《闇墮ち聖の語~病んだ聖はどんな手を使ってでも黒騎士を己のモノにすると決めました~》第六十七話『 王冠を巡る戦い』
「______この辺りだったか、啓示による創作の住む居住地は。」
日本へと上陸したばかりの仮面の男はボロアパートから數十メートル離れた場所に存在した。彼もまたアジア州にて召喚された創作の一人である。
「私の願いの為に死んでもらうとしよう。」
顕現したばかりの創作《ルーキー 》狩りを率先して行う悪黨。その魔の手が神と転生者(仮)の元へと迫っていた。
ピンポーンー
ボロアパート特有の大きなドアベルの音が部屋へと鳴り響く。
(新聞の勧かも知れないし黙っておこう。)
神へと目線でそう伝える。しかし、神は打って変わって正裝である神裝束へと姿を変えていた。彼の正裝を見たのはこの世界に転移して以來である。
(まさか_____)
こう言う時のは當たる。あのドアベルの先にいるのは自分達にとって良くないものだ。
(_____________創作っ!)
「綾、私の後ろへ。」
息を殺し思考をしていると神の怒聲により目が醒める。
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「しゃがみなさい綾!!!!」
綾小路綾の背後に、長の奇抜な仮面をした男が突如として出現したのだ。神の言葉に反応して三十路を超えるおっさんは即座に屈をする。
「ほう、私の攻撃をかわすか。」
屈をした事により仮面の男が振るった杖が虛空を突く。そして即座に神は綾小路を回収する為にいた。
「綾ッ!!捕まりなさい!!!」
仮面の男は二撃目を決める為に高速詠唱を口にする降霊師。
(あれが本命ッ、させません)
「テレポーテーションッ!!!!!」
綾小路の手を取ると仮面の男が二撃目を放つ前に即座にアパートの屋上へと転移した。神は綾小路を下ろし冷や汗を見せる。この間、10秒もない一瞬の出來事だった。
「な、何なんだよ、」
腰が抜ける綾小路。
「______『王冠戦爭』がき出したという事です。」
神がそう口にすると足音が前方から聞こえて來た。
「そうだ、王冠戦爭は既に始まっている。貴様たちの様に志無くこの世界へと順応し、無知に生きる者は我が降霊の贄としてくれる。」
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尋常ではない殺意が二人を襲う。
「決して其処からかないで下さい、綾。」
結界が綾小路の周囲を取り囲む様に幾重にも重ね展開されていく。
「貴様も一角の師と言うわけか、。」
仮面から鋭い眼が覗く。
「抵抗しないと言うのであれば楽に殺してやろう。」
降霊師の発言に冷や汗を浮かべていたが神は強気に口元を吊り上げる。
「綾、見ていなさい。直ぐに目の前の愚か者を粛清してあげましょう。」
虛空から杖にも似た大槍を取り出し仮面の男へと向ける。
「我が真名、神ヘルベティアの名にかけて誓う____________________________貴方の命を摘み取らせて頂く。」
その発言と共に綾小路の視界から二人の姿が消える。
「なっ、彼奴らは」
上空を見上げると咲きれる閃が広がっていた。目の前に見える全てが幻想の様にしく、何よりも激しい。蕓を魅せられている覚に陥りそうになる。
「す、すげぇ.............」
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それ程までに、この戦いは尊く、心が震えた。
「此れが王冠戦爭_____創作の戦い!!」
非力な自分ではあの様な戦闘は出來ない。ましてや剣だって握ったことすらない。けれども心が自分を前へと突きかす。惹きつけられるのだ。足が自然と前へと出る。自分も同じ創作で戦う運命にある。アニメや漫畫みたいな事が現実、まさに自分のに起きている。
「______神と名乗るだけの事はあるか。」
自己召喚(擬似転移式)を繰り返し神の放つ線を空中にて避け続ける仮面の男。
(彼方も此方と同じ様にテレポーテーションに酷にした奇跡を使える様ですね。)
「逃げてばかりでは決著はつきませんよ、人の子よ。テレポーテーション!」
自己召喚を使い線の嵐を越える。だが、その先に神が突如として現れ強力な蹴りが顔面へとる。
「うぐっ!!」
人の膂力を軽く凌駕するその攻撃は仮面の一部を砕いた。そしてそのまま地上へと向け落ちる。しかし仮面の男は即座に態勢を立て直し、魔力を用いて無事に著地する。
(強い、だが____)
「_________悪魔よ、薙ぎ払え」
近隣の住宅へと著地した仮面の男は使役する悪魔を呼び出す。その衝撃で住宅に亀裂がり、“ワカツタ”とノイズのった聲がすると同時に住宅全が吹き飛んだ。
