《闇墮ち聖語~病んだ聖はどんな手を使ってでも黒騎士を己のモノにすると決めました~》第百四十一話『願いとは』

モンゴル神話と言う書が私の起源だと知り最初は怒りがこみ上げた。99天に分割された天界の99柱の天の神の一人 カン・チュルマス・テングリの息子、そして最高神デルクエン・サガンの孫だ。高潔なの元、私は生まれたのだ。決して人の手により生まれ落ちた幻想では無いと証明がしたかった。

私の過去は酷寒の北の地から始まる。此の地において空席の神の座を狙い、カン・チュルマスと アタイ・ウラン・テングリが爭っていた。その戦いに置いて私は4歳ながらも長槍を持ってアタイ・ウランと一騎打ちし、アタイ・ウランを一突きに刺し貫くと下界に投げ捨ててみせた。

しかし、アタイ・ウランは地上で悪魔の王シャルモ・カンになり人々を苦しめた。人々の祈りは天界に屆き 、神々は會議を開き、私にシャルモ・カンとその臣下を討伐するよう命令した。

私はある老夫婦の妻の頭から見えざるとなってり、子供として降臨した。そして、全ての魔神達を倒した私は息子、アシル・ボグドーに後継者として、地上を治めるように言った。その際に”自分は永遠の眠りにつくが、萬一、悪しき者が再び現われれば、必ず征伐に來る”と言い殘し、 太の登る場所、クラガナ・コリにある大巖の下に橫たわり、永遠の眠りについたのだ。

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しかし、再び目を覚ませばこの異界の地に足を踏みれていたのだ。

起きた時、その場は湖がしく空の景と自然がかな場所だった。紅葉がゆらりとゆれ葉が舞うしい景は今でも覚えている。其れから暫くと國を放浪していると脳に啓示が下りた。

_____王冠戦爭。

其れに參戦すれば全てが手にると言う。その様なの為に我が剣を振るう訳には行かない。この力は民草を救う為に振るわれるだ。しかし、そうは言っていられなくなった。

『エルリュング』、原初の悪魔。

神々が古き時代より敵対をして來た魔神。あの者が勝利をした場合、世界は必ず滅びよう。其れだけは防がなければならない。我が筋の為に、そして人の為にも。しかし想定外の事に奴は私に協定の申し出をして來た。勿論、協力など出來ないと槍を突きつけた。だが奴は自分を嘲笑うかの如く姿を消し、迫り來る敵を屠ってみろと言う。最初は意味が分からずにいたが直ぐにその意図を理解した。

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啓示には私の様な者の位置報が毎夜、大まかに伝えられる。其れは即ち、戦に勝利すべく武を上げるものがいると言う事だ。

「____よぉ。あんたも同業さんかい?」

「如何にも。」

神の中でも上位に食い込むであろう程の神気が話を掛けて來た男からはじられる。

「あらあら、須佐之男命様。此度の戦はこの者と?」

隣に控えるも神の気配をじるが、其処まで高位のでは無い。

「乙姫ちゃんは下がってな、直ぐに終わんからよぉ。」

須佐之男命と呼ばれる者は魔のの匂いを帯びた剣を鞘から抜刀する。怪殺しに優れた剣であろう。

「あんたには恨みはねぇが、俺は高天原に戻んなきゃなんねぇ理由があんだ。抵抗せずに死んでくれや。」

スサノオノミコト。後に読んだ古き書記に記されていた奴の正は黃泉の國を出した伊弉諾尊が禊をした際、鼻を洗って化生した三神の第三神、海を支配する海の神であった。多くの暴を行ったため、天照大神が怒って天の巖屋にこもり、高天原から追放され、出雲に降り、八岐大蛇を退治し、奇稲田姫を救い、大蛇の尾から得た天叢雲剣を天照大神に獻じたと言われている。

「貴殿が死合うと言うのであれば此方も相応の力でお相手を仕ろう。」

結論を言うと私が紙一重の差で勝つ事が出來た。我が魔神殺しの槍にて首を刎ねたのである。

「あのは、はぁ、はぁ、逃したか、」

中が切り刻まれ満創痍であった。

「デルクエンサガンの孫よ、今一度問う。私と手を組もうでは無いかね?」

朦朧とする意識の中、奴の手を握ってしまった。奴が処置をしなければ私はそのまま命を失っていただろう。

「貴様との協力はこのアジアに置ける戦に置いてのみだ。」

「くく、構わんとも。」

協定を結び直ぐさま我が祖國、モンゴルへと移をした。そして宮殿を拵え、同士となる者を勧するべくアジア州を不本意ながらエルリュングと共に放浪した。

「すまんな、俺は一人で戦うって決めてんだ。」

ジン・ミシマと呼ばれる男を勧したのだが斷られてしまった。熱い男だった故に惜しい。其れから暫くと勧を続けていくが果が実らない。其れもその筈か。互いに裏切られたとしても文句の言えぬ立場にあるのだがら。収穫と言えばクトゥルフを原點とする怪との無干渉條約。そしてケルト神話に登場するフォモール族の魔神。後者は宮殿に招待すると同時に引き篭もってしまった。しかし、最上位の魔眼持ち故に手放す訳には行かない。

