初心者迷宮にあった隠しルート。確かに初心者迷宮だけに隠しルートを見つけられるような、練者が來ないため、そう言ったものが殘っている場合が多いのだろう。空間把握でざっと見た限りだが、小型の魔獣よりも中型の魔獣の方が多そうである。迷宮からの侵者が來ないように土壁でり口を塞いだのだが、ここから魔獣が出ていくことを考えたら、結果的には良い判斷だっただろう。

(中型の魔でも何とかなると思うけど、問題は魔力が持つかって所かな？)

空間魔法を迷宮にってからずっと使用している。別にそれだけでへとへとになるほど脆くは無いが、この隠しルートが何処まで続くかわからない以上、魔力殘量には気を付けなくてはいけない。

(まあ、魔法以外を実戦で修行できる良い機會かな？)

そのためメイリーは、魔法を使わなくても倒せる魔獣は接近戦で倒すことにした。通常の中型魔獣ならば、相が壊滅的で無い限りメイリーの魔法で倒せるし、小型魔獣ならば強化を施さなくても、十分渡り合えるので隠しルートもそこまでスピードを落とすこと無く、どんどん踏破していくのだった。

と順調に進んでいったが、徐々にそのスピードも落ちていく。暴風狼とまではいかずとも、旋風狼よりも強力な中型魔獣がちらほらと出始めたからである。魔力省エネモードのメイリーでは倒せはするものの、速攻とはいかず足を止めるしかなかった。

メイリーの3つのスキルの１つ『自回復』は怪我や病気だけでなく、疲労や魔力も一応、回復してくれるのだが、その恩恵は主の怪我などに比べたら遅く、長期戦なら絶大な効果を発揮するが短期戦で使える代とは言えなかった。

(巖石蜥蜴と氷水亀、他にもどんどん。これ今日中に終わるかな？)

この場所は初心者迷宮としては破格の難易度であるし、正規ルートでは殆ど出なかったドロップアイテムも何點か出た。そのため面白いのだが、メイリーが求めている難易度には屆いていないし、ドロップアイテムもメイリーが実戦で使えると判斷出來る程のは無かった。そのためメイリーとしては、早めに踏破してもっと強い魔獣がいる場所に行きたかった。ただ、引っ掛かる點もある。

(わざわざ、隠しルートにしてるってことは何かあるんだろうけど、なんだろ？)

迷宮の意図をはかりかねるメイリーは結局、踏破スピードが上がらず、それから數時間かけて最奧らしき大部屋まで辿り著くのだった。

(漸く著いた。魔力不足か。これからの課題になりそうね。…うーん、でもここが最奧なのかな？)

メイリーはやはり違和をじる。大部屋には魔獣が一のみ。間違いなく迷宮主だろう。しかし今までと異なり大部屋周辺を空間把握で知することが出來ない。まるで何かに干渉されているように。

しかし一旦、それを考えるのは後回しにして隠しルートの主を倒すことに頭を切り替えて、メイリーは大部屋に侵する。するとそこに居たのは、

「ブモォーーオ！」

「魔獣じゃ無いか。これは『牛頭人/ミノタウロス』、人獣か。」

そこに居たのは迷宮の番人、ミノタウロスであった。