《疑似転生記》初めてのおつかい 前

転生しておよそ3年が経過した。當初メイリーが予定していた攻撃魔法の習得はそれなりに出來てきており、世界を旅するのに便利な『空間魔法』と『創世魔法』も徐々にだが形になってきていた。そんなある日、領主のティーチから依頼をされる。

「隣街に荷を輸送ですか?」

「そうだ。我が街の特産品である鉄鉱石と隣街の農作換することになっているのだが、今回は量が多いのでな、馬車を増やすことも考えたのだが、」

「私を使った方が安上がりだからそうしようと言うことですか。」

「まあそうだね。君の魔法なら馬車の荷を軽くすることも、馬車の移速度を速くすることも可能なのだろう?」

「そうですね。」

馬車を増やすとなるとその分、費用がかかる。者だけで無く護衛も増やす必要があるし、食費もかかる。その費用を払うよりもメイリー1人を雇った方が明らかに安上がりなのだ。

(こいつは私のことをボランティアか何かだと勘違いしてるんだろう。)

「不満そうだね。この程度、君には造作も無いだろう?」

「そんなことは無いですが、それで報酬は?」

「勿論、悪くない額を用意しよう。」

「そうですか。それで報酬は?」

メイリーは再度聞き返す。メイリーは知っている。報酬としてお金を貰おうがそれは家にるお金であり、メイリーが好きに使えるお金では無いと言うことを。

「ふふ、やはり君は面白いね。テイルがあれほど懐くのも頷けると言うものだ。そうだね。確か君は將來、魔獣狩り、いやいや冒険者になりたいんだよね。そのライセンスをあげよう。貴族紋のった特別製をね。」

「ありがたくけさせていただきます。」

「ふふ、それじゃあ頼んだよ。」

メイリーは餌に飛びついてしまったが、これは仕方ない事である。冒険者は々な仕事をするが、ランクが上がれば仕事の多くが戦闘に関係するものになってくる。そのため、冒険者ライセンスを取得する條件に、戦闘系のスキルか組合が認めたスキルの所持、もしくは戦闘を行えると言う証明に値する功績が必要である。今のところメイリーはどちらも持っていない。もし、5歳になりスキル授與でそれらのスキルが手にらなかった場合、冒険者ライセンスを手にれる可能はぐっと下がってしまうだろう。

そんな中、もう1つライセンスを取得する方法がある。それが貴族や王族、組合の役員たちの保証付きの場合である。この場合、上の條件が全て免除され、誰でも冒険者ライセンスを取得することが出來る。しかしその場合そのライセンスが有効なのはその保証人の管轄地域のみである。しかしその制限を取っ払うことが出來るのが『貴族紋』なのである。これがあれば自由に冒険者家業が出來る優れものである。これはけるしか無い。

依頼をけたメイリーは、指定の場所に行くと、そこには大量の荷と馬車。それに馬と者さん。そして護衛の騎士が立っていた。

「おはようございます。護衛はガンルーさんだけですか?他には?」

「うん?おはようさん。お館様から聞いてないのか。護衛は俺とお前だけだそうだ。」

「は?私も。…あの領主さんめ。一杯食わされたな。」

「ふはは、まあいいじゃねーか。隣街までなら俺とお前さんがいれば十分だろう。なぁケムト。」

「はいはい。そうですね。ガンルーさんより強いメイリーさんがいるなら、っと何でもありませんよう。それじゃあメイリーさん。荷を馬車に積むのを手伝って下さいな。」

「はぁ。わかりました。」

メイリーのお仕事は騎士ガンルーと者ケムトとの3人旅となるようであった。

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