《闇墮ち聖語~病んだ聖はどんな手を使ってでも黒騎士を己のモノにすると決めました~》第四十五話『歪みと後悔』

俺は何時も一人だ。だから、誰かが隣で話し掛けてくれるだけで嬉しかったんだと思う。

ディアーナ達は初めて出來た【友人】だった。

だからこそ、この繋がりをしでも長くじていたかった。例え彼らが■■■だとしてもこの心にじたは紛れもない真実なのだから。

(ディアーナ、後しでお前と逢える。)

従姉妹を殺し自分を慕う後輩も殺し、數多の人間を自分のを満たす為に殺して來た。正気など既に瘴気で洗い流されている。

________黒騎士の神は既に歪みが出來ていた。

修復不可能な程深いと虛構。彼は親に盲目的であり、真っ直ぐな格だ。だからこそ言葉や脳では駄目だと分かっていようとも最後にはきっちりと目的の為に外敵を排除する。

「ジョン、さっきから黙っているようだが...........何を笑っている?」

最後の難敵である【骸の魔】の居城を目に自然と口元が緩んで居たようだ。

「いや、ただ........高揚しているだけだ。」

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既に鎧の仮面など不必要と裝著してはいない。周囲の評価などもうどうでもいい。

(後一歩.......後一歩で彼に逢える。)

「__________ディアーナ。」

とても長かった。この時を迎えるまで既に數年と時を重ねてしまっている。

「ジョン副団長、私の名前を呼びましたか?」

黒騎士はディアーナの方へと顔を向けると優しい笑みを浮かべていた。

「あぅ//」

(最後の戦いだと言うのに私は.............)

ディアーナは顔を赤面させ下を俯く。

(來世と言うものがあるのらば私は彼と..............ふふ、いけませんね。私のような小娘では不釣り合いだ。)

「お互いに頑張りましょうね、ジョン副団長。」

はその笑みが歪んだ笑みである事に気づかない。

「あぁ_________”お互いに”頑張ろう。」

そしてそれを遠目で見ていたヴェヌスはもまた葛藤していた。これまで隣で戦友として戦っていた彼が見せるあの微笑を自分にも向けてしいと。聖しく気高い。男勝りの自分では到底としてもとしても勝てはしないのだから。けれども敬する副団長へのは自分こそが上であると信じている。だからこそ、戦う時も死する時も同じであるべきだと己の心に誓っていた。

「副団長殿.......この戦いが終わったら、當方は貴殿に言いたい事がある。」

己の気持ちを伝える。例え拒絶されようとも承諾されるまで付き添う覚悟は出來ている。

「今では、駄目なのか?」

副団長殿は困った様にそう問いかける。

「あぁ、この戦いが終わってから..........このじる気持ちを副団長殿に告白したいのだ。」

困ったような顔を見せつつも副団長殿は自分へと笑い掛け當方の頭へと手を置いた。そして優しくでると耳元でこう囁く。

「ヴェヌス___________此処から去れ。」

意味が分からず唖然とする。すると副団長に手を引かれ、皆から離れた場所へと移する。何故誰の目にも屆かぬ場所まで移したのかは疑問に思うが、それよりも先程の発言だ。

「と、當方は最後まで「チュ」はっ?へっ?今...........當方は何をされ「チュ」........はぅ///」

突然の口付けに驚きと恥ずかしさが押し寄せる。そして小聲で”もっと//”と言うと優しくを重ねてくれた。

「あぁ.......」

自分からが離れていく。もっと熱い接吻をしてしいとんでいる為か名殘惜しさをじる。だが副団長殿の表を見て直ぐに意識を改めた。

「副団長殿.......どうしたのだ?」

「お前達には死んでほしくない。」

死んでほしくない。何を言っているんだ。當方は絶対に死んだりなどしない。

「アイネイア、レア.........いや、ユースティティアを連れて逃げろ。」

共に旅をしたパーティーメンバーの名を上げ帝國領から避難しろと言う。

「ふ、ふざけるな!當方は共に副団長殿と戦うぞ!」

まるで一人で死にに行くような発言の副団長にび聲を上げる。それと同時に涙が瞳から零れ落ちるのをじた。

「【骸の魔】は強大な力を持っている。此れまでの渦とは比べられん程にな。」

「それでも!それでも........當方は「一生のお願いだ。この約束を守ってくれのなら、お前のむ事を何でも聞いてやる。」

「そんな當方はまぬ!當方はただ、副団長殿のお側にお仕え出來れば良いのだ!!」

「はは、其れは............困ったな。俺はお前達に死んでしくないんだよ___________生きしいって願っちまった。」

ヴェヌスはを噛み締めた。が流れ出るのをじるがそれ以上に副団長の顔を見ていられなかった。

(副団長殿は本當に當方達の心配をされている...........)

副団長殿の悲しい顔を見るだけで自分のも張り裂けそうになる。だけど、當方はもう既に決めている。

「答えは否、當方はジョン副団長についていくぞ!」

「..............やはり、お前はそう言うと思ったよ。」

黒騎士はヴェヌスの言葉をけ小さく笑う。

「だが」ドス

剣の柄で思いっきりヴェヌスの後頭部を毆りつけた。

「あがっ........副団長........殿っ、」

意識が暗転していく。

「ヴェヌス、お前が抱える気持ちは他の奴に取っておけ。お前みたいな良いには俺みたいな男は勿ないさ。」

ヴェヌスはその言葉を聞き屆けると同時に意識を完全に失った。

「アイネイア、ユースティティア.......出てきたらどうだ?」

二人はから姿を現す。両者とも、何故かうるうるとした様子で自分を見ていた。

「副団長、俺はユーノと貴方の背中だけを追い続けたい!」

アイネイアは自分の気持ちを心から伝える。

「私だって.........うぅ、副団長にキスされたいんですけど?」

ユースティティアも同様に己の気持ちを伝えた。もっとも私に塗れただが。

「俺の背中など追うな。己の剣を信じ高みに登れ。」

「うぅ.........ジョン副団長!」

アイネイアの肩へと手を起き告げると抱きついてきた。

「離れなさいよ、気持ち悪い。」

ユースティティはアイネイアを心底気持ち悪いと言った様子で引き離すと自分へとを向けた。

「やってくれなきゃヴェヌスを連れていかないから。」

「.......はぁ、分かったよ。」

そしてユースティティアへと向き直り彼の顎を上げ優しく口付けをする。

「此れで満足か?」

「ひゃい......だいまんじょくでしゅ//」

この、本當に大丈夫か?

「さぁ、行け。マールスにでも見つかれば五月蝿い事になるからな。」

二人は首を縦に降るとヴェヌスを連れ走り出して言った。

(此れでもうあいつらとも會うことはないだろう。)

「__________達者でな。」

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