《闇墮ち聖語~病んだ聖はどんな手を使ってでも黒騎士を己のモノにすると決めました~》第二十四話『魔との戦闘』

【グギッ!】【ガガァ!】【グググ!】

が此方の存在に気づき、手による攻撃を仕掛けて來る。

「邪魔だ」

手を黒剣で弾き魔の一へと接近する。

【グググッ!】

は接近に対応すべく、部から複數の棘を突き出す。

「戦う知能があるのか」

黒騎士はを倒し、魔の間をすり抜けると即座に黒剣を逆手持ちに切り替え、魔の心臓へと後部から突き刺す。

【ガガア!】

目の魔が灰となり消えると同時に二目が襲い掛かって來た。

(今度は攻撃に特化した魔か)

鉤爪のような腕を3本所持し、手の様にしながら襲い掛かって來る。黒騎士はへと瘴気を流す事で視力を上げ3方向から來る攻撃を見事に見切り斬り落とす。

【ガガガがッ!!】

は悲鳴を上げるが黒剣を頭部へと投げつける事で鳴き聲は止まった。

「二目も片付けた。後はヴェヌスに預けた魔だけだが。」

剣を引き抜くと魔は灰となり空気へと散って行く。

(なんと言う強さだ。)

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ヴェヌスは黒騎士の戦いを橫目に驚きの表を隠せずにいた。

(以前の決闘で副団長殿の強さを知ったつもりでいたが、當方の數段は上の次元にいる。)

の攻撃を軽やかなステップで避け、レイピアによる連撃をぶつける。

【グキッ!】

は怯むが決定打には至っていない。

「これでは足りぬか________業火煙滅!」

レイピアへと火屬の魔法を付與し、心臓部へと目掛け突き放つ。しかし魔は翼を広げ上空へと逃げた。

「逃れられると思うな!」

レイピアを魔のいる上空へと突き出しぶ。

「炎剣________飛燕!」

レイピアの切っ先へと炎は集中し、解き放たれる。炎は高速で魔を包み込むと、魔から炎の剣が突き破る様に無數にも出現した。

(えげつない技だ。)

は苦しみを上げる事なく灰へと帰っていく。決闘の際にその技を使わないでいてくれた事を心の中で謝する黒騎士。至近距離で放たれていたならば対応出來ずに死んでいただろう。

「はぁ....はぁ....」

膝をつき、息を荒げるヴェヌスの元へ駆け寄り介抱する。

「大丈夫か?」

「あ、あぁ。すまない。張のあまり力が抜けてしまった。」

対人戦ではない初めての戦い。手元が震えながら戦った。

(もし仮に當方が一対三で戦っていた場合、當方は負けていた.....)

の魔に集中する事で難なく撃破する事は出來たが、複數となると厳しいだろう。

「瘴気部での戦闘はこうも厄介なものなのか?」

「あぁ、だからこそ1萬人の軍勢が全滅した。」

黒騎士はヴェヌスを立ち上がらせる。

(______俺達が目指さなければ行けないなのは東西南北に存在する『四つの塔』。)

そして先ず始めに帝國領から一番近い『西の塔』を攻略しなければならない。

(本來ならばユーノの役目だが______)

ヴェヌスを橫目に考える。彼長させ、マールス達のパーティーにれる。裏切りの【魔ユースティティア】の有無は実は必要ではない。故に彼をその立場へと押し込もうとかに計畫を練っているのだ。

(王宮騎士の男、そしてシアリーズと言う付き人......)

邪魔だな。瘴気攻略時に死なないのならば裏に殺してしまおう。その後釜としてヴェヌスとユーノをれる。

「副団長殿、當方達は此れから何処に進むのだ?」

ヴェヌスが聲を掛けてくる。

「あぁ、実は以前の遠征時に見かけた大きな塔、そこに向かおうと考えている。」

「塔......王國のソル塔、そして公國のバックス塔しか思い浮かばないが、帝國近隣に塔などは存在しないぞ。」

「瘴気に進行した際、そこ迄前進はしていなかった。だが、その塔は確実に存在している筈だ。恐らくだが霧の出現に何か関係があるのかも知れない。」

それっぽい事を言って辻褄を合わせよう。

「そうか。確かに其れは怪し「「飛べ!」」ッ!!」

大きくその場を飛ぶ。そして下を確認すると、大剣が立っていた場所に振り下ろされていた。

【グググ____グググ_____グググ】

倒壊寸前の廃墟に著地する。そして大剣を振るったであろう相手を見ると、大きな魔が其処にはいた。鎧もしているところを見るに先程戦った下位の魔よりも上位のものらしい。

(パワータイプ......)

ヴェヌスを安否を確認する為に視線を彼に向けると既に手にはレイピアが握られていた。

「行けるか、ヴェヌス?」

「誰にものを言っている。」

口元を上げるヴェヌス。黒騎士もまたふっと笑うと剣を抜くのだった。

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