「悪魔召喚、なんと愚かな事を。」
巨大な両腕が降霊師の背後へと浮かぶ様に姿を現す。
(早くこの者を退け、綾を救出しなければなりませんね。)
神は大槍を天へと投擲する。
「斷罪せしは我ら天界へと歯向かう地獄の使者なり______汝、理に従い冥府へと墜ちよ!!」
天から巨大な一本の槍が雲を突き抜け落ちて來る。地上へとぶつかればこの地區は完全に崩壊するだろう。
「一般人を巻き込むつもりなのか!?」
綾小路は天空を仰ぎ、焦りをじる。しかし、同時に高揚もじた。
“ヨハンネス、ニゲロ、アレハコノシユウイイツタイヲ、ヤキツクスツモリダ”
悪魔が撤退の指示を出す。あの大槍が地上へと完全に振り落とされたならば唯では済まないだろう。しかし、仮面の男はかなかった。
「待て、撤退には早い。」
神の様子が可笑しいことに気づいたからである。
“ナニヲイツテ、アア、ソウイウコト”
悪魔が奇怪な笑い聲を上げる。何故ならば天から地上へと向かっていた巨大な大槍が徐々に浄化される様に消えていくのだ。
「お、俺も何か出來ないのか...........」
地上にて神の雄姿を見守っていた綾小路は自然とそう言葉をらす。當事者でありながらも神の隣に立つ事が出來ない自分に歯軋りをする。
「___________君じゃあ、何も出來ない。」
冷んやりとした手筋が頰へとれる。
「なっ!?」
即座に振り返ると其処には黒い軍服を著た青年がいた。人懐っこそうな表をしているが、とても冷たく、冷酷な眼をしている。
「そう怖がらなくてもいいんじゃないかな?」
刀を帯刀していることから創作である事は推測できる。
(逃げるか?いや、多分、逃げられないッ)
逃げる事は不可能だろう。行けば殺すと目が語っている。そもそもどうやって神の張った結界に侵する事が出來たんだ?
「...............だ、誰だ、アンタは?」
「名前、か。うん、ごめんね______僕には名前がないんだ。」
申し訳なそうな表を浮かべそう口にする。
「だけど最近、みんなから呼ばれ始めたあだ名とでも言うべき通り名があるんだ。此れが結構かっこいいんだよ。知りたい?」
軍服を著る青年は綾小路の顔へと距離を詰めると小さく名を告げた。
「_________シュヴァルツヴァルト(黒き森)って言うんだ。」
頰が上がり優しく笑う。
「く、黒き森.........っ!?」
綾小路は驚きの聲が上げる。神から以前から聞かされていたもっとも創作の中で注意するべき人の名前。
「.............へぇ、どうやら僕のこと知ってるんだ。」
掃除屋と呼ばれている。創作同士が死闘の末に雌雄を決した後に現れ疲弊した勝利者をハイエナが如く殺す過激派創作の一人。
(なんでこんな奴が此処にいんだよ。いや、こんな時だからか。)
戦利品としてに付けいたものの一部を拝借する事で有名である為、神に口を酸っぱくする程、忠告されていた。
「神ッ!!!!!」
綾小路綾がぶが軍服の男により口元を抑えられる。
「ふふ、それじゃあ君の神様が戻って來る前に________________始末してあげないとね」ザシュ
綾小路綾の心臓へと差し込まれた刀。
「ふふ、よい旅を。」
口からが流れ出る綾小路。神は異変にづき地上へと視線を向けると綾小路が刀により心臓を突き刺されている現実を目にする。
「そんな..............綾、綾ぇえええええ!!!!!!!」
しかし、神もまた、を吐き出し地上へと墮ちて行く。
「..........が........しく......じっ......ち...まった...す..ねぇ.......」
(ああ、しまんねぇ終わり方だなぁ...........)
その場へと倒れ、地上へと落ちて來る神へと苦笑いを浮かべ最後に謝罪をする綾小路。神は最後の気力を振り絞り綾小路の隣へと何とか著地し、彼の隣へと倒れる。
「あぁ綾.........綾.........」
神は倒れたを橫へと向け綾小路の顔へと手を置く。そして神もまた綾小路に続く様に息を引きとるのだった。
「これが同時顕現による代償か。」
「うん。二人同時に召喚された創作は一人が死ねばもう一人も死ぬんだ。」
王冠戦爭の規定にはこう記されていた。同時顕現による命は一つとする、と。
「これで半數の創作は減ったね。」
軍服の青年は遠くを見據える様にそう言うと仮面の男は仮面を外し、神と綾小路のを燃やした。
「我らがアジア州にて勝利者となる為の必要な犠牲だ。これから先は更に激とした戦いとなる。」
最弱な僕は<壁抜けバグ>で成り上がる ~壁をすり抜けたら、初回クリア報酬を無限回収できました!~【書籍化】
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