《疑似転生記》初心者迷宮 後

ミノタウロス、牛頭人の怪である。魔法は使えないが、巨大な軀とパワーは大型魔獣を凌駕する。ミノタウロスの得は巨大な戦斧でありそれを力いっぱい振り回してくる。さらに頑丈であり自然治癒力も高いため、遠距離攻撃が弱いパーティーでは厳しい相手であった。

そのため中堅の冒険者パーティーの壁のような魔獣として認識されており、ミノタウロスを倒せれば上級者の仲間りなんていう人もいる。

しかし殘念ながらメイリーを相手にするには、ミノタウロスでは相が悪すぎた。リーチがあるとは言え、ミノタウロスの間合いの外側から一方的に攻撃が出來るメイリー。しかも場所が大部屋という事で、飛行魔法と空間魔法を併用して、ミノタウロスが追い付けないスピードで逃げながら、攻撃を繰り返された。治癒力が高いミノタウロスでもメイリーの高火力の魔法を浴び続ければ流石に耐え切れない。そのため決著はすぐについたのだった。

(強いんだろうけどな。相が悪かったけど。おっドロップだ。)

ミノタウロスの亡骸がの粒子となって消え、そこからミノタウロスが握っていた戦斧よりも1回り2回り小さな戦斧が殘されていた。メイリーの『鑑定眼』で見てみると『牛鬼戦斧』と出ていた。

「『怪力』のスキル持ちの魔武か。魔武ってことは『初回討伐報酬』かな?武能も高い。けど私じゃ使いこなせないな。」

裝備するとスキルの恩恵をけられるを魔武や魔裝備などの言い方をするのだが、基本的に迷宮でそれらがドロップするのはもっと高位の迷宮である。ここが隠しルートであったとしても、最初の討伐で魔武が當たるほど楽ではないのであった。

またミノタウロスを倒したので、メイリーが大部屋にる前にじた違和の正を探ることにした。

(間違いなく干渉されてるな。ってことはおそらく私よりも強い空間魔法で覆われてるな。もっと強力な空間魔法が使えるようにならないとここは通れないってことかな?しょうがない。帰るか。)

結局今のメイリーのレベルではこの隠しルートの謎は解けそうに無いので、本來の目的であった、正規ルートの迷宮主もサクッと倒して初心者迷宮を後にするのだった。

結局、迷宮探索に半日程度掛かってしまった。夕暮れ時に冒険者組合に戻ると何故だか自慢気な表で出迎えるレレナの姿があった。

「どうでしたか?初心者迷宮は?思ったより迷宮探索は難しかったでしょう?」

「うーん。まああれを初心者迷宮と、言って良いかわからないですけど、まあ面倒ではありましたね。」

「はい?」

言っていることがよく分からない様子のレレナだったが、そんな事お構いなしにメイリーは迷宮で手にれたドロップ品を提出する。

「初心者迷宮でドロップアイテムですか。運が良かったんですね。ああ、そう言えばメイリーさんは運気上昇系魔法が使えましたね?」

「まあそれは今回使って無いんですけどね。あとこれも。」

「おお、お…えっ?ええっ!」

メイリーが出した『牛鬼戦斧』にレレナが固まる。

「えーと、これは?」

「牛鬼戦斧ですよ。ミノタウロスから出ました。」

「み、ミノタウロスが初心者迷宮に?」

「うーん、10階層に隠しルートがあったんですよ。」

説明するメイリーだったが、流石に信じられないレレナたち組合側は後日、メイリーの案のもと事実確認に赴くのだった。

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