《世界最強はニヒルに笑う。~うちのマスター、ヤバ過ぎます~》最強はクランのLv上げを目論む④
お読みいただきありがとうございます。
クランLvが3になり、後二つあげればとりあえず一般的なクランと同じ數値になると考え急いで次の街【 アテナ 】――學問を司る神の名前――へと向う。
この街は、某有名映畫の町並みと良く似ている。石を細かく積み上げた家々、街のいたるところに書店や雑貨屋っぽいものが多く並んでいる。また、學者風のNPCや學生姿のNPCが多いのが特徴的だ。
街の中央に位置する、大神殿の左隣にある研究所がNPCの所在地だった。
石造りの建には蔦が巻きつき、お化け屋敷と言われた方が納得できるほどボロい。
ギギッと言う音を立てつつ、部へと踏みてばかなり綺麗に整えられている空間となるため、酷く違和をじることこの上ない。
階段を2階へと登り三つ目の部屋の扉を開けば、中央部分が綺麗に抜け落ち、白髪の髪にパーマという頭グルグル眼鏡をかけ、鼻は拳大。低い長に橫幅の広いおなか回りをした白姿の老人が、機に向かいはみ出すおでなんとか椅子に座っている。
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うわー。こういうNPCもいるんだ……。
その姿に、きを止めマジマジと観察しつつ、SSを前、後、橫、そして、超良い笑顔でツーショットの順で撮影した。
ゲームとは言え、リアルに作られた人の姿をしているのだ。つい記念に撮影しまうのも當然と言える。
SSの撮影が終わり、學者風の天パに話しかけクエストをけた。
【 約束の証Ⅳなら、娘に渡してある。しければ娘を訪ねろ。そうだ! ついでにこれを娘に渡してしい。
※ アインシュの娘、リーゼルへ手紙を屆けましょう。 】
これが、アインシュタインだとするなら、クレームモノだぞ? と思いつつアイテムボックスの手紙を確認して、その場を後にする。
娘リーゼルは、【 アテネ 】の街から、10分ほど歩いた街道沿いの【 ヒマリア 】の村にいる。
折角なので、クラメンにもあの天パを見せてあげようと、撮影したSSをメールで皆に一斉してみた。
[[黒龍] じゃぁ、明日參加できるやつは、先生に連絡するってことでいいの?]
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[[宗乃助] 楽しみでござるな。諜報は任せるでござるよ!]
[[白聖] これどこで會えんの? www]
[[ティタ] 酸素……酸素がしい!]
[[宮様] 草]
[[キヨシ] 鉄腕ア○ムの博士じゃん!]
[[ren] 名前はアインシュ。アテネの研究所にいる。先生參加ノ]
[[さゆたん] renちゃんとおでぶちんのツーショット畫像がヤバイでしゅ]
[[黒龍] renなんでこんな良い笑顔してんの?]
[[大次郎先生] こういうの居るんだな……]
[[ren] 寫真は笑顔が基本でしょ?]
[[宮様] PKの時の兇悪な笑顔じゃない分ましね]
ツーショットSSが、やばいって何? さゆたん。と心の中で問いかけ、クラチャを閉じる。
ネタを振ったくせに、最後まで見ないのはいつものことだ……。誰かがきっと落ちを付けてくれるだろうと信じて、クエストの村ヒマリアへとひた走る。
4分ほど走り、ヒマリアへと到著した。
目的のアインシュの娘リーゼルは、マップで確認すると村の東にいる。そちらへ足を向け走り、到著したのは井戸だった。
確かに表示はあるものの、リーゼルが居ない……。
どういうことだ? 周囲を見回し痕跡を探す。
井戸の中を除き見れば下へと繋がる鉄はしごを発見した。
まさか……中? 不審に思いながらも、恐る恐る、鉄はしごを摑み下へと降りる。
コツンコツンとなるはしごを降りる音と水滴の落ちる音がだけが井戸の部へ響き、摑んだ鉄はしごがり気を帯びてヌメる。
こういう雰囲気は、あまり好きではない。というより無理だ……。
昔、きっとくる~。で有名な映畫も、再放送をテレビで見ようと思ったのだが、怖すぎて途中で見るのをやめたほど……ダメなのだ。
「あの映畫も井戸だったはず……。あぁ、マジ帰りたい。」
ほんのり涙目になりつつへっぴり腰で、なんとか目を瞑り井戸の底へと降りきった。
地に足が著き、瞼を開き下を見ないようにしつつ辺りを見回せば、鉄の扉が視界にった。その扉へと歩を進め、力任せに押してみる。
