出しますので!」
「は……? ちょ、ちょっと、待ってください」
ポワールがめちゃめちゃいい笑顔を浮かべ、そこから立ち去ろうとする。
それを慌てて引き留めるソフィア。
「追い返されそうになってて、本當に困っているんです! ですから、あなたたちの口添えでどうか……」
「そんなことを仰られても、私たちにはそのような権限はありませんので~」
「お前……私の妻がこれだけ頼んでいるのに、その態度はなんだ!」
ハロルドが目を吊り上げながら、ポワールの腕を摑む。
「な、何するんですか! やめてください!」
流石に黙って見ているわけにいかず、私はポワールからハロルドの手を引き剝がした。
そしてポワールを私の背後に隠して、二人を睨みつける。
途端、ソフィアが再び噓泣きを始めた。
「そんな……ハロルド様は私のために怒ってくれただけなのに、どうしてそんな目で見るんですか……?」
「ソフィア、いいんだ。君だけが俺を理解してくれるなら」
「ハロルド様……」
私に會うという目的は果たせたんだし、早く帰ってくれないかな……
げんなりしていると、背後から肩をポンと叩かれた。
ポワールかと思いきや。
「申し訳ないが、アニスは現在調を崩して寢込んでいる。日を改めてもらえないだろうか?」
いつの間に、私の後ろに立っていたユリウスだった。
「ユ……ユリウス様っ!」
ソフィアの目が寶石のようにキラキラと輝く。
その様を見て、妹が來訪した本當の理由を察してしまった。
私が気づいたのだから、ユリウスが気づかないはずがない。彼の眉間に皺が寄った。
「オラリア公……! お會い出來て栄でございます!」
満面の笑みを浮かべたハロルドに手を握られ、皺の數が追加される。
面食いのソフィアはともかく、義弟は何しにうちに來た……?
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