テイルの學院で出來た友達、リュートは王族であったようだ。話を聞いてみるとテイルがメイリーを呼び出した用件もリュートに関することらしい。リュートはこの國の第2王子であり、現在も第1王子と王位継承を爭っているらしい。何故爭っているのだとか、何故爭おうと思ったのか等は、深りしたくないメイリーは敢えて聞こうとはしなかったのだが、その王位継承戦を有利に進めるために、『寶竜の迷宮』と呼ばれる迷宮で手にる、あるアイテムが必要とのことであった。

「事はなんとなく分かりました。それで１つ質問が、何故私に？」

「それは勿論、僕の親友であるテイルが信頼する…」

「そう言うことでは無く、まだCランクで貴方よりも4歳もい私に依頼するよりも、もっと信頼できる高ランクの冒険者に、と言うことです。」

話を聞く限り今回の依頼は絶対に失敗出來ないと言う類いのモノではない。しかしそれでもメイリーに依頼するなんて博打を打たずとも、第2王子ならば最高位冒険者を雇う力ぐらいありそうだと、メイリーは考える。するとリュートは気まずそうな表を浮かべる。

「兄さん。第1王子側の陣営に冒険者組合で莫大な権力を握っている人がいるんだ。彼が高位の冒険者に聲をかけてしまっているから、誰も僕の依頼をけてくれなくなってしまった。もう個人的なツテに頼るしか…」

「やっぱり面倒ごとでしたか。」

メイリーが厳しい顔をする。それを見たテイルは不安そうな表で尋ねてくる。

「メイリー。駄目か？」

「うん？別に駄目ではありませんよ。こういう面倒ごとは大歓迎なので。所謂テンプレート。」

「てんぷれー？なんだそれ。」

「いえ、忘れてください。それより的な話をして下さい。寶竜のって言うくらいですから、そこの迷宮主は竜何ですよね？」

語にも度々登場する存在である竜にもピンからキリがある。大型魔獣よりも上に分類される個もあれば、小型魔獣と同等程度の個もいる。竜と言われても一概には判斷出來ないのだ。

メイリーの質問に護衛の１人が答える

「今回は寶竜の迷宮でドロップするアイテムが目的であります。絶対に迷宮主である寶竜を倒す必要はありません。ただ、報ではドロップする割合から考えますと。」

「寶竜を倒せるならそっちの方が確率が高いんですね。まあそれなら倒せるならそっちを目指した方がいいですね。それでは、依頼の詳細を教えて下さい。」

期限は２ヶ月、依頼の品は『寶珠』。迷宮主を倒さなくていけないと言うことを考えれば、２ヶ月は普通の冒険者には厳しい期間である。空間魔法でショートカット出來るメイリーならば、何とかなるかもしれない。

リュートは依頼書を読み込んでいるメイリーを難しそうな顔で見つめる。やはりいメイリーに危険な依頼を頼むのは気が進まないのだろう。

「それでは本當に宜しくお願いします。」

「はぁ、まあ何とかしてみます。」

メイリーとテイルを殘して先に店を出たテイルに護衛の2人が近づいてくる。

「本當に彼に任せて大丈夫何ですか？」

「失敗しても致命的ではないとは言え、あのようなに！」

「テイルの信頼している者だからです。僕もあそこまでだとは思っていませんでしたが。それでも信じるしか無いでしょう。貴方たち２人を相手に戦闘系スキル無しで勝利したテイルが、足元にも及ばないと言わしめた彼の強さを」

リュートは覚悟を決めたのだった。