ゲームの中であると認識しているため、人を殺したとしても、平然としていられる芽。しかしゲーム中のメイリーは現実世界だと思っているのに特に何かをじる様子もない。と言うか年々、戦闘狂になっている気さえする。

(前世が平和な國って言う知識はあっても記憶が無くて、そんな狀態で危険な世界で生活してたらこっちの私とのギャップは生まれてくるか。)

芽としてはもう一人の自分を観察しているみたいな、不思議な覚を験できるので面白かった。

「さて、やることもないし勉強するか。」

芽はVRの空き時間を利用して先日出された夏休みの課題に手を付け始める。夏休みの殆どはゲームで潰れるし、それ以外でも凜を遊んだり、８月には『魔法演舞』の本選があったりと、忙しい。やれることはやっておく必要がある。

(私よりも忙しそうなスケジュールを組んでた凜は大丈夫なのだろうか？)

凜のスケジュール表には、夏休みが約40日の殆どに何かしらの予定がっていた。今年も最終日が大変になりそうだと思う芽であった。

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組合で依頼を注しない日は、家の手伝いやティーチからの依頼、それに魔獣増加の原因探し等を行っている。ただこの頃、ライルの発案で新たに事業を展開するきがあるらしく、あまり手伝いを要求されなくなっていた。

(ライル兄さんがって部分が心配なんだよな。まあ別に私にあんまり関係無いからいいけど。)

今日は原因究明を行うべく、々と探し回っていた。知魔法も覚えたおでメイリーの探索は前よりもスムーズに進んでいた。いつもは知の度を重視して、狹い範囲て行っていた知を、今日は最大限広げて捜索することにしていた。これをすると小型の魔獣などを見逃すことになりかねないので、あまり行わないのだが、だんだんメイリーがこの街を拠點とする時間も無くなってきたため、焦ってきたのもあった。

(でもそう簡単には見つからないな。『地図化』でここら辺の地図ほとんど完したのに、未だに見つかって無いんだし。となると夜行かな？)

基本的にここの捜索は晝間しか行っていないことを思い出す。メイリーはここら辺一帯の地図より魔獣が寢床にしそうな場所をピックアップして、そこに行ってみることにした。

何個かハズレが続き、そろそろ日が暮れだしてきた。今日も結局収穫無しかと思いつつ最後に訪れた場所に著いた瞬間、背筋が凍る。慌てて知魔法を切る。前方にはが存在し、圧倒的な威圧をそのからじた。メイリーは恐る恐る『鑑定眼』を発して、そのの中の魔獣が何なのか確認しようとする。いつもは名前や年齢等から、強さや保有スキルなどを鑑定出來るのに、今回は種族名しか鑑定出來なかった。

魔獣増加の原因となった魔獣の名前は『雷虎』大型魔獣の一で魔獣図鑑でも殆ど報が無い魔獣であった。

(雷虎。まあ名前から雷魔法を使うことはわかるけど、凄いな。直接相対した訳でもないのに。って不味いな。)

日が暮れ始め、夜行の雷虎も寢床から出てくるようだ。

(今なら逃げ切れる。どうする？)

メイリーは決斷を迫られるのだった。