《疑似転生記》魔法演舞 決勝トーナメント 中

芽依と太が決戦のフィールドで相対する。

「鹿島選手と太選手の戦闘準備が整ったようです。さて、この戦い、どう予想しますか?」

「そうですね。ここまで空間魔法と一部の攻撃魔法のみで勝ち上がってきた鹿島選手ですが、空間魔法以上の隠し玉があるとも思えません。同様に太選手も曬している主要な魔法はレーザー砲のみですから、それを鹿島選手の空間魔法で攻略できるかどうかで決まると思いますよ。」

芽依と太、両者ともメインウェポン1本で勝ち上がってきたと言っても良い。どちらが勝つかはそのメインウェポンの優劣で決まるだろうと言うのが大方の予想であった。

「それでは決勝トーナメント準決勝第1試合を開始いたします。3、2、1、レディーファイト!」

戦闘が開始する芽依はその場で詠唱を開始し、太は飛行魔法を併用しつつレーザー砲の準備をしだす。

「おーと、太選手は今まで通り距離を取る。しかし鹿島選手は太選手を追わない構えだ。これは太選手のレーザー砲への対策があると見ていいのでしょうか?」

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「そうだと思いますよ。それが2回戦で太選手が見せたフェイントを警戒しているかですが、鹿島選手の空間魔法ならば、特攻を仕掛けた方が有効な筈ですから、真っ向から倒そうと言う意思の現れなのかもしれません。」

実況が言うように芽依としても折角、注目選手と対戦するのならば彼の切り札を打ち破りたいのがゲーマー心であった。しかしそれをただの挑発だとじた太は、心中穏やかではいられない。最高火力で焼き殺してやる決心をする。

「ふざけやがって。『天の加護を得て、よ、敵を撃ち抜け』」

が芽依に向かってレーザー砲を放つ。しかしレーザー砲は途中まで直進していたが、いきなり屈曲し芽依がいる地點よりも大分前の地面を焼き焦がす。

「おおっと、これはどういうことだ。直進するはずのレーザー砲が突如曲がったように見えましたが。これはもしかして重力…」

「いえ。おそらくあれはもっと単純なモノです。あれは蜃気樓でしょう。」

蜃気樓とはが進行速度が違う場所をまたがって進む場合が遅く進む方向に曲がる現象であり、これはが大気の溫度の違う中を進むと、の速度が早い暖かい空気と速度が遅い冷たい空気との間で冷たい空気の側に曲がるのである。

「なかなかやるようだな。だが太の扱い方では私の方が上だ。『よ、集約し、穿て』」

再度、レーザー砲を放ってくる太。それをしっかり見つめつつ、しかしかない芽依。今度こそ芽依を撃ち抜くと思われたレーザー砲。しかし今度のレーザーは反してしまう。

「まさか中學の理科の知識で思い付いた蜃気樓で防げるとは思ってなかったが、どっちかと言えばこっちが本命。『鏡の世界』です。」

芽依としてはこの『鏡の世界』を発し終えて、時間が余っていたので、中學生の時に習ったの屈折を応用したものを試しただけなのであった。まさか上手くレーザー砲が逸れるとは思ってなかったのだ。そんなじでレーザー砲の反を避けられなかった太選手は、自が焼き殺されるのであった。

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