ピクリともしない……。それじゃ今度は引いてみようと持ち手を捜せば、引き戸に使われるような指をれ込むが開いていた。
「……っ。こういうとこだけ、日本仕様になるの止めて! 恥ずかしいじゃん」
今日何度目だろうか……、運営の罠に嵌るのは、イラつきについつい愚癡を吐(とろ)してしまった。
ひとつ溜息をらし、気持ちを切り替え扉を引くため力をこめれば、鉄の扉なはずなのにまるで襖を開けるような軽さと音で開いた。
扉? 襖? の中へ足を踏みれれば、薄暗い廊下に、松明が點々と燈されている。
一応念のため、ライトの魔法を使っておく。
マップにモブの反応は無いが、警戒しつつ進む。かなり広いかと思われた井戸の地下だが、そうでもなかったらしい。
20メートルほど進むと階段があり、そこを降りれば扉がひとつだけポツンと立っていた。
今度は騙されないぞ! と思い罠を回避するため、扉を良く見て引き戸である事を確認する。
指を差込、ゆっくりと引いた。
そこには、絶世のかと思われるほど妖艶な笑みを見せ、艶かしい薄絹を著た、赤い髪をしたの人が一人立っている。
まさか! これが娘とか言わないよね? そう心の中で突っ込みをれマップを確認すれば、該當NPCのだった。
折角なので、SSを撮る。
あの親から、どうやってこの娘が産まれたのかじっくりと検証したいところだ。
NPCに近付き、話しかければいつも通りウィンドウが開き、彼の言葉を伝えてくれる。
【 こんな底まで良く來てくれました。私は、ある吸鬼に狙われ、ここに隠れ住んでいるのです。
まぁ、父の手紙を運んでくださったのですね。ありがとうございます。
確かに、父からの手紙でした。お禮にこれを差し上げましょう! 】
【 約束の証Ⅳ を獲得しました。 】
んー。まぁ、獲得できたしいいか……。
々突っ込みたいところではあるが、面倒なので止めた。
さっさと、帰還しようと帰還の護符を取り出し使おうとしたところで、ここが使用不可ダンジョンになっていることを知った……。
「クソ過ぎる……」
仕方なく、もと來た道を戻り井戸についた、鉄はしごを登る。
井戸の中から、逃れる主人公が足を手でつかまれたシーンが、頭に浮かび、咄嗟に下を確認した。
「ふぅ~。」
息を吐き出し、一気に外へと出た。
そのまま、ヘイストⅡの魔法を自にかけ、【 アテネ 】までモブが居ようとスルーして、狩場の中を走って戻った。
プレイヤーは居なかったので、問題は無いはず……。と言い訳しつつポータルに乗り【 ヘラ 】の大聖堂へと向う。
相変らず、暇そうに立つ変態イケメンNPCへ話しかけ、ウィンドウからクランLvを上げる項目をタップする。
【 おめでとうございます。 Bloodthirsty Fairy クランのLvが4上がりました。 】
【 新しいクランスキルを覚えることができるようになりました。 】
【 クラン部隊リーダー を任命できるようになりました。 】
クランリーダー? なんだそれは……知らない単語が出てきたことに戸い、クラチャを開きメンバーへ聞いてみる。
[[ren] 【 クラン部隊リーダー を任命できるようになりました。 】
どういう意味?]
[[ティタ] 消えたあぁぁぁぁぁ!]
[[キヨシ] 俺も、消えたぁぁぁぁ!]
[[大次郎先生] renそれ、マスター>サブマス>リーダーって意味。
加権與えられる。一般メンバーってことだと思う。]
[[黒龍] ティタ乙。キヨシ、お前何、消したの?]
[[白聖] 概ね先生の言ってることで當りかな。
要は、一般メンバーの取りまとめ役みたいなもので、加権と追放権を
行使できるクラメンってことだな。クラマスやサブマスが居ない時に
そのメンバーがれば、加追放が自由にできるって思っとけばいいよ]
[[宮様] 最大6人まで部隊リーダーにできるはずよ]
[[ren] なるほど、ありがと。皆設定しとく]
[[キヨシ] 俺の持ってた、最後の雷のリング……]
白が説明してくれたことで理解できた。
あとで、公式漁って詳しく調べるとして、とりあえず殘り全員を部隊リーダーへと任命することにした。
PK開始まで、殘り17:56――。
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