《世界最強はニヒルに笑う。~うちのマスター、ヤバ過ぎます~》最強はボスを狩る①
改稿しています。
自室のベット上で、ヘッドギアを外し起き上がった。私は、直ぐさま機の上にある兄の伝言と數種類のゲームに気付いた。
『兄ちゃんの、會社で出來たばかりの新作ゲームです。面白いやつだけ教えて!
報酬は、今月分のアップデート容は、ドライアド大森林でのデイリークエストに、魔法書がでるようになる。
じゃぁ、ゲームよろしくね!』
「ふぅ~。面倒くさい。だいたい毎月やるなんて一言も言ってないし! 馬鹿兄貴!」
でもまぁ、これでアップデート報貰えたしさっさと、新作やって終わらせて病ゲーしよう。
私が病ゲーにどはまりしたのは、約4年前。
5年前に両親が通事故で亡くなり父の會社を兄が継いだ。
出せども出せども、會社で作るゲームは一向に売れず、ついに倒産か? と言うところまで追い込まれたのだが、會社に勤める社員さんの一人が病ゲーの構想案を持って自宅に訪れた際、たまたまその容見た私は、「面白そう」と呟いてしまった。
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私のこの一言が、兄貴を変えてしまった。
いつもならどうにかして會社を守ろうとする兄貴が、どうせ潰れるならダメ元でやってみようか? と言い出したのだ。
吹っ切れたと言うべきか、諦めたと言うべきか。
幸いにして結果、病ゲーは馬鹿みたいに売れた。
私の一言が発端になってゲームが売れたせいで、ニートとは名ばかりの新作お試しゲーム三昧の日々――テスターみたいなものだ。
兄貴には食べさせて貰ってるし手伝うけど、流石に毎週はだるい。
それでもやる理由は、數時間~數分前にアップデート報を得ることが出來るから。
PC経由でダウンロードした、新作ゲームをギアにれログインする。キャラ名は全て同じrenにしてある。renの由來は、蓮元《はすもと》と言う苗字からとった。
ベットに座りギアを被るとを寢かせ、スタートボタンを押す。そして、ゲームをする。そして、想を書いて兄貴に送る。
何回かその作業を繰り返し、漸く終わりを迎え時計を見れば、既に21:00を回っていた。
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「あぁ。ボスタイム!」
急いでテスター用ではないギアを被り、病ゲーへログイン。
暗転する視界の中、瞼を開けば【ようこそ、ビューティフル・ライクへ】と言う文字が浮かび上がって消える。
ログイン場所は、個人専用のホーム――プレイヤーが個人的に購可能な部屋で城下街にしかない。値段は、広さによりピンキリ――私の部屋は、六畳と八畳の二間続きで、八畳の方にはロフトがついている。
ベットから起き上がって早々、裝備欄を開く。今著ているのは街用の裝備だから、狩り用の裝備に著替えた。
アイテム欄のポーションや魔石の數を確認し終わると同時に、善悪の塔へ向かうため部屋を出た。
目指す場所は【 プラークシテアー 】、この街は善悪の塔への口がある。
NPC――シルグリアルドと言う老人を通じて移できる善悪の塔は、現在の高レベル専用狩場だ。
見上げた石造りの塔は、幾重にも蔦が巻き、鉛の雲を突き抜け先が見えない。塔の周辺にいるモブはバンパイア・バットと呼ばれる蝙蝠たちで、塔を守るように配置されている。
バンパイア・バットは、ノンアクティブ。こちらから攻撃しないければ何もして來ないので、綺麗にスルーして塔部へる。
地上一階は、全面的に青白いで照らされ、安全地帯と呼ばれる場所でモブは出現しない。
覚えている道順を辿りサクサクと進む。
目指すは、二階階右端にある階層転移のポータルだ。
階層転移するためには善悪の塔〇階層のスクロールと言うアイテムか、善悪の塔〇〇階層の寶玉が必要。スクロールは、基本一回使いきりで二度目は、必要な階層で狩りをして再び手にれなければいけない。寶玉は、一回ではなく何度でも使用できる。赤ネームになって死んで消えない限りは……。
スクロールは大二十~五十に、一枚ドロップすればいい方だ。
百に一個ドロップするかどうかのレアが、善悪の玉と言うもの。もし善悪の塔で、玉が出たら踴り狂っていいレベル。
私の個人的な想はさておき、階層毎のスクロール百枚と玉を五十個集め合して作るのが、善悪の塔〇〇階層の寶玉。
善悪の塔の寶玉は、ほぼ九割は功すると言われている。けれど、たまに殘りの一割を引いて、消え去ってしまう人もいる。元クラメンに五回連続で消えた子が居て、何とも言えない気分になった。
そして、今現在私が所持している寶玉は、11、21、31、41、51で1年半かけて漸く集めたものだ。
二階へ繋がる階段側で一度足を止める。ここからはモンスターが出現するため、再度裝備の確認を行った。
杖を取り出し、畫面左に表示させた時計で時間を計り、自を強化するバフをかける。
