《闇墮ち聖語~病んだ聖はどんな手を使ってでも黒騎士を己のモノにすると決めました~》第六十五話『 綾小路綾の憂鬱』

「突然ですが、貴方は死にました。」

目を覚ますと其処には絶世のがいた。真っ白な空間。されども神聖に満ち溢れた場所だとじる。

「あんたは......誰だよ?」

「貴方の世界で『神』と呼ばれる存在です。」

神と言う言葉を聞き、心の中で苦笑をする。確かにとんでもなく人なではあるが、自分の事を神と比喩するのは自意識過剰ではないだろうか。

「その神様が俺に何の様でございましょうか。」

気味に尋ねる。仮に本神だとして、何故こんな冴えない男の元に神など言う崇高な存在が姿を現す必要があるのだろうか。

「貴方は死にました。」

「いや、その臺詞さっきも聞いたんですが.....」

「貴方は死にました。」

「いやいや「貴方は死にました。」

「あの「貴方は死にました。」

この神とやらはNPCか何かなのだろうか。

「NPCではありませんよ、綾小路綾

フルネーム。正直に言うと余り自分の名前は好きでは無い。綾などと々しい名前でどれ程學生時代に弄られたことか。それとナチュラルに心の聲と會話をしないでもらいたい。

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「貴方には選択肢があります。」

神は微笑を見せると本題へと移る。

「一つ、天國へ行けます。二つ、地獄へともいけます。」

誰が好き好んで地獄を選ぶと言うのだ。

「現世で犯した罪に耐えられない人間が極稀に選択しますよ」

「....................」

うん、選択肢は一つしかないな。

「それじゃあ天「そして最後に第3の選択肢があります。」

臺詞を遮り聲高らかに宣言をする神。思わずをピクリとさせる。

「転生って言葉、ご存知ですか?」

ついに最悪の人生を送って來た俺にも春が來るのか。高校時代に両思いだった馴染はイケイケの先輩に取られ、大學で出來た彼には浮気され捨てられた。そして親友だと思っていた知人にもお金を貸した翌日には連絡がつかなくなった。生きている事に疲れるアラサー間際の綾小路綾の人生は一言で言うならば『クソ』である。

「ふぅ。早く特典をくれ。」

つけ加えるなら俺は実家暮らしの引きこもりニートとり下がっている。すると神はゴミ屑でも見るような目でこちらを見ると深いため息をついた。

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「_____はぁ、やはりニートはせっかちです。」

聞こえているぞ、クソ神。三十路を超えた貞無職を舐めるなよ。彼が過去に一度だけ出來た事はあるが、手だって握ったことなんかないんだからな。

「其れで、一応は特典は貰えるんだよな?」

「そうですね。因みに死に戻りなんてのは最近では流行りの様ですよ。いります?」

何故に疑問形で聞く。其れに特典ってのは選択制ではなく神の意思で決めているのか。

「俺を誰よりも強くしてくれ!死に戻りなんて痛い思いなんかしたくない。強化Maxとか全魔スキルノーデメリットで使用可能だったりとか。」

それともこの絶世のである神様を特典として連れて行くってのは「ダメです。過去に數人程、頭の弱い神達がいましたが私には通用しません。」

連れていかれた神様もいるのね。

「ちなみに俺が行く世界ってのはどういった世界なんだ?」

「貴方が思い描く世界と同じですよ。」

要するに転生系でお馴染みのファンタジー世界って事だな。

「スキル系とかレベル制の世界なのか、それとも実力系の世界かによってしい特典が変わるなぁ。」

スキルがなければ無雙出來ない世界と、聖剣などの伝説武が無ければ無雙出來ない世界とでは大いに違う。

「だから死に戻りでいいんじゃないんですか。流行ってますよ?」

この神、さっきから死に戻りを推すなぁ。

「強い武とかスキル下さい、切実に。」

「はぁ神にも業務というものは存在します。貴方一人だけを相手にしている時間は惜しいのです。考えても見てください。まともに働いたこともない人間がいきなりハロー○ークで一流企業に勤めたいと言うのですよ。そんな上手いお話が本當にあると思いますか?答えは否です。努力せぬ者に幸福をもたらすことは出來ません。」

それは心を抉る一言だ。

「だからこそ、一流企業で働けるだけの武しんだよ!」

「だから死んでやり直しなさいと言っているのです。」

(どんだけ死に戻りの特典にしてぇーんだよ、この神は!)

「車やバスに跳ねられたら転生、ニートや引きこもりがいきなり転生(転移)、ネトゲをやっていたらそのキャラとして転生.........転生させ過ぎなのですよ!其れでどの世界でも最強?甘えるな!」

神が怒聲を浴びせる。て言うか、其れを行ったらこのジャンルに綻びが出ちゃうでしょ!

