《疑似転生記》不吉な鼠の氾濫 Ⅱ

パーティーリーダーとメイリーで依頼の計畫を立てることになったのだが、D、Cランクのパーティーリーダーくらいでは普通、複數人での依頼には慣れていないため仕方なくメイリーがその場を仕切ることになった。Cランクパーティーと言っても、Dランクが3人以上いるか、Cランクが1人でもいればあとのメンバーはEランクで構わない。『悠久の風』もリーダーのアレンと魔法使いのフランがこの間、Dランクに昇格したという話を聞いたのでもう1人昇格すればCランクパーティーとなる。パーティー制度などその程度であるのであまり當てにできないのだ。

「どんな作戦が良いと思いますか?」

「今回の『氾濫』はほとんどが小型の魔獣であることから、前衛が盾になって後衛が範囲攻撃で殲滅が一番手っ取り早いと思いますが?」

「何で手柄をお前らにやらなきゃならん。それなら後衛が魔獣を抑えている間に前衛衆で殲滅でも良いだろう」

「馬鹿なの?相手は『下水処理場』の魔獣よ。あんたたちがのこのこ前に出たら毒に侵されて終わりよ」

「なんだと!」

2組のCランクパーティーのリーダーたちがめ出した。彼らは単獨でCランクの実力者であるからか、他のリーダーたちはそれを仲裁できそうもなく、メイリーを弱々しく見てくる。

「作戦は聞きましたが、喧嘩しろとは言ってませんが?」

「うるさい。だいたい何でこんな鬼が今回のリーダーなんだ。俺は納得してないぞ!」

「あんたが納得してなくても関係ないの黙ってなさい。それで、リーダーさんの意見は?」

「…今回の依頼の主目的は、群れの殲滅よりも、近隣の村の守護にある。なら魔法で殲滅、撃ちらしを前衛が倒す流れの方がいいかな」

近接武では一度に倒せる數に限りがある。今は群れの編中の鼠たちだが、此方が攻撃を加えれば即座に進行を開始するだろう。ならば初撃でできる限り數を減らしておく必要があるだろう。ならば殲滅は後衛が擔當した方が良いとメイリーは考えたのだった。

一方のCランクの魔法使いメルル、あとアレンなどのDランクパーティーのリーダーたちは、メイリーの意見に納得したようで賛の視線を向けてくる。しかしもう一方のCランクの大剣使いガーラルは、あからさまに不満そうな表でメイリーを睨んでくる。

「そもそもなんでこんな鬼の言うことなんて聞かなきゃならん!」

「…別に聞きたくなければ聞かなくても問題ないよ」

「ちょっとリーダーさん!」

「ほう。なら俺らは、」

「でもそれならこの依頼からは外れてもらいます。殘念ですが」

「は?ふざけんなよお前!」

「別にふざけてませんが。一応組合からその権限は與えられています。あなたに私の作戦よりも良い作戦があるならいいですが、そうでも無く自分の面子のために場を混させたいのなら邪魔なだけなので」

権限は與えられているが、基本的にその権限を行使することはない。それは冒険者のプライドを踏みにじる行為だからだ。しかしメイリーはそれを行使するという。ガーラルは怒気をぶつけてみるが、メイリーがじない。思い通りにいかず苛立ちが募る。そして

「チッ!やってられるか!」

作戦室を出ていってしまった。これにより依頼はメイリーと4組のパーティーで行うことになった。

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