《疑似転生記》魔法誕生 後
『魔臓』持ちの咲月さんが進んで協力してくれる。これほど心強いことは無かった。それに良い顔しなかった親友である天さん。咲月さんのがそんなに丈夫じゃないことを考えれば當然の反応だった。今にしてみれば鹿島も賛はしてなかったように思う。ただ咲月さんが鹿島の役に立ちたくて名乗り出たことは明かだったから何も言わなかったのだろう。
大學に學してからはさらに研究に沒頭するようになった。この頃には研究員の數も増えてきていた。研究設備を提供してくれる所もいた程だった。なにより咲月さんの影響かこれまでゲーム7、研究3の割合だった鹿島がよく研究室に來るようになったことが大きかった。研究はどんどん進んでいく。
「この反応ですね。咲月さん、もう一度お願いします」
「はい。わかりました」
「じゃあそれが終わったら今度はこっちで!」
でも私たちは焦っていた。父さんと鹿島を除けば殆どの研究者たちが焦っていた。やはり人のの一部、それも脳の一部を再現する何て無謀なことだ。それらの解析が順調に進んでいきデータはどんどん集まっていくが、集まれば集まるだけ複雑になっていき再現できるとは思えない。ゴールがどんどん遠くなっていく。それでも諦めずにいられたのは父さんと鹿島が複雑になっていくデータの山から、重要な部分をピックアップしてしずつ再現されていたからだった。二人がいれば研究は功するという希があったからだ。
そしてだからこそ私たちは焦っていた。鹿島はかねてから大學卒業後はゲーム會社を作ると公言していた。そのリミットが刻々と迫っている。みんな鹿島が大學に殘って研究に沒頭してくれる格でないこと、そして鹿島の代わりを務めることができる人がいないことを理解していた。私が一番理解していた。もしそうなったら鹿島の代わりを擔うはめになる私が一番。だから私はまだ解析が不充分だと言う人たちの反対を押しきり試作品の開発に著手するよう提案した。
「しかしだな」
「まあまあ博士。潤の言うことももっともですよ。俺も今みたいに一部分ずつプログラミングしててもとは思ってたんです」
「父さん!」
鹿島の後押しもあって父さんも折れてくれた。それからは試作品を開発したら咲月さんに試してもらいデータを集め、また新しい試作品を作るということの繰り返し。やっていることはそれまでと変わらないか、それでも実があるとないとでは気持ち的に大きな隔たりがあった。それでも脳機能の再現は困難だ。それは士気が上がり理想的な狀態であった私たちでもだ。またこの時私たちは気が付かなかったが天才二人は私たちとは別のゴールを思い描いていた。だからそれが完したのは本當に偶然だと後に鹿島は言っていた。
『箒』は劇的な展開もなく何の予兆も閃きもなく普通の試作機と同様に開発された。それをしたのは當然と言えば當然だが鹿島だった。
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