《闇墮ち聖の語~病んだ聖はどんな手を使ってでも黒騎士を己のモノにすると決めました~》第百三十三話『クトゥグア』
「ふふふ、お姉様ぁ♪お姉ぇ様ぁ♪」
【金髪のエルフ】が嬉しそうな表を浮かべ【黒髪のエルフ】の元へと駆け寄る。
「何用だ、エルミア。」
出るように【金髪のエルフ】エルミアの髪へとれる。
「モンゴル大陸に存在する英雄の方の戦闘記録をですねぇ、偶然視てしまったのですよ♪」
「ほぅ、千里眼か。」
「えぇ♪それでわたくし思ったのですよねぇ♪」
「其方の心、當てて見せようか?」
二人は鼻先を互に當て口を開く。
「「何と程度の低き事か!」」
二人は絡みある様に互いを抱きしめ靡な微笑を魅せる。
「くくく、やはり其方と妾は姉妹よな。」
「えぇ、私たちは絶対に離れない唯一無二の存在♪」
イチャイチャと二人だけの空間を作るエルフ二人を遠目から監察をする【黒き森】。
「ねぇ、肝心の容がエルミアさんの口から出た気がするんだけど......」
【乙姫】に対し黒木森はそう言うと彼は顔を斜めに向ける。
(どうしよう......このチーム、アホと天然しか殘ってないよ。)
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すると乙姫が自分の裾を摑み何やら訪ねてくる。
「黒き森さん、あの方はいつごろお戻りなるのでしょうか?」
「ヨハンネス君のこと?」
降霊師ヨハンネス・トリテミウスとの連絡は既に半年は途切れている。生きている可能は低い。
「彼は確実に死んだよ。啓示は日本で途切れてしまったからね。」
「いえ、其方の方ではなく......あの【の戦士】の、名前が.........」
そう言えば憎き瘴気をじると言って飛び出して以降、この城に帰還をしていないな。
「彼、方向音癡のふしがあるから未だに迷ってる可能があるんだよね。下手をすればこの國から出てない可能もあるし。」
話を聞かないし、妄想癖が強いと言うかぁ_____何かに囚われてる。それも凄い執著心と共に。【の戦士】とはそんな人像である。
「ふふ、とてもあの方らしく愉快な事ですわね。」
乙姫が可らしい笑い聲を上げているとエルフの二人が此方へと近づいてきた。
「ふふふ、そろそろわたくし達もこうと思います♪」
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【金髪のエルフ】エルミアはそう言うが仲間の一人が欠け(降霊師)、一人は裏切り、一人が行方不明(の戦士)である。
「ボク達の戦力でどうにか出來る相手じゃないでしょう?」
「男児ならば弱音を吐くでない。妾らがおる以上、其方に敗北と言う二文字は存在しない。」
自信満々に言うが、二人の戦闘を一度も目にした事がないので確証が持てないのだ。
「【星の寶石《エレンミア》】の名に掛けて誓おう。妾らは必ず勝利するとな。」
ムフンと鼻息を立てないでしい。そうやってそれっぽい事を言い続けて半年以上いていないじゃないかと心の中で毒を吐く。
「流石お姉様ですわぁ♪」
エレンミアの姿をスターを見る様な瞳で見るエルミア。
「ふむ、さしあたり其方にはして貰いたい事がある。」
【黒髪のエルフ】エレンミアは即座に表を改め、黒木森に命じる。
「モンゴルの英雄並びに新たなる來訪者を討伐するのだ。」
「心配する事はないですよぉ♪必ず両陣営は再びぶつかります♪そして貴方は疲弊をしきった相手をサクっとヤるだけで良いのです♪」
要するにいつも通りの汚れ仕事をすればいいだけの話か。そう、勇者の後始末をした時の様にね。
人の住む星、地球。実に生命が住むことに長けている。だが人は何故我を再びこの星へと到來させた。
我は紅蓮を撒き散らす外來種。相容れぬ事など承知だろう。我は直ちに帰還をすべく星を焼き払おうとした。
____だが我は”7つの裁定者”により火山の奧底へと封じられた。
この地に到來して尚、思考に屆く王冠戦爭への參戦。其れこそが我の使命で在ると裁定者達は言う。ふざけた者らだ。アザトゥース同様に他者から隔絶とした実力を誇りながら7つの裁定者は星の危機となるであろう我を生かし、あまつさえ下らぬ戦ごとにを出せと申す。しかし、暫くして我は理解をする。この星に集まりし異形は我同様に異質な者達であると。其れから暫く封じられていると火山の枷が外れた。をかす際に火山が起きたようだが関係ない。我は傍観へと徹する。もちろん人外が起こす戦を目にはするが神は座すのみ。
しかしながら數多の実力者を傍観する中に置いて、【渦】を確認してしまう。あれは源へ接した者のみが纏う神気だ。我を上回る存在で在る。裁定者と同等の存在。人の雌の姿をした者だが紛れもなき舊神、いや邪神よ。全ての時間と空間に遍在するものとされるヨグ=ソトース、アレに比類する何かを【星の寶玉】は持っている。そして我はその者といずれ対峙をせねばならぬ時が來る。ふざけるな、と言いたい。もっとも五対迄の生存が許されると言う條件のおで暫くは安念の時を過ごせるだろう。
がそう話は簡単にはいかない。最終まで靜観すべきだと眠りに著いていたのもつかの間、舊支配者「原初の悪魔エルリュング」、外なる神に連なる覇気を纏う者「ゲシル・ボグドー」らが我との協定を結びに來た。奴らと組めば勝利を摑む事が可能だと申す。確かにこの者らは強者だ。だが、あのあの化けはこの者達以上に常軌を逸した存在。我らが手を取り武を行使したとて勝てる可能が有るかは分からない。
「汝達には勝算と言う自信があるようだが、我はこの申けを斷るとする。」
だがその言葉は互いに手を出さないと言うだ。この者達が勝利をすれば我はそちら側へと付くだけだ。必ずしも星の寶玉を倒さなければならぬと言う條件はない。最終の間際に五人の枠にればそれで良い。好機を待ち生を摑むのだ..............そう計畫をしていたはずだった。
「出て來てくださぁい♡」
「早急にこの門を開かねばこの一帯を更地に変えますよ?」
莫大な瘴気、闇。そして眩い程の聖が我の眠る地へと足を踏みれて來た。
(と闇は本來わらぬ筈ッ、何者だ、この者達はッ!?)
