《世界最強はニヒルに笑う。~うちのマスター、ヤバ過ぎます~》最強はクランを作る③

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雑貨屋を目指し街中を歩く。街の中央にある広場には、大きな市場に天が立ち並び活気に満ちている。

天のほとんどは、プレイヤーに雇われたNPC――主に獣人だけど――たちが、指定された品を売り買いするためのものだ。

病ゲー唯一の良い點と言えるだろうシステムにほっこりする。

何か面白いものは、売ってないかと散策しつつ販売専門の雑貨屋へ向う。

右へ左へとかしていた視線の先に、魔法書が並ぶ天を発見。

しいがないか確認するため近付けば、店頭に居る獣人の頭上に噴出しマークが表示される。

吹き出しマークをタップして、四角い窓が開き【 販売リスト 】と【 購リスト 】を出す。

今は販売しているものを見たいので、販売リストをタップ。すると直ぐに四角いウィンドウが表示される。

ウィンドウの中には、販売している魔法書の名前と販売価格の一覧が。

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スクロールしながら、しいがないか探すも殘念ながら無かった。

私の職業である、ドラゴンマスターは晩型だ。

Lv五で、単に強い攻撃魔法ブレスオフアロー――単にのみ有効、ドラゴンマスター特有のドラゴンのブレスを圧した無屬の攻撃魔法で、その有効範囲は広い――を覚えるのだが、その後使える魔法を覚えるのはLv三十になるまでない。

その間、ただひたすらブレスオブアローとサブ職で選択した數ないスキル、錬魔法を駆使し経験値を獲得しなけらばない。

漸く範囲攻撃魔法ドラゴンオブブレス――名前の通り、前方に限り広範囲に攻撃が可能。その範囲は単より広い――を覚える。

その過程で魔法書が手にらないとか育ちが悪いとかで萎え止めてしまう者が多く、その職のキャラクターを育てていること自が稀有なのだ。

おかげでレイドでしか手にらない魔法書は、ゴミ同然の価格で売られるのでありがたい。本當に極稀にしか店で販売されないのが、痛いところだけど……。

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他に良さげな天もなく、雑貨屋に辿り付きゴミを売りさばくと、次の街ドリアスへ移するため、転移ポータルへ移し乗り込んだ。

浮遊の後、景が一遍するとそこは、巨大な木々を利用したハウスツリーが連なる――エルフの森なんかで良く使われるような、見た目の街なのにNPCはヒューマンしかいない――街だ。