そしてフェーズ2の期限が四ヶ月を切った頃だったか、ラオスを拠點とする一味の一人が此方の仲間になりたいと言って來た。想をつかしたと言うが、信用は出來ない。しかし戦力はしい。その結果、危険も承知の上でれる事にした。この二人は宮殿にて今も尚、籠城しているのだろう。

その後、インドの火鳥が突如として襲撃をして來た。奴は堂々と正面から姿を現した故に対応が出來たが、奇襲をけていた場合は原初の悪魔を殘し、全滅していただろう。故に警戒していたのだ。次に我が領地を犯さんとする侵略者を排除する為に。

(_______そして貴様達がやって來た。)

啓示からの位置報が全くとなかった四人の異分子のの三人、いや二人なのだろう。

「私は...........」

鎧を貫き腹を裂かれ臓が外へと流れ出るのがじられる。

(私はただ..............)

月を眺める。

「................守りたかっただけだ。」

槍を大地へと付け自分を切った娘の方へと顔をかすと、娘は片膝を突き、私が切り裂いたであろう両肩へと視線を向けていた。

「アンタ、タフ過ぎなのよ、」

タフだからこそ英雄となる。そしてお前もまた______

カミィルは両肩を深く刻まれ肩腱板斷裂となっていた。

(両腕が、上がらない、)

冷や汗を浮かべ今にも倒れそうになる自分を気合いでその場へと抑え込む。

(両腕は完全に使えない、其れでも彼奴には致命傷を浴びせる事は出來た。左腕の消失ももうすぐ時間だ。)

時間が経てば確実に目の前の敵は死ぬ。しかし、むざむざと殺されてくれる訳はない。

(噛み付いてでもトドメを刺してやるわッ!)

二人の間に靜寂が流れる。

「___________はぁ、やっと終わってくれたね。」

しかしその靜寂は一人の男の登場により砕かれる。

「誰よ、アン「貴様は、雙対のエルフに屬する黒き森ッ」

朦朧とする意識の中、ゲシルはカミーユの臺詞を遮り聲を上げた。

「私の命を奪いに來たか、姑息なハイエナめ。」

「ふふ、正確には貴方と、其処のお嬢さんだけどね。」

カミーユは殺意を黒き森へと移す。

「突然出て來て何なのよ、アンタ!ぶち殺されたくなければ失せなさい!」

「君はどうやら頭が弱いようだ。芙蓉という、此処に來ていないのは何故だと思う?」

「ッ!?」

カミーユは即座に辺りを見渡すが芙蓉の存在が見當たらない。

「アンタ、まさかッ!!」

「ご明察♪」

鞘から刀を抜きその場から消える。いや、己の影へと消えていったと表現した方が良いのだろう。

「娘ッ、気おつけ「気おつけないといけないのは君だ。」

魔神殺しの大槍を大地から抜き即座に応戦態勢にろうとした剎那、背後の影から現れたシュヴァルツヴァルトによりゲシルは心臓部を貫かれる。

「ぐぶッ」

「____次は君だよ。」

を吐き出すゲシル。そして刀をゲシルのから引き抜こうと力をれるシュヴァルツヴァルト。だが離れる寸前に最後の力を振り絞りシュヴァルツヴァルトを強く抱擁する。

「行けッ、娘ッ!!!」

カミーユはかぬ両腕を見ながら迷っていた。

(如何するのよ私ッ!!此処でまた逃げるって言うの!?敵に助けられて、またっ..............)

違うでしょ.........私はジョンを守るッ!!皆を守るだけの力を手にしないといけないの!!!

「ちッ、何を迷ってるのよ私はッ!!!」

カミーユは顔面を地面へと打ち付け、覚悟を決める。

「行けるわけないでしょうがぁーーッ!!!」

ブランチェより授かりし剣を口に咥え特攻する。

「アンタは其奴をそのまま抑えてなさいッ!!」

超速の速度で剣を振りかぶる。

「ぐッ!!!」

シュヴァルツヴァルトは拘束を解く為に影へとろうとするが其れよりも速く剣が下顎からへと向かい斬り裂いた。

「.........そだ、ろ?」

間に合わず切り裂かれたシュヴァルツヴァルトは前方へと倒れる。

「見事だ.........」

ゲシル・ボグドーは其れを見屆けるとその場へと座り込みゆっくりと目を閉じる。

(.................私の夢は此処までか)

が徐々に弱まりその命を散らす『英勇』。カミーユは剣を口から手放し、餅をついた。

「はぁ、はぁ、アンタのおで私は「助かったって、思ったでしょ?」

確かに傷を負ったが完全に死に至る程のダメージは與え切れていなかった。

(噓、なんでッ....アイツを深く斬りつけたのにッ!!)

カミーユは即座に立ち上がろうとする。だが_____

「この程度の傷で死ぬ程、僕の世界は生易しくなかったよ。それに君が、ヨハンネスくんをやったんだろ?なら僕の手で彼の元に送ってあげるよ。」

_______脇腹へとシュヴァルツヴァルトの刀が差し込まれる。

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