”星の寶玉”にも引けを取らない程の力が両者からはじられる。このまま戦闘に移行すれば我の命は其処までだとが、が軋みを上げている。
「引け。この地は我が領土、其方らが踏みれて良い場所ではない。」
この場を退いてくれとアザトゥースに祈る。
「明日の早朝、ジョンと共に此処、リンジャニ山にて登頂をする約束を取り付けておりますので貴方の意見は通りません。」
「ふふ、その首を自らさすだすというのであれば痛い思いはさせませんよぉ?」
如何やらこの者らは我を確実の元、殺しに來たようだ。
「笑えぬ冗談だ。貴殿らは我の薪としてくれる。」
戦闘に移るしかない。無限の手を火山の再奧から引き出し門ごと叩き潰す。
「うふふぅ、奇妙なタコさんですねぇ♪」
人には我らクトゥルフ神が奇怪に見えるようだが此方からすれば人が醜い姿をしているのだ。
「しッ!」
ルキフェルが一太刀と槍を振るうと數百と言う手が斬り飛ばされる。
「ぐっ」
(化けめッ!!)
リンジャニ山の火山口から這い出るクトゥグア。そのきと連して火山から膨大なマグマが吹き出る。
「オクトープスの骨格に炎が纏わり付いた姿、正しく人外だ。」
天使は手の上を堂々と歩き頭部分へと向かう。
「舐めた真似をッ!」
手が波のように揺れるがルキフェルは何事もないようにその手の足を歩んでいく。
「_____燃えろ!」
その姿を見たクトゥグアは天使の乗る手其のから炎を発火させルキフェルを包み込んだ。
「あらあら、ルキフェルさんが燃えてしまいましたぁ♩」
クトゥグアの目先にて突如現れたディアーナがクスクスと笑いながらルキフェルの姿を視る。
「貴様ぁ!!」
気配を捉えることができなかった。空間転移の類か何かしらのだと推測する。
「ふふ、貴方ぁ______もしかしてぇ恐怖してますぅ?」
ディアーナがちよちょんとクトゥグアの頭を煽る様に突つくと、クトゥグアは全から炎を噴き出し周囲一帯を火の海にした。
(この者達に生半可な攻撃は通じない。此処は裁定者に恐れている場合ではないッ。全力の元、外敵を排除してくれる。)
「貴様達諸共この星を完全に燃やし盡くしてくれるわぁーー!!!」
「火の調整をして貰わねば困ります。」
「!?」
ルキフェルが立っていたであろう一帯の手が完全に消失していた。いや、正確には浄化されている。そしてその聲は頭上から聞こえて來た。
「炎の化よ、貴方の旅路は此処までで「ちょっと待って下さぁ〜い♩」
トドメを刺すべくクトゥグアの脳天に聖槍を突き刺そうとするルキフェル、だがディアーナが其れを迅速に阻止した。
「何故止めるのですか。この者が星を巻き込む前に粛清をしよう言うのです。止めないで下さい。」
其れに早くジョンの寢顔を見に戻らねばなりませんと付け足す天使。
「ふふ、このタコさんの能力がしんです♡」
出るように頭をでるディアーナに狂気をじるクトゥグア。すぐさま手共に炎熱の攻撃を仕掛けるがディアーナは瘴気を展開し逆に炎を瘴気で覆う、ルキフェルは聖なるにて炎共に手をかき消した。
「貴方の攻撃では私達には屆かない。」ブチッ
四肢、即ち手の付けを全て斬り飛ばすルキフェル。そしてディアーナが瘴気を解放し広大な面積を持つクトゥグアを蛇が獲をのみこむ様にゆっくりと取り込んでいく。
「はぁ________それでは、頂きまぁす♡」
クトゥグアは完全に飲み込まれる寸前、己の宿命を呪い星に災いがあらん事を願うのであった。
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