《疑似転生記》メイリーのスキル

メイリーにとって待ちに待った日がとうとうやって來た。5歳の誕生日を明日に控えた今日、メイリーは『穣の儀』を行っていた。本來ならばライルやリリーと同様に自宅で行う筈であったが、魔獣増加による経営悪化に伴い2人ほど大掛かりに取り仕切るのが難しかったが、両親が何とかしようとしている所にライルが來て、

「そんな余分な金は出せないだろう。メイリーにはお得意の魔法があるんだから」

と説得して、『穣の儀』はかなり質素になる予定であった。メイリーとしてはスキル授與がと言うよりも、5歳となれば晴れて冒険者として自由に冒険が出來ることに喜んでいるので、『穣の儀』が質素だろうが興味は無かった。しかしそれを聞きつけたティーチやマリアがそれならば『穣の儀』の資金やら用意はこちらでと言い出した。メイリーとしても全力で拒否したのだが、マリアが優しい聲

「メイリーちゃん。遠慮しなくていいのよ。」

と言って來た笑顔の圧力に屈して飾り付けられ『穣の儀』に臨んでいた。『穣の儀』の演目には神父からの有難いお祈りや、メイリー自穣の舞を踴ったりと、堅苦しく面倒なが満載であった。しかも準備を貴族家が取り仕切ってるので、一つ一つが無駄に長ったらしい。全てが終了する頃にはへとへとになってしまう。

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(これをテイルもけたのか。私は前世の知識があってこれなのに、凄いな。)

テイルの好度が地味に上昇するのだった。

穣の儀』を済ませたメイリーは家に帰り、殺すような瞳で見てくるライルを無視しつつ、自に運気上昇魔法をかけて、そのまま就寢した。

次の日、自が授けられたスキルが自覚できた。授けられたスキルは3つ、『地図化』と『鑑定眼』そして『自回復』であった。

『地図化』は行った事のある場所を自でマッピングしてくれるスキルであり、迷宮などに潛る事も多い冒険者にとって有用なスキルであった。『鑑定眼』は人やの良し悪しを判定する魔眼であり、々な職業でこれを持つ者が優遇される良スキルであった。特に大都市で活躍する商人たちにはこの魔眼持ちも多いと聞く。ライルからの視線がウザい。

そして最後の『自回復』なのだが、効果自はその名の通りなのだろうが、その効果がどの程度なのかがわからないため、家族も何とも言い辛そうだ。

(そうだ。折角だし『鑑定眼』でっと、おお。)

『鑑定眼』を使用してスキル『自回復』を調べてみる。すると、

「全ての傷、怪我、病気などを自的に回復させる。重癥度に応じて瞬間的から數日間程度、回復する時間に変化がある。だそうです。」

メイリーの読み上げた説明を聞き全員が呆然としてしまう。この説明の通りだったとすると、メイリーは生きてさえいれば數日間で全ての傷が完治すると言うことなのだ。とんでもない良スキルであった。

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「ある程度、予想通りだったな。」

はメイリーが授けられたスキルについて考えていた。

(マップと鑑定、そして宿屋機能か。戦闘力上昇系のスキルは無いと思ってたけど、やっぱりか。まあでも鑑定と自回復は戦闘で使えるし、地図化も遠距離への転移の補助として便利だし、まあ概ね良いか。)

スキル授與何て言う完全運任せな仕様はしてこないと思っていた。折角の転生生活で自由に生活したいのに、スキルによって職業が制限させられるなんて仕様にはしないだろう。

「さて。明日からやっと本番だな。」

は授けられたスキルに満足したのだった。

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