冒険者として活し始めてそろそろ2年が過ぎようとしていた。メイリーのランクはDまで上がり、この街での目標のランクまであと１つとなっていた。ここら辺近隣の組合所屬の冒険者の最高ランクがCランクのため、メイリーのランクより上の人もなくなってきていた。そのため、メイリーにも危険な依頼を注する機會も増えて來ていた。

今回は盜賊団の住み処の近くを通る商人の護衛であった。護衛自は何度もやって來ていたが、今回は盜賊。人が相手になるかもしれない。

(それにしても、普通護衛を頼むなら私みたいな子供じゃなくて、強面な人に頼みそうなものだけど。)

メイリーがそう言う人を相手にする護衛をけてこなかったのも、魔獣は兎も角、人が相手では、メイリーを舐めて襲われる確率が高まるだろうと言う判斷であった。しかし今回の依頼主はメイリーを指名してきたのだった。

「不思議そうですな。まあ普通なら護衛を雇うが、襲われないに越したことは無い。だからメイリーさんに頼む商人もないでしょうな。でも彼処の盜賊団は違います。ここら辺近隣の冒険者を舐めきってる。だから見つけられたらほぼ間違いなく襲いかかってくるでしょう。ならば見た目ではなく実力の高い冒険者を雇いたくなると言う訳ですよ。」

「はぁ。そうですか。」

疑問が表に出ていたのだろうか、依頼主は答えてくれた。それから暫く進んでいくと盜賊団の住み処の近くの道に差し掛かる。すると、

「接近する人影を見つけました。注意してください。『風障壁よ、我々を、護りたまえ』『魔力を纏い、我戦え』」

メイリーの知に引っ掛かる。そのため敵に備えて馬車に防魔法を張り、強化魔法で戦闘勢にる。すると近づいて來ていた奴らが止まって何かを準備しだす。

(何だ？遠距離から攻撃する積もりか？魔力は知出來ないし弓矢か。なら。)

「『障壁よ、通さず反せよ』」

風障壁に空間魔法を重ねて発させる。それとほぼ同時に森の中から弓矢が一斉に飛んでくる。がそれは馬車に當たる前に障壁に當たり、空間魔法、反障壁によって手に反される。

「ぐあぁぁ、くそが！」

「痛えー、いてぇよ。」

數名に矢が突き刺さったようであった。しかし即座に無傷の団員がから飛び出してくる。その數は20人近い。

「おいおい、護衛が子供かよ。おい頭。こんな商人狙ってもたいしたの持ってないんじゃないすか？」

「おい、新りし黙れ。お前ら。相手は鬼だが油斷するな。さっきので３人やられてるのをわすれ…ちっ」

「遅い『焔槍よ、貫け』」

「が…はっ。かし、なんで？」

先ずはリーダーをと言うことで、盜賊団の頭に焔槍を投擲する。しかし流石はリーダーだけのことはある。即座に察知して、新りくんを盾にする。

「敵は魔法使い。接近戦で勝負しろ。」

その命令通り、剣を抜き近づいてくる盜賊たち。しかし赤ん坊の頃から運していて、さらに強化で高まったメイリーの能力は並みの冒険者を凌駕するまでに長している。殘念ながらメイリーに定石は通用しない。

「がはっ！チッ、こいつ」

「ああ、接近戦もつえー。」

「でも囲んじまえば魔法もだせねーだろ。そしたら終わりだ。」

しかし殘念ながらメイリーは、接近戦と平行して魔法を唱える訓練もしている。

「『雷の網よ、敵を捕獲せよ』」

複數に囲まれた時のために自を中心にした範囲魔法は何個か準備してあるため、雷網で電した８名が倒れる。これで盜賊の人數は半分ほど減った。

「さて、どうする？」

「チッ、全員撤退だ。」

「は、はい。」

戦況は不利だと悟った頭は気絶している仲間を放って逃げる決斷をする。この命令をけて無事な盜賊たちが兎の如く逃げ出す。しかしメイリーが許す筈もない。

「『千の矢よ、追跡せよ』」

魔法矢が四方八方逃げ出した盜賊たちを狙い飛んでいった。

「ふぅ。多分、倒せたと思いますがどうしますか？」

「出來れば全員捕獲してしいです。ここで絶やしにしておきたいと思います。」

「じゃあこの障壁から出ないで下さいね。」

と言って空間魔法で魔法矢の飛んでいった方向に向かうのだった。この日商人たちを悩ませていた盜賊団は壊滅するのだった。