《闇墮ち聖の語~病んだ聖はどんな手を使ってでも黒騎士を己のモノにすると決めました~》第五十二話『』
「ねぇ!聞いてんの!ちょっと起きなさいよ!」
煩い聲が耳へと響く。何処かで聞いた事がある懐かしい聲。
「っ...........」
視界が戻って來ると其処にディアーナの姿はなかった。しかし、それ以上の衝撃が目にる。
「アンタいい加減にしなさいよ!その鎧壊して這いずりだしてもいいんだからね!」
森林に囲まれ、日が彼の姿を照らす。まるで太の様に明るかったが自分に対しんでいるのだ。
(あぁ..............)
自然と涙が溢れる。そして自然と彼を抱き締める自分がいた。
「ちょ!?アンタ、いきなり何してのよ、変態!!」
毆り飛ばされ木に背を打ちつける。
「______________カミーユ。」
しかし黒騎士は嬉しそうに笑うのだ。死んだはずの掛け替えのない友人の一人がそこにはいたのだ。
「は?カミーユ?誰よそれ。アンタ頭可笑しいじゃないの?」
ボロボロの姿の彼は剣を手に握り締めていた。
「..........戦っていたのか?」
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「それ、あんたが言う臺詞?」
自分の姿を確認すると黒騎士の鎧を裝著しているが所々が砕け、鎧の機能が辛うじて保っていると言うじだ。
(.......瘴気の力が消失してる。)
しかし黒剣は手元にはまだ殘っている。最低限、戦える力だけを殘し【裁定者】は『世界を移』させたのだろう。
(あの世界のディアーナはどうなる?俺は、彼の手を............くそ、ディアーナ.....)
苦労の先に出會えた。手を離さないと誓ったばかりだと言うのに。
「アンタ、本當に大丈夫?塗れだし、獣にやられたんでしょ。一応、止とかはしといて上げたから謝しなさいよね!」
恐らく再生途中にあった傷口からが流れ出たのであろう。マールスにやられた傷が完全に塞がってはいない。理由として再生能力が止まったせいで傷口が完全に塞がらずに中が痛むのだ。
「ありがとう、カミーユ.........やっぱりあんたは優しいな。」
「は、はぁ//當然の事をしただけだし!て言うか私はカミーユって名前じゃないって言ってるでしょ!」
照れた様子でび聲を上げるカミーユと呼ばれる。
(あぁ、懐かしい..........)
涙が自然と頬を伝う。
「うぅ、何処か痛むの?」
カミーユは涙を流す姿を見て心配とした表を見せる。黒騎士は即座に目元を手で拭った。
「あぁ、また出會えて........嬉しいんだ。」
【第三の門】を開くには力を証明しろと裁定者は言った。『王冠を巡る戦爭』の継続をする為に第三の門は解錠しなければならない。門を開きさえすれば『みんな』とまた會える。ディアーナも含めた友人達に再び。故に黒騎士は裁定者の與える試練に挑んでいるのだ。【現実】の世界で彼らと平和な生活を送る為に。
(変な奴。だけど.........なんだかこいつはほっとけない気がする。)
「私、アンタと何処かであったことあるかしら?」
【聖域】のど真ん中で倒れている人間を見つけた。この聖域は人がいていい場所じゃない。
(町の憲兵。違うわね。鎧が高価過ぎる。)
塗れで木に持たれかかりながら倒れていた。顔はのせいで見えないし、鎧は上質だけどボロボロ。
「あぁ。」
「そう。もしかしたら醫者を探し回ってた時にでもあったのかもね。」
黒騎士はこの発言を聞き、今の時間軸がこの世界に置いての何処で有るのかを理解した。
「そう言うアンタは迷信を信じて【賢狼】に會いにいくつもりか?」
「そうよ.............」
剣を強く握りを噛み締めるカミィル。
「もう行く。私には時間がないの.........早く......早く.......おばあちゃんの元に戻らないと........」
ぶつぶつとそうつぶやきながら森の奧へとっていくカミーユ。その姿を目に黒騎士はを立ち上がらせた。
「うぐっ、」
(こんなところでへばってる余裕なんてないっ!)
激痛が中を襲う。
「賢者よ!!話がしたい!!!」
を木に預けながらもび聲を上げる。
(【ブランチェ】、頼む_____俺の呼び掛けに答えてくれ!)
返事は帰って來ない。力が抜け再び地面へと腰を下ろす。
「頼む、俺はアンタに逢いたいんだ!!」
天を仰ぎ言葉をらす。しかし返事は返っては來ない。
(............そうか。)
黒騎士は考える。何故、呼び掛けに応じないのかを。
【第一に人間の意志に応える義務などないと無視している。】
【第ニに死に掛けである為、呼び掛けに応じる力がない。】
【第三、何かしらの制約が裁定者に課されている可能。】
そして最もこの中で高い可能があるのだとすれば第一だろうと推測する。
「俺とアンタしか知らないを今から打ち明ける______________呼び掛けに応えてもらうぞ、ブランチェ。」
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