《【書籍化決定】白い結婚、最高です。》26.給金の使い道
ドライフルーツとナッツ。それから瓶いっぱいの蜂。
蜂は種類が多くてどれにすればいいか分からなかったので、とりあえず果との相がいいものを店員に聞いて選んだ。
「ね、今日は何作るの?」
買いについてきたポワールが、目をきらきらと輝かせながら私に尋ねる。
「ドライフルーツとナッツの蜂漬けです。そのまま食べても味しいですけど、ヨーグルトやパンケーキのトッピングにしても合うんですよ」
「へぇ~、味しそう」
「完したらポワールさんにも分けてあげますね」
「ありがとう~」
両手を合わせながら満面の笑みを浮かべるポワールに、私もつられて笑顔になる。
使用人の仕事で支払われる給金の一部は、こうしてお菓子の材料や道に使っている。
お菓子そのものを買ってもいいのだが、自分で食べるものを自分で作るのが意外と楽しいことに気づいたのだ。
そして出來上がると結構な量になってしまうので、ポワールを始めとする使用人たちにも食べるのを手伝ってもらっていた。
柑橘の皮の砂糖漬け、紅茶の茶葉りのエンジェルケーキ、ベリーのコンポートのパイ包みとか。
とりあえず仕事の最中に「あ、あれ食べたいな」と、思いついたものを採用している。
給料の殘りは貯金に回していた。
使用人の中には実家に仕送りしている人もいるが、私にはその必要はないし。
と、こんな生活が始まってから早三ヶ月が経つ。
私のお菓子はありがたいことに好評で、みんな喜んで食べてくれるので余って腐らせることもない。
ポワールがマリーの下にも持って行っているらしく、後から彼にお禮を言われたりもしている。
「お菓子ありがとうございました。ユリウス様も喜んでおいででしたよ」なじで。
どうやらポワールからマリー、マリーからユリウスと、お菓子ラインが開通しているようなのだ。
パイやケーキならともかく、果の皮……
ただまあ、ユリウス曰く「この調子で君の好きなように作って構わない」とのことなので、お言葉に甘えさせてもらっている。
「いつも私がお家で食べてたお菓子って、ただ甘いだけだったから苦手になっちゃったんだよね。……でもフレイのお菓子は、んな味がするから大好き!」
「……ありがとうございます」
ふと思い出したのは、ソフィアとハロルドが起こした騒。
あれからというものの、二人がオラリア邸を再び訪れることはなかった。
私が知る限り、マリカード家からの抗議も來ていない。
思考力が豬並みの二人が、このまま大人しくしているとは思えないが。
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