《疑似転生記》幽霊屋敷 後
幽霊屋敷に幽霊が住んでいることは確定したが、今のところメイリーを害せるレベルでは無いので、構わず進んでいく。帰れだの立ち去れだのと脳に直接語りかけてくる幽霊。しかしメイリーが気にせず進んでいくのをじたのかすぐに話しかけてこなくなった。
(出ていけとか立ち去れってことはこの場所を自分の住み処にしてるだけで、大した害は無いのかもな。まあ不産屋さんにとっては害あるけど。)
この幽霊は呪詛を吐くじでも無かった。どちらかと言うと侵者に怯えている様にも見けられる。好奇心を刺激されたメイリー。このまましらみ潰しに探してもいいのだが、面倒なので空間把握魔法で屋敷の中がどんな狀況かを、即座に把握する。
(あれ?この屋敷って地下室があったんだ。知らなかったな。そして地下室に魔力の反応ありっと。)
空間把握を使ったから地下室の存在に気が付いたが、普通に探していたら見つかっていたかわからない。メイリーは説明不足の依頼主に不満を抱きつつ、地下室へ行くための隠し階段への扉を開ける。すると幽霊の聲が再度語りかけてくる。
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「かえって。かえってよ。」
先程よりもく、懇願するような聲。魔力反応の方向に進めば進むほどその聲は大きくなっていった。
(うるさい。うるさいけど普通の音じゃないし、魔法でも無いから防ぎようがないな。でもうるさいだけだな。)
うるさいにはうるさいのだが、やはり死霊系の魔のような呪いによって此方を害してくるようなじはしない。そのため我慢して進むことが出來た。そしてついに聲の主の所まで到達する。するとそこに居たのはメイリーより小さな子たちであった。
「かえって。」
「かえってよ。」
「おねがい。」
「ぼくたちは、ここをまもらなきゃいけないの。」
「ってちゃんとしゃべれるのか。守る?」
幽霊たちは念話のような手段以外にもしっかりと會話が可能であった。
「そうだよ。」
「そうなの?」
「そうだったんだ。」
「はぁ。取り敢えず説明してください。」
幽霊たちの要領の得ない説明によって無駄に時間を取られたが、メイリーはおおよその事を察した。つまり、彼らは住居人の手伝いをしながら住居人の魔力を貰って活していたが、それを気味悪がった前住居人の孫が彼らを地下室に閉じ込めてしまったので、今度は彼らが孫たちを追い出そうと々とやったのだという。
しかし追い出しても追い出しても人がってくるため、頑張っていたら魔力が盡きてきて、今では『念話』で語りかけるくらいしか出來なくなっていたのだそうだ。
(ということは、ここは近年幽霊屋敷になった訳じゃ無くて、元々幽霊屋敷だったって訳か。まあこいつらは幽霊と言うか、シルキーみたいなじか。でもそれなら家事とか手伝ってくれるんだよな。)
「これからここに私が住む予定何だけど、家事とか手伝ってくれる?」
「いいの?」
「いいよ」
「わーい」
「やったー!」
「やったー?」
「そうなの」
子の幽霊改め、シルキーたちは喜んでくれるのだった。その後、依頼主の不産屋さんの人に來て貰い幽霊を退治したことを確認してもらったメイリー。なんとシルキーには『念話』以外に、住居人とその人に認められた人以外への『不可視』と言う、スキルが備わっていることが分かり、隠れて貰っていた。
依頼人は確認を終え、満足したようであった。依頼書にサインを貰い依頼達となったので、報酬の話になった。すると依頼人はニヤニヤしだす。
「はい。ありがとうございました。それでは報酬としてこの屋敷を金貨200枚で買う権利を差し上げたいと思います。」
「200枚?格安って話だったんですが?」
「はい。あの屋敷は金貨1000枚ほどの価値があると私どもは考えております。なので格安でしょう。あと買う権利なので、優先権は貴方様にありますが、買うのに時間がかかると言うことでしたら、殘念ながら諦めていただく場合もありますのでご了承ください。」
格安という言葉に釣られた哀れな冒険者を、無報酬で働かせようと言う魂膽なのだろう。報酬が低いため低ランクの冒険者がけることになり、功しても低ランクに金貨200枚なんて大金は払えないだろうという目論見なのだろう。
「えーと、ローンでは?」
「すいません。あの件は人気な件だったので、幽霊騒が無ければ引く手あまたなんですよ。」
「そうですか。わかりました。じゃあ200枚ですね。はいどうぞ。」
「そうですか。殘念で、えっ?」
「はい。金貨200枚です。ご確認を。」
「えっ?ホントに。噓だ。」
金貨がった袋を手渡すメイリー。それを急いで確認しだすが殘念ながら中には金貨が200枚っている。
「あ、ああ、すいません。間違えていました。金貨200枚ではなく…」
「これ以上は此方も組合に正式に抗議しなくてはいけなくなりますよ。」
「えーと、もうあの屋敷は買手も決まって。」
「先ほどの言葉をお忘れですか?優先権は私にあります。ですよね。」
「し、しかし」
「ですよね?」
「は、はい。」
こうして安全にとはいかず、恨を殘しつつだが、メイリーは幽霊屋敷改め、シルキー屋敷を手にれたのだった。
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