《闇墮ち聖語~病んだ聖はどんな手を使ってでも黒騎士を己のモノにすると決めました~》第五十七話『魔はデレるのが早い』

『銀狼と』の作者が書いた全ての話に登場する魔は一貫して『不老の魔』である。結末は言わずもがな不老の魔がどの作品でも最後には罰をけるものであるのだが。

________黒騎士はその事実を知らない。

「はい、あ〜ん♡」

不老の魔は黒騎士にメロメロであった。この魔は一つのことに執著するとしつこい程、それに時間を費やす。王國の件がそうだ。既に王國を出てから七十年以上の時が立っていると言うのに未だに固執していたのがその証拠である。

「ありがとう、ブランチェ。味しいよ。」

そしてその相手が初めて出來た異で有る為、最早呪いに近い程黒騎士に執著(溺)を見せるだろう。

「何故、年は姫をブランツェと呼ぶ?」

「嫌だったのなら姫に戻すよ。ただ、姫だけなんて勿ないだろ?姫に相応しい名前だと思ったんだ。立場を表すものじゃなくて稱として、ね。」

自分のエゴだ。彼の容姿が______

「そうか。確かに立場だけの名は淡白であるか。好きに呼ぶがいい、年。」

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「ふふ、なら________俺の事もジョンと呼んでほしいな?」

不老の魔の頬へと手を起き優しくそう伝える。魔は顔を紅くし下を俯いた。

「狡い_________そんな事を言われたら『ジョン』と呼ぶしかないじゃないか。」

「く、ふふふ」

「むふふ」

二人は顔を見合わせ、笑う。不老の魔も意味深な笑みではなく心から喜ぶ笑顔で笑った。

「あぁジョンよ、姫は_____________」

その先の言葉が口から出てこない。いや、出してはいけないとじてしまった。この幸せともじるを幾度と壊そうとした自分にはその資格がないからだ。

「ブランチェ?」

「いや、なんでもない。姫はし外の風を浴びてくる。」

外へと足を運ぼうとした剎那、黒騎士により後ろから抱き締められる不老の魔

「そんな顔をしているアンタを俺は放って置けない。」

ブランツェの心の中にある鎖の様なものに亀裂がる音がする。

「何を言っている。姫は_______」

涙が頬を伝っていた。黒騎士はそれを優しく拭う。

「大丈夫だ。俺がいる。」

その一言が全てを溶かす。まるで求めていたものを全て、この男は與えてくれる。

年__________いや、ジョン。」

口付けをわす。その味はとても甘く永遠に味わっていたい程、甘なものだった。

「ん.........ふふ、ありがとう。」

謝の言葉を口にするなど何十年ぶりなのだろうか。ただ、この幸福な時を永遠と過ごしていたい。

「此方こそ........ん」

再び口付けをする。

「隙だらけだ♡」

ゆらりゆらりと風の様に舞い窓を開け外の風を浴びる。二人は窓から覗く星空を手を繋ぎながら朝日が登るまで見ていたと言う。この年は誰にも渡さない。渡してなるものか。姫が初めてする男。とても素直で憂い、其れに共に居るだけで余りにも心地が良く心を満たしてくれる。王國への憎悪が完全に消えた訳ではないが、今は『ジョン』と共にいる時間を優先させたい。姫と年は永久にされる関係になる。何者にも害されぬ強固な絆で結ばれるのだ。

「そう言えば、ブランチェは婚約者とか居なかったのか?」

「王國に居た際は毎日と男達に求婚をされていた。様々な贈りけとった。まぁそれもこれも姫がしいからであろうな。このを抱きたいと言うが男達を狂わせたのだ。年、安心していい。このはお前のものだ。いつ如何なる時でもするのなら姫は答えよう。むのならこの場で致しても良いのだぞ?」

ジト目となりうように黒騎士へと告げる。

「ふふ、じゃあ俺も姫が俺を求めるなら何時でも答えるよ。ほら、良い子良い子♪」

不老の魔を抱き締め、頭をでする。

「馬鹿__________その様な児にする事を姫にするな//」

と言いつつも黒騎士のに紅くした顔を隠す様に埋める。

(ジョンは甘い。姫を唆し墮落させる毒。毒は毒を溶かし純粋な水となる。さながら『姫と年』の淡い一時。)

だが何れは純粋な水にも外的要素が加わる。其れがどうしようもない程に恐ろしい。

(年や姫のしさに見惚れ他者が近寄って來るのは分かる。だが、姫らの間に水をさすことは斷じて許さぬ。)

出來ることならばジョンを囲い二人だけで世界の終焉を見屆けたいと思ったが、其れでは嫌われてしまう。

(監まがいの事はしたくない。互いに自由を謳歌し尊厳を保つ。されど離れず互いにし合える関係。其れこそが姫が求める完璧な繋がりとなる。)

「ジョンよ___________魔法を覚えたくはないか?」

不老の魔は可い。銀狼、ブランチェでないことは分かっているのだが、その容姿から本気で甘やかしてしまいたくなる。

__________正確には可がってしまっている。

其れに付け加え彼格はとても優しく、現実的だ。小難しい事を言葉に並べるが、全ては建前で本音はイチャイチャしたいのだ。彼は名の通り『不老の魔』と呼ばれ歳の差がかなりあるとのこと。だが、彼の心はまだ乙である。

__________何はともあれ俺は疲れているのかも知れない。

戦いばかりの日々からしだけ日常と言うに逃げてしまっている。不老の魔と居ると何だかし心が安らぐ。もうしだけ_____

「魔法を_______________教えてくれるのか?」

もうしだけ一緒に居させてしい。

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