《闇墮ち聖の語~病んだ聖はどんな手を使ってでも黒騎士を己のモノにすると決めました~》第四十六話『最終決戦前』
悲慘な荒れ地と化した戦場に一人の男は剣を握り締め立っていた。彼の眼前には巨大な瘴気を放つ城塞が聳え立つ。
「レムス..........」
彼は立ちながらに息絶えていた。マールスは騎士達に命じ、彼を橫に倒す。
「個々ら一帯の魔の強さは東西南北の魔達よりも遙かに強かった筈だ........よくぞ、ここ迄戦ってくれた。」
壯絶な死闘の末にレムスの命は盡きたのだろう。
「マールス、俺が先に出るか?」
ここ等に蔓延る魔の強さはかなり強力な部類だ。命を削り、死にゆく時まで剣をったのだろう。
「俺が先陣を切る_____」
マールスは剣を握る拳に力をれる。葛藤か、怒りか、最早何方でも良い。この戦いを早急に終わらさなければさらなる被害が出るのだ。
「__________俺に続けええええええぇぇえ!!」
城へと剣を掲げ突する。
「ジョンさん!片付けましたよー!」
ちなみに門番である牛頭の魔2頭は既にユーノが片付けていた。
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「「団長に続けぇーー!!」」
騎士団が一斉に城へとなだれ込む様に進軍して行く。それと重なる様に城からは無限とも呼べる數の魔達が騎士団へと遅い掛かる。
「凄い數だな、ジョン!」
剣を振るいながら話しを掛けてくるマールス。
「敵も本気なんだろう。」
この戦いこそが最後の戦いなのだから當然だ。
「くっ、きりがないなぁ!」
ユーノでさえ、數の力に押され始めている。
「___________皆さん、左右ギリギリの位置まで避難して下さい!」
しかし、ユーノは何かを思いついたのか騎士団員達へ警告をした。
「僕が一本道を作ります!!」
一本道を作る、か。恐らく奴の代名詞である『をこの手にッ!!』を使うのだろう。
「我この手に勝利と_____________」
切っ先に奇跡と同じ聖を纏わせ、突進するゴリ押し技。
「分かった!」
「任せたぞ!ユーノ!」
騎士団員達はユーノの発言に従う様に城の壁際まで後退する。魔も避難する騎士団員達を追おうとするが遅い。
「___________をおおおおおこの手にいいいいいッ!!」
の突進とでも言うのだろうか、綺麗に魔達を躙し一本道を作る。
「今が好機だ!」
マールスを筆頭にユーノが切り開いた道を騎士団員達と共に駆ける。
「ユーノ、扉をそのまま破壊しろ!!」
そして最奧に存在する扉を破壊する様にぶ。ユーノは扉を破壊すると中には上の間へと繋がる長い階段が続いていた。
「そのまま上階まで上がれ!」
騎士団員達は階段を上がっていく。
【グキギ】【バババ】【ガガガ】
しかし生き殘りの魔達や更に現れる魔の群れが騎士団員達を後ろから襲い掛かる。
【【ガガガ!?】】
だが階段へと繋ぐ道が結界により塞がれ、魔は結界により押し返えされる。
「此処は私がけ持ちます。」
聖ディアーナが下の層に殘り魔の大群をけ持つと言う。
「聖様!私もお供します!ですかられて下さい!!」
シアリーズは結界を叩きながら階段側からぶがディアーナは首を橫に振った。
「行きなさい、シアリーズ。貴方のお役目は今より私の付き人ではなく、世界を救う新たな聖となるのです。勇者を支えなさい。」
世界に安寧を、人に幸福を。のが完全に閉じる。そして聖は一人、魔の群れの中に取り殘される事になるのだった。
「ジョン、行っても良いんだぞ!」
マールスはそんな言葉を口にするが、鼻で笑い前を向いた。
「必要ないさ。彼奴は”戻って”來るからな。」
絶対的な自信。その表を察してかマールスはそうかと小さく呟き階段を駆け上がる。
「_________此処が、敵の総本山か。」
騎士団員達と共に骸の魔が待つであろう間へと著く。そして間の最奧では玉座に座り此方を見つめる紅き2つの眼が覗いていた。
【人間_______我が城に何用か?】
【骸の魔】。歪な姿をした魔。アンデッド系の頂點に君臨するであろう異業種。魔界の主。ユーノや覚醒ディアーナ以外では倒せないと呼ばれた魔王の中の魔王。
「貴様を討ち、人の世に再びを照らす。」
マールスは剣を掲げそう告げると骸の魔はその重い腰を上げ立ち上がる。
【の世を取り戻す、だと?くく、何を馬鹿な事を言う。貴様達人間がこの星を汚した故に発生した瘴気だ。そのを狙い、我らは魔界から下界に侵攻しただけの話だ。星の抗とやらは我らを襲わぬからな。潔く滅びよ、星の害蟲共よ。】
巨大な瘴気が圧され、天へと放たれる。
(あれは........ッ)
思い出した。あの塊は上空で弾け地上へと向け雨の様に降り注ぐ。
「くっ、皆!一旦下がれ!!」
一滴でもにれれば魔力は即座に吸収され、枯渇する。に言うMPが零になると言う理不盡な攻撃技を【骸の魔】は放ったのだ。
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