バフとは、バフスキルごとに設定された時間で自分自、クランメンバー、PTメンバーなどを強化することができる。
病ゲーでは、職業がバッファーのキャラクターのみ使用可。
バッファーはサポート役と言われているが私の選んだドラゴンマスターは、二刀を使い近接に近い攻撃もできる。後杖を使って魔法も放てるいいとこどりの職。
で、病ゲーではバフを強化して強く出來る仕様がある。+二十五が最大で、スキルポイント十を消費して+一ずつ強化してく。
但し、強化數値が+七以上になれば必要ポイントは倍化していく。更に、失敗すれば強化値を-二落とすことになる。
それでも+されていく毎に、強化値の%が上がるので廃人としてはやるべきだと考えている。
ホーリーウェポン(+25)
(聖屬魔法 武に聖屬付與、悪魔アンテッドのみ15%攻撃アップ)
マジックアーマー(+25)
(魔法で自のを包み込み、被ダメージ15%減)
アーマーシールド(+25)
(強固な盾。前方のみ被ダメージ25%減)
ファイアーウェポン(+25)
(火屬魔法 攻撃力25%アップ)
ヘイストⅡ(+25)
(攻撃速度、移速度が共に30%アップ)
エレメンタルエンチャント(+25)
(火・水・風・地の攻撃に対し、被ダメージ5%減)
マジックオブワイルド(+25)
(魔法攻撃力12%アップ)
マジックオブボディ(+25)
(自のHP20%アップ)
マジックオブスピリット(+25)
(自のMP20%アップ)
マジックオブマインド(+25)
(幻、睡眠、混、沈黙の低効率 20%アップ)
マジックオブシールド(+25)
(攻撃魔法の被ダメージ 33%減)
かけ終わると同時に、階段を走って登り二階へ。
二階にると一階ほどの量がなくなり、非常に見えずらい。そこで、一次魔法のライト――これだけはどんな職でも使える――の魔法を詠唱し明かりが燈ると移を開始した。
一つ目の角を曲がると直ぐに、ジャイアントマウスと出くわす。
ジャイアントマウスは、大きさが人2人分はあるでかいだけのネズミだ。チューチューと鳴き聲を上げとがった前足の爪で摑みかかり、突き出た歯を突きたて噛み付いてくると毒を吐き出してくる。
前足に注意を払いつつ、杖を構える。移阻害呪文である、設置型のバインド(+18)を詠唱しネズミをけなくする。詠唱が終わり直ぐに取り出した刀を使い、左右の刀を突き刺し一気に仕留める。
切り裂いた部分が、スキルにより燃え広がると、無殘な聲をらしたジャイアント マウスは、黃いの粒子となり消えていった。
【 1208ゼルを獲得しました 】
【 ジャイアントマウスの尾を獲得しました 】
自で流れるシステム用ウィンドウを見れば、拾ったがログとしてかかれていた。
スクロールでないか……。仕方ない、進もう。
魔法を更新しつつ、目的地である階層転移ポータルを目指す。
何度目かのジャイアントマウスとの戦闘を終え、辿りついた魔法陣に乗る。
【 転送しますか? はい ・ いいえ 】
もちろん、はいを選択する。
【 転送可能な階層を選択して下さい。 11 21 31 41 51 】
五十一階層を選択すると魔法陣が輝く。
瞼を閉じ開けば、景は一変する。所々、糊の著いた床や壁、髑髏と思しきオブジェクトが置かれている。
見慣れてしまえばどうと言うことは無いけれど最初來たときは正直気持ち悪かった。
魔法陣を出る前に切れそうなバフをかけ直し、上層への階段を目指し出発する。
この階層にでるのは、スケルトンとその上位種であるハイ・スケルトンアーチャー、ハイ・スケルトンスピア、ハイ・スケルトンアックスなどだ。
骨は全て魔法で瞬殺できる為非常に楽なのだが、56層からスケルトンに混じりゲイザーも出現するため注意が必要となる。
杖を構え、慎重に周囲を警戒しつつ進む。
右上に表示されたマップに映し出された、5つの赤い點滅を見遣ると歩調はそのままに魔法の準備をはじめる。
「後二十歩……」
三……二……一
ホーリーフレイムレンジ(+20)
敵が視認し襲い掛かってくる剎那、聖屬の範囲魔法を叩き込む。
丸くかたちどられた、魔法陣の上で白い炎に焼かれ踴るように抗うスケルトンの集団が消えるのを待つ。カタカタと音を鳴らし崩れ落ちる骨が黃い粒子に変わるとシステムログが流れた。
【 10254ゼルを獲得しました 】
【 スケルトンの骨を獲得しました 】
【 7528ゼルを獲得しました 】
【 4665ゼルを獲得しました 】
【 12687ゼルを獲得しました 】
【 8795ゼルを獲得しました 】
【 善悪の塔51階のスクロールを獲得しました 】
「ここお金はいいけど……アイテムが悪い。スケルトンの骨って正直ゴミだし……」
つい、ぶちぶちと愚癡零してしまう。それでも気を取り直して進む。
六十階層のボスが湧くまで、殘り五十五分――。
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