《闇墮ち聖の語~病んだ聖はどんな手を使ってでも黒騎士を己のモノにすると決めました~》第百二十六話『リゾート』
「しゅ、しゅごい.......」
宿泊するであろうスイートルーム、即ちビーチフロントヴィラには、モダンでありながらも快適な裝を施し、2つのキングベッドが備えてあった。そしてロンボク海峽を見晴らすプライベートプールとしい庭園にプライベートリゾートにいるかのような贅沢な気分だ。
「其れではルキフェルさんは其方のベッドをお使い下さぁい♩私とジョンが此方のベッドを使いますのでぇ、ふふ♩」
「冗談にしては笑えませんね。ディアーナ、貴方が彼方の寢床で就寢するべきだ。」
ギリギリと二人は視線をぶつける。
「はぁ、來て早々喧嘩をするな。アンタらが一緒に寢て、俺が一人で寢ればいいだろ?」
もっとも此の二人は自分のベッドへとり込んで來るのだろうが。
「しシャワーを浴びてくる。」
一人だけバックパックやらトランクケースを引いていたおで汗だくだ。上著をぎ、持って來た袋へとれる。
「そのシャツは使わないのですか?」
「あぁ、此れは汚い服用の袋だから、ルキフェル達もり用だったら使っていいぞ。」
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「と言っても私達は何も持って來ておりませんのでぇ後程服を買いに行かなければなりませんねぇ。」
「あぁ、そんな事だろうと思ってアンタらの寢と下著だけは何著か持って來といたぞ。」
「「ジョン!」」ガバ
自分へと抱きつくルキフェルとディアーナ。
「流石、”私”の遣いですね。」
「ふふ、此れからも”私”のお世話を宜しくお願いしますねぇ♩」
自立しろと言いたい。
「まぁでも、外出用の服は何著か買わないとダメだぞ。そっちは持って來てないし。」
富裕する為とは言え、余りに荷を持って來ていなさすぎる。
「ふふ、ジョンに好きな服を選んでもらいましょうか♩貴方好みに私を染めて下さぁい♩」
「そう言った思考ですか、良いですね。ジョン、私の外裝も選びなさい。」
服は選んでやるから離れてしい。極まったのか、おもむろに抱きついてくるのだ。
「いい加減に離れろ、俺はシャワーに行く。絶対にってくるなよ。」
某蕓人の様な振りではない。奴らは過去に何度もシャワー中にをして來るのだ。鍵を掛けたことをしっかりと確認し浴室へとって行く。
「ふふ、ジョンは湯浴びへと參りましたかぁ♩」
「えぇ、好機は今です。」
二人は袋にった青年のシャツを凝視していた。そしてゆらりゆらりとその手が袋へとびて行く。
「「いざ、実食ッ!!」」
袋を開放し、お互いに青年のシャツへと顔を埋める。
「あぁ!あぁ!正に楽園!失楽園!エデンは此処にありッ!」
「救済!此処に救済がありますよぉ!溺れてしまう!私は救済に溺れてしまうッ!」
暫く悅とした表で匂いを嗅いでいると普段通りの表へと唐突に戻る。そして、青年のいる浴室へと二人は目を向けた。
「「イキマスカ」」
二人の目は走っていた。まるで獲を見つけた獣の様に。
「む!?待って下さい、ディアーナ、アレは......」ゴクリ
「え、えぇ.....」ゴクリ
浴室へと続く所へとこっそりと鍵を破壊し浸すると青年の下著が床に落ちていたのだ。
「「私が頂きます(ねぇ)」」
「「は?」」
「「ですから私が」」
お互いに臺詞を被らせる。
「「ッ!」」
そして両者の手には青年のパンツが握られ取り合いを始めた。
「いい加減にその手を離しなさい!」
「ルキフェルさんこそ!」
ガララララ
「........」
冷たい目つきで両者を見下ろす青年。ルキフェル達はその視線に気づきゆっくりとそちらへと顔を向ける。
「おい」
二人はパンツを離し目線を逸らす。
「あ、そう言えばルームサービスの予約をしていたんでしたぁ。」
「わ、私もレストランの予約が。」
ガシッ
逃げようとする両者を摑みその場へと正座をさせる。
「モラルって言葉を知っているか、スケベ天使にスケベ司祭?」
「「スケベ!?」」
この二人はお互いの視線を合わせると何故か笑い始めた。
「ジョン、貴方はスケべの語源を知っているのですかぁ、ふふ。」
舐め腐った態度で質問をして來るディアーナ。
「”好き兵衛”の転。卑猥な行いをする人、異に対して異常に好奇心を示すこと、及びそうした人、つまり好・好漢・好き者の意だろ。」
「好奇心と貴方は述べましたね。私達は好奇心と言うに塗れた行いで事を起こしたのでは無いのです。そう、此れは人が生存活を起こす際に用いられる呼吸と同じなのです。決してやましい気持ちなど持ち合わせてなどいないのです。」
屁理屈をペラペラと話すルキフェルに青年は片目を瞑り、指を指す。
「ならその手に持つパンツを離せ。説得力がじられないぞ。」
先程落としたパンツを再度手に握り己のポケットにかにれようとしていたのだ。ディアーナはその指摘に視線をルキフェルへと向け裏切ったのですか、と小聲で小突く。
「私がいつから貴方の味方だと錯覚していた?」
「なん.......だと」
二人はこの様に漫才で場を濁そうとしているがそうは行かせない。
「分かった、なら明日から一緒に風呂にるか?」
青年は逆手にとりそう言う。
「「イイデスヨ!!!!!!!!!!」」
二人は立ち上がり目をキラキラさせる。
「だが條件がある。」
「ふふ、何でも言って下さぁい♩」
「えぇ、天使に不可能はありませんのでご自由に。」
口元をニヤッとさせ、二人へと告げる。
「明日、シャワーに一緒にる際に一回でもセクハラをしようものなら、俺はアンタらとは二度と床を一緒にしない。だが乗り越えられたんなら一緒にこれからも風呂にっても良いし、ベッドに無斷でっても怒らないと約束しよう。どうだ、良い條件だろ?」
二人はを震わせた。
((耐えられる筈がない))
尋常では無い冷や汗を流す二人はその場へと崩れる。
(此奴らどんだけ忍耐力がないんだよ........)
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