《闇墮ち聖の語~病んだ聖はどんな手を使ってでも黒騎士を己のモノにすると決めました~》第百四十二話『決意と覚悟』
シュヴァルツヴァルトは焦っていた。油斷をついた筈が不意を取られ攻撃をうけてしまったのだ。
(僕とした事が、油斷をしてしまったな。)
生死を掛ける激しい戦闘の後に突然現れた暗殺者に殺されるあの表、途轍もなく唆られる。其れは仲間を失い一人勇者の後始末をし続けて來た故の歪み。
「あぁ君の表、しいよぉ。」
カミーユは苦悶の表を浮かべシュヴァルツヴァルトを睨みつける。
「きっもち悪い顔ッ」
カミーユはかぬ腕へと力をれる。しかし、かない。
(お願い、いて、私の腕____)
「ふふ、最高の褒め言葉だ!」
高笑いをしながらグチュグチュと脇腹に刺す剣を左右に揺らす。
「んぐっ、あああああああああああ!!!」
び聲がモンゴルの大地を木霊する。
「お願い...........カミーユ.........死んで.......ないで」
を流しながらもを引きずらせ水源近くへと辿り著く。
(初めて出來た、友達の一人、なんだ..........)
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芙蓉の命は長くない。呪により延命をしているだけで、彼の通力が切れればそのまま命を落とす。
(其れにカミーユが命を落とした時、ワンワンも死んでしまう。)
「其れだけは.......阻止.......しないと..........」
ブランチェの戦力は必ず先の闘いに必要となってくる。
(カミーユのパスを無理やりと芙蓉に繋げて、ブランチェとの同時権限を完全に斷ち切る。やった事ないけど、私の呪なら大丈夫だ。)
「ワンワン...........生かす......ジョンの...為に........」
現存する創作の質からもルキフェル達がインド州での戦闘で敗退する可能もなくはない。従って、ブランチェを敗退させる事は避けなければならない。
「ルキフェル........ディアーナ........ジョン」
もう會えないで在ろう者達の名が口から零れ落ちる。
「_________くっ、かぬ。」
原初の悪魔は大樹の檻に囲まれ抜け出せずにいた。
「貴様に攻撃が通じぬと言うのであれば封じてしまえば良いだけの話だ。時期に彼方の戦闘も終わるだろう。その時が貴様の最後だ。」
理的な攻撃が奴に屆かぬ以上、神を汚染する何かしらので無力化しなければならない。芙蓉の香、ディアーナの過剰回復、そしてルキフェルの聖であらば悪魔は死ぬと予測できる。
「くく、其れはどうかね?グエンサガンの孫は君の仲間如きでは力不足だ。直ぐに奴が君を屠る為にこの地へとやって來る。」
「減らぬ口だ。我が同士が負けるはずはない。」
あの剣を授けた以上、カミーユに敗北はない。
「くく、希と転がるか。絶を映すか。見ものではないかね。」
山羊の不気味な眼がブランチェを嘲笑うかのように見つめるのであった。
私は何をしているのだろう。
____願いは何だった。
世界を救うこと、富、名聲。
_________違うでしょ。
おばあちゃんの元に帰る事だ。
だけど今はそれ以上に仲間を守りたい。
____その願いが強かった。
そう、大切な仲間.......だけど私は誰よりも弱い。ルキフェルの様に天の奇跡もない。ディアーナの様に瘴気を自由自在にれるわけでもない。賢者様の様の様に大地の権能などを持ち合わせていない。芙蓉の様に呪や魔眼、香と言った特殊な力を持っているわけでも無い。私にあるのは剣を振るうことだけだ。ただガムシャラにただ真っ直ぐと。師に習ったわけでもなく実戦で培った経験のみの我流。
私はこの平和な世界で努力を疎かにしてしまった。心地良く過ぎていく毎日を楽しんでいたのだ。だけど降霊師との闘いにおいて、私は大好きなジョンを気ずつけてしまった。自分の不甲斐なさが生んだ失態。
私のせいで大切な人が傷をつくなんて許せない。
其れはジョンに限らず、ルキフェル達もだ。私は皆んなが大好きだ。この半年間、あっと言う間だった。楽しくて楽しくてしょうがなかった。其れを壊されない様にかに修練も積んでいた。
(あぁ、月が綺麗だなぁ..........)
____しかし、現実は悲しいかな。地に伏せ朦朧とする意識の中、軍服を著た男が刀を腹部へと差し込み歪な笑みを浮かべている。
(ねぇ、おばあちゃん、私、頑張ったよね.......絶対にみんなでそっちに、帰るから...........待ってて.....)
瞼が靜かに降りていく。眠たくてしょうがない。
「あぁ.........楽しかった.........なぁ.........」
心臓の鼓が徐々に靜まっていく。
(みんな........)
涙が頬を伝うを最後に何もじられなくなる。
「意識を失ったかな。あぁ____」
カミーユの涙を拭い悅とした表を見せる黒き森。
「お前............ッ!!」ギリ
「_______生きていたんだね。」
剣をカミーユの腹部から引き抜きシュヴァルツヴァルトはクスリと笑う。
(時間がない.........カミーユ、もうお前を助けられない。すまないけど、一緒に冥府に行こう。大丈夫、お前は一人にはさせない。芙蓉も逝く。)
カミーユは呪の式を起させる為に印を結ぶ。
「_____悪足掻き、かな。」ザシュ
しかし印を結ぶ手の甲が刀により大地にい付けられる。
「ぐっ!?」
痛みが芙蓉を襲う。
(.............大丈夫、芙蓉とカミーユのパスは呪で繋いだ。)
後は目の前の男を如何にかするだけだ。この男をジョン達の元に行かせる訳には行かない。ルキフェルやディアーナならばどうにでもなるだろう。しかし奇襲時に置いてジョンを殺害される場合が非常に高い。故にここで何とか始末しなければならない。
「何だい、その表は。」
(何か方法は、アイツに一撃、いやかすり傷で良い。つけさえ出來れば______芙蓉は勝てる。)
芙蓉は黒き森を観察する。そしてあることに気づいた。
「ん、気でも狂ったのかい?」
芙蓉はニヤリと笑ったのだ。
「この..........お前の.......か?」
カミーユがシュヴァルツヴァルトを斬り裂いて出來た傷からポタり、ポタりとが垂れていた。
「あぁ、それか。君のお仲間の所為で酷い目にあったよ。」
傷口を気持ちよさそうになぞるシュヴァルツヴァルト。芙蓉は不敵に鼻を鳴らした。
「あの馬鹿、良い置き土産_____してくれたね。」
地へと垂れたを舐め、芙蓉は悔いはないと言った表で顎を大地へとつける。
「お前は...............連れて逝く......死ね....」
(あぁ、最後の最後に仏様は芙蓉に微笑んでくれたみたいだ。しの間だけだったけど、本當に良い思い出だった。出來る事ならば、また_________)
その行を不可解と思ったのかシュヴァルツヴァルトは即座に芙蓉の首を切り飛ばした。しかし____
「は........い?」
______シュヴァルツヴァルトが首を切斷したと同時に自の首も切り落ちたのだ。芙蓉の懐には藁人形が握られていた。初歩的な呪。日本伝統の呪「丑の刻參り」を己のを通して行使したのである。
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