「百歩譲って善行を積んだ者には転生をさせてあげましょう。何故ならば人の本文は善行を積み協力し生きて行く事にあるのですから。しかし、つまはじき者であり、なんの努力もしなかった者が何故特典を持たせ転生をさせなければならないのです!やり直しをさせるため?違いますね、甘えた世界に逃げ込ませる為ですよ!」

何故、俺が怒られなきゃいけないんだ。其れに転生させてるのはあんた達サイドだろうが!

「あーもうなんでも良いから転生させてくれ!」

もうこの際、死に戻りでも構わない。息を荒くし鬼のような形相の神とはこれ以上話したくはない。

「聞きなさい」

「は、はい。」

(......こ、怖)

其れに摑まれた両肩がミシミシ言ってるし。

「先程まで我慢していましたが貴方方人間は橫暴な態度を取り過ぎる。貴方も然り。私たちは神であり本來ならば人一人に割いているほど暇ではありません。しかし、我々の慈悲が貴方たちへと贈り《ギフト》と言う名の転生を與えているです。太古にはこの制度はなかった。貴方方現代の人間がどれほど幸運な存在なのかを自覚するべきなのです。」

た、助けて!転生の儀ってこんなギスギスしたものじゃないよね?ねぇ!?

「聞いているのですか、綾小路綾!」

「はいぃぃぃ!!」

まるで教師に怒られる生徒の気持ちだ。其れを三十路を越えて味わうなんて。

「其れは貴方が社會に従屬してこなかったからですよ。普通のサラリーマンならば一度や二度は三十代を越えてからでも経験はするものです。」

もうやめて、神!とっくに綾のライフポイントはゼロよ!

「そうですか。では、地獄を選びましょう。」

無慈悲過ぎる!?

「いやいや、転生でお願いします!!」

「大丈夫です。ほんの數萬年ほど辛い拷問をけるだけですから。」

鬼! 悪魔! 神! それの何処がほんのなんだよ!

「其れでは地獄に送り「待て待て待て待て!!」はぁ、もう良いでしょう?」

心底うんざりとした様子の神。

「言い訳ないでしょうーが!!」

余りに酷すぎませんかねぇ。

「社會のゴミクズに時間を割かなければ行けない私の待遇が、ですよね。」

違うわ!いや、違わないけども.........

「はあ、何か仰りたいのでしょう?誠意を持って申しなさい。」

目で跪けと言う神。額に浮かんだ管がはち切れそうになる。

「.........転生、させてください。」

「もっと頭を下げて。」

「うぅ..........転生、させて下さい。」

「聲を張り上げてくださぁい。」

「転生させてください!!」

「もっと大きく。」

「転生させて下さぁいいいいいい!!!!!!」

持てる全ての聲量を使いぶ。

「うるさいですねぇ」

アンタが言わせてんだろーが!!

「バスケがしたいとを曝け出した三◯壽の様にを込めて言ってくれませんか?

的過ぎるんですけど!?

神様……!!転生がしたいです………」

態勢は膝をつき懇願する様に神を見上げている。

「あきらめたらそこで地獄行きですよ_______」

その臺詞を言い終わると同時に神は目を見開くように大きく広げ、困したように周りを見渡し始めた。それにつられるように自も周りを見渡して見ると.............

「ねぇママ〜あのお姉ちゃんとおじさん、何してるのぉ?」

「見ちゃダメよ」

先程までいた白い空間ではない現実世界の景が周りに広がっていた。

「あれ、さっきまでと違う?」

大きな池がある大公園にいたのだ。池にはスワンボートが存在し、芝生にはピクニックをする家族やカップルの姿が見けられる。そして異質な部分がこの場にあるのだとしたら目の前で口をポカンと開けている神の存在だろう。

「な、な、な、な、な、」

そして壊れたマシーン用に”な”を連呼する神。どう見てもこの世界はファンタジー世界ではなく、俺が元々いた現実世界に見えるのだが。

「め、神様?」

「なんじゃこりゃぁあ!!!」

ジー○ン以上に迫真とした様子で太に吠える神。周りの公園利用者らは何事かと此方へと目を向けていた。

「ふざけなるなぁーーーーーーバカヤロー!!!」

「い、痛い!!痛いって!!!」

往復ビンタをしてくる神。

「だからこの役職には就きたくなかったんですよぉ!もぉ!!天界のおバカぁ!!!」

痛さに頰を抑える。神は涙目になり此方を睨みつけてきた。

「貴方のせいで私はッ..........うぅ」キッ

どうやら、この神様は俺と一緒に転生?をしてしまったようだ。

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