この世界が転生後でない事は分かった。いや、正確には俺が存在した世界ではない。取り敢えず神を連れ、我が家へと帰宅しようとしたのだが、その場所が見知らぬアパートと化していたのだ。

「此処はどうやら私達が知るどの世界でもないようですね。」

市役所へとももちろん確認へと行ったが、この世界には『綾小路綾』という人は存在しなかった。ニートにあるまじき行力ではあるとは自覚している。しかし、住む場所も金もないとなれば行を起こすしかないだろう。

「うぅ＿＿＿＿＿」

疲れた。本當に疲れた。疲労が溜まる毎日。もっとも自分がかざらなければ行けない理由は他にもある。そう、共にこの世界へと転生したクソ神様だ。

「綾ぇ、早くご飯の準備をしなさい。」

最悪な事に働かないニートと化しやがった。まるでかつての俺を見ているような覚である。俺と違う點があるとすれば彼が容姿に優れている事くらいだろう。

「いい加減にしろよ、お前。」

「黙りなさい、ニート。」

バイトを始め安いぼろアパートにて何とか二人暮らしが出來ている狀態。転生もクソもない生活である。

「”元”だ。てかお前だってニートだろうが今は！働いてくれ！生活がカツカツなのは知ってんだろ！」

毎日ぐうたらとテレビかネットサーフィンをしているだけのクソ神。起床時間は晝の一時、就寢時間は深夜４時である。ふざけているのか?

「神である私が下界で労働？ぶふ、面白い冗談ですね、綾。」

このクソアマは冗談で俺がこんな事を言っていると思っているのか。

「ふー.............ふう」

を毆りたいと本気で思ったのは生まれて初めてだが........抑えないとな。

「何ですか、その目は?」

神なんて役職はこの世界では通じない。ましてや天界への帰還も出來ない。完全隔絶された一神などただの人でしかない。いや、より詳細に言うのならば”殘念”人だろう。

「神って神聖で尊敬の念を持って接する存在であるべきじゃなかったかなぁと思ってな。」

シャツとパンティー一丁の神の姿なんか見たくなかった。其れと腹を掻くな。オヤジ臭い。

「ふふ、綾も私と言う存在の大きさを理解する様になって來ましたねぇ♩」

一切褒めてなどいない。

(皮を言ったつもりが通じないし、もうやだこの神。)

「なぁ、焼とか壽司とかも食いたいだろう?なら働こうぜ。人なんだからモデル業でも何でもすれば天下を目指す事は出來るって。」

最初の數日は良かった。協力して炊事もこなしていたし、仕事を手にれるために神の奇跡とやらを使ってくれた。

「住民登録などの書類の偽造、履歴書などの工作、辻褄を合わす為に私は協力したではありませんか。」

たしかにこの神がいなければ俺が職につける事はなかっただろう。

(しかし、だ。)

「なぁ、職につけたのは良いが、もうし良い仕事には出來なかったのか?

職と言ってもバイトだ。給料なんてたかが知れてる。

「アラサー間際でバイト歴がない貴方を採用してくれる會社が存在すると?」

「うっ」グサ

痛いところを突く。寧ろ抉ってるまである。

(違う世界に來たまではいい＿＿＿＿だけどバイトって）

「それに転生じゃないよね、この。どう見ても特典もクソも無いんだけど。」

三十路間際のおっさんののままである。スキルも伝説の武もない。ただのおっさんである。

「転生みたいなものでしょう?文句を言わないで働きなさい。」

決して此れを転生とは呼ばない。死への鞭打ちだ。

(なんだよ、この生活は。)

こき使われる毎日。反抗しようものなら神に力でねじ伏せられるし。

「神である私に構ってもらえるだけでも幸せだと思いなさい、ニート。」

(構ってもらえる?構ってやってるんだろうが!！)

何だろう。最初は人だからドキドキしてたけど、此処數ヶ月一緒に暮らして分かったがこの神に的なアレをじる事はない。寧ろ憎しみが増して行く一方だ。

「はぁ、謝謝。」

ため息を吐き、晩飯を作る為にキッチンへと移する。

(＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿王冠を巡る戦爭、かぁ。)

『王冠戦爭（KingsWar）』などと言う意味が分からないものに巻き込まれた所為で転生はおじゃんとなってしまった。

六大州（六大陸）、即ち世界を地理學的に六つの州に區分したものの総稱。アジア州 ーヨーロッパ州 ーアフリカ州 ー北アメリカ州 ー南アメリカ州 ーオセアニア(オーストラリア)州________各州にて百対の『創作』が召喚される。そして各州は五人になるまで人數を減らさなければならないらしい。

（そして俺たちが召喚されたのはアジア州。戦闘力皆無の俺は必然と神に頼るしかない。)

因みにこの世界に來てから毎夜零時に脳へと報が送られて來る。相手の位置報、そしてその日に死んだ創作の人數などを事細かくとである。

「綾、ゲーム買ってください。」

其れなのに神ときたらやる気を出すどころか衰退して行く始末。このままでは闘う前に敗北してしまうのではないかと不安になる。

「そんなお金はウチにはありません。」

「買ってください!」

「ダメなものはダメです。」

「買ってくれなきゃ嫌だぁ!」

「ダメです。」

「嫌です!嫌です!嫌です!」

子供の様に駄々をこねるな。

「何度行ったら分かるんだ、ダメなものはダメなんだ。」

「うぅ......ほら、神のを見せてあげますよ?」チラ

シャツから元を見せる神。初期の俺ならば喜んだだろう。

「くっさ」

人だしも綺麗なのだろう。だけど何故だろう、その言葉が自然と出てしまった。

「＿＿＿＿＿＿は?いい度ですね、綾。」

シャツをぎ上半になる。

「なぁ！？お前、何してんだ！！」

慌てる自分を見てニヤニヤとした神が近づいて來る。そして無理やりとその場へと押し倒され、を著させられる。

「は、離れろ！！スケベ神！！」

神はご満悅の表を見せると立ち上がり、此方を見下す。いや、格には自分の間部を見て鼻を鳴らした。

「ぷ、本當にスケベなのは何方なのでしょうね。」

すいません＿＿＿＿＿＿◯はしました。此れは男故のなのでしょうがないでしょうーが。

「まぁ、當然の反応ですよね。」

そのままパンティー一丁のまま橫になりテレビを再視聴する神に頭を抱える。それと同時にどうしようもない敗北をじた。

(俺のバカ息子、何で反応すんだよ)

神のドヤ顔が無にイラつく。

「せめてシャツは著ろ、クソ神！」

いだシャツを神へと投げつける。この程度しか言い返せない自分が無に嫌いだ。