《【書籍化決定】白い結婚、最高です。》40.妹たちの処遇

私の足は、醫者に診てもらったところ、骨には異常なしとのことだった。

なので數日後からは、ギプスを著けながらメイドとして働いていた。ポワールたちには足の怪我は、階段で転んで出來たものだと話して。

「はいはーい、フレイはこれ使ってお仕事して!」

ポワールはそんな私のために、椅子を用意してくれた。

それに腰掛けながらの野菜の皮剝きや、玉子の殻割りなどは、に負擔がかからない。

料理長もこんなふうに座りながら仕事をするのを、特別に許可してくれた。

なんて優しい職場だろう……

とまあ、こんなじで毎日過ごしていると、思わぬ人たちがオラリア邸にやって來た。

「先日はうちの馬鹿息子たちが大変なご無禮を働きまして、申し訳ございませんでした……」

「すべてはわたくしたちの責任でございます」

マリカード伯爵夫妻だ。

本當はもっと早く謝罪に來るつもりだったようだが、常に忙しくしているユリウスとは、予定がなかなか合わなかったらしい。

ソフィアとハロルドがあれからどうなったかは、彼らの口から語られた。

とりあえず彼らは逮捕されたものの、初犯ということで重罰は免れたようだ。

今は二人とも、マリカード邸からの外出をじられていて、數週間後には遠方にある修道院に送られる。

そこで再教育をきっちりけさせるとのこと。

「そんな。ソフィアに勉強なんて無理ですよ……」

その話を聞かされた私の第一聲は、それだった。

本や手紙を読むために、文字の読み書きさえ出來れば十分。本人がそう豪語していたのを聞いたことがある。

あのソフィアを機に向かわせるなんて、至難の技じゃないかな。

そんな私の疑念を払拭するように、マリカード伯爵は言う。

「そこの修道院は山奧にありましてね。どんなに泣いても喚いても、逃げることなど不可能でしょう」

「そうですか……」

嫡男がいなくなってしまったマリカード伯爵家だが、ハロルドには弟が二人いるので跡継ぎは問題ないらしい。

そもそも、最初から家督はハロルド以外に継がせるつもりだったそうな。

本人はそのことを頑なに認めようとしなかったようだが。

私としては、ソフィアにはもう神的に長してもらえればそれでいいと思っている。

今までけて來た酷い仕打ちを考えれば、もっと重い罰を要求してもいいかもしれない。

ただ妹が必要以上に苦しむのをんでしまったら、妹や両親と同じような人間になってしまう気がして嫌だった。

そして夜會から一ヶ月もしないうちに、足の怪我は完治した。

立ち仕事もだんだん楽になり、これで元通りの日常を取り戻すことが出來た。

「足治ってよかったね~。今度お買い行こうね!」

「はい」

ポワールとそんな會話をしながら、廚房の流しを掃除していると、

「フレイさん、ポワールさん、今よろしいでしょうか?」

マリーが珍しく廚房にって來た。

「マリー様、何かあったんですか?」

「ちょっとした事件が起こりました。しでも人手が必要なので、あなたたちも協力していただきます」

事件って何……?

私とポワールが互いの顔を見合ってから頷くと、マリーは私たちを屋敷の外へ連れ出した。

遠くから謎の音が聞こえて來たのは、その直後のことだった。

パカラッ、パカラッ、パカラッ。

軽やかに地面を蹴る音。

私たちの目の前を、一頭の白馬が颯爽と橫切った。

そして「まぁ~てぇ~」と、荒縄片手に追いかける使用人たち。

「あの馬を、一刻も早く捕獲しなければなりません」

いつもと変わらない無表で、マリーはそう言った。

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