ぼーっと、街並みを観察しつつ、天を巡る最中私の右斜め前を歩くプレイヤーの名前が視界にった。

「あいつ、昨日の……」

気付かれないようこっそりと後をつける。

盾と思われる戦士一人、重戦士と思われる大剣を持ったのが一人、メイジ二人、背に弓を背負ったアーチャ一人の五人PT……。

會話を楽しみ、歩いて街の外へと出て行く彼らの後をつかず離れず20分ほど追い続け、狩場と思しき森林地帯についたのを遠目から確認する。

尾行されていることにも気付かず、アマゾンのような森林地帯を歩き進んでいく。

魔法のエフェクトが見えない位置で、自分にバフをかけ、トランスパレンシーを使い。ゆっくりと、音を立てないように慎重に道を選び、殘り10Mぐらいの距離まで近付いた。

幹の太い樹をできるだけ選び、しゃがんで戦闘開始を待つ。

気持ちが逸り、口の端を舐めニヤっと口角が緩る。

まだかな? 早く! 早く……殺したい。

中々始まらない戦闘に、イライラする。

はぁ~。もう良いや……。

溜息混じりに、モブとの戦闘開始を待たず、立ち上がると腰に差した二本の刀を抜き、ファイアーウェポンを自分にかけた。

姿勢を低くして、ギリギリまで見つからないよう気をつけ走る。

カサカサと草を踏む音がなるが気にしない。

一気に走りぬけ、距離をつめ、ウサギ耳の獣人であろうローブを著たメイジ職に、右の刀をスライスするかのように、差し込んだ。

包丁でを切るかのような、覚をじる。踏み込んだ足を回転させ、右に回りその遠心力を使い左の刀で肩から腰に向けて切り裂く。

「ギャ」

短い悲鳴をあげ、うつ伏せ倒れ込むウサギ耳メイジに留めとばかりに、刀を突き刺せば灰へと変化する。

突き刺した刀を抜き、弓を構えるアーチャに、無詠唱のブレスオブアローをお見舞いする。被弾はしたようだが、刀ではダメージがない。

間を空けることなく、もう一人のエルフと思われるメイジへ走りより、左の刀を腰からへと振り上げるが、辛くも避けられてしまった。

「チッ」

を回転させる剎那、エルフメイジを足で蹴り飛ばす。

「グゥッ」

弾き飛ばした、奴を追いかけようと重心を移させれば、橫から顔目掛けて矢が飛んでくる。

顔に到達する直前、刀を引き上げ切り捨てると同時にバンッと音が鳴り目の前で矢が発する。

あの攻撃は、デバフ専用だと判斷し直ぐに、バフ欄を確認すれば、きっちりと火傷のデバフが付いていた。

追撃だとばかりに、攻撃をしかけてくる戦士二人をわし、アイテムボックスから火傷の効果を消す、氷結のポーションを取り出し飲む。

間をつめてくる、戦士たちを正面に見つめ。刀から杖へと武換する。

左方向にいるエルフメイジへチラリと視線を投げてみれば、それを追いかけ左へと重心をかす戦士たち。

かかった……。

意表をつき右へと走りながら、設置型のアースバインドを數箇所に設置する。

ついでに、バフをいくつか更新して刀に持ち替え、本命のエルフメイジではなくアーチャーを先にしとめるため、走り寄る。

何本も降り注ぐ矢を顔を移させ避けつつ、狙いが定め難くくなるようジグザグに走り距離をつめた。

刀で攻撃すると見せかけ、錬で付いたサンダースピアを放つ。

「ぐはっ」

予想してなかったのだろうアーチャーは突如落ちた雷を諸に食らい、プスプスと煙をあげ仰向けに倒れ、灰の表示へと変わった。

「後、3人」

「ひっ」

後3人もいると嬉しくなり、ニヤっと笑いターゲットの三人に順番に視線を向ける。視線が合ったエルフメイジは悲鳴をあげ、餅をつき後ずさる仕草を見せた。盾を持つ戦士は、帰還の護符を使ったのだろう殘像が見えた。

一番殺したかった相手に、帰還され楽しいはずの対人が、一気に苛立ち八つ當たりの対人へと変化する。

「マジ、いらつくわ~」

苛立つ気持ちのまま吐すれば、そんなこと関係ないとばかりに切りかかってくる、大柄な戦士の剣を弾き飛ばし、がら空きのへ右の刀で切りつけるも、流石重戦士と言うところだろう、大してダメージを食らった様子も無く、唸り聲をあげ大剣で反撃してくる。

「うぉりゃぁぁ」

頭上から風を切る重低音響かせ、渾の力で振り下ろされる大剣を、を捻りることで避けかわせば、轟音と共に地面に突き刺さり、大量の塵が舞った。

あれほどの威力でスキルを使われると面倒だな……。

重戦士に向け、二本の刀を突き出し構える。息をすべて吐き出し、一気に吸い込むと同時に、奴の顔目がけて刀を振り下ろす。

ガッチン!

重い金屬音がなり、大剣で防がれる。

予想通りだ……。

余裕の表を見せる重戦士。切り結ぶ右刀と大剣。力押しでは適わないのは判っている。

徐々に押し戻され刀と大剣が剎那、左手の刀をクルリと回し大剣の柄、目がけ力いっぱいに打ち込んだ。

ピキッ

微かな音が鳴る。

何度も手を変え切り結んでは、大剣に負荷をかけて行く。

もう一度……と、考えた時だった、距離をとり構えをとった重戦士の大剣が、ゴキンと音を立て元から割れた。

「うっ……そだ……ろ」

「殘念だったね」

ペロリと自分の上を舐め、笑みを深める。

數回その場でジャンプして、著地すると同時に重戦士目がけて右や左、左上や右下へ縦橫無盡に刀を振るった。

「ひきょ……」

「卑怯者? 馬鹿言わないで……復活したら、昨日善悪の塔で何したかPTMに聞いてみれば良いよ?」

言葉と共に留めをそのに突き立てる。

に変わった重戦士のから、刀を引き抜き杖にも使える。

怯え、後ずさるエルフへ杖を翳し、ブレス オブ アローを容赦なく叩き込んだ。

仰向けに倒れるエルフメイジが灰に変わり、釈然としないを抱えたまま戦闘は終了となった。

時計を見れば、待ち合わせの時間までニ十分を切っている。急ぎ、帰還の護符を使いドリアスへと戻った。

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