《闇墮ち聖語~病んだ聖はどんな手を使ってでも黒騎士を己のモノにすると決めました~》第百四十四話『の戦士』

ブランチェは朝日が昇る前に墓標を作り二人のを埋める。その瞳は何処か虛ろであった。

「暫しの別れだ.........」

決意は決めた。だが、王冠戦爭の勝利者が全てを得るという報奨に置いて、死者の復活が葉うかどうかは明確ではない。其れでも勝ち進まなければ何も得ることはできない。

(ディアーナ達と合流せねばな........)

憎しみ以上に悲しみが押し寄せる。墓標に頭を垂らし涙を流す。

「吾輩の失態である........我輩がしっかりとしていれば、この二人は死なずにすんだ。」

後悔と言う言葉ばかりが頭を掠める。そしてカミーユへと貸し與えていた『古の剣』を摑み歩き始める。

(勝たねばならぬ、この戦に。)

そして徐々に速度を早め、広大なオルホン渓谷を駆ける。

マレーシアからの乗り継ぎを済ませ何とかインド、インディラ・ガンディー國際空港へと辿り著いた青年一同は空港のラウンジにいた。

「........噓、だろ?」

ブランチェにより送られてきたメッセージ。

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「カミーユと芙蓉が命を落としましたか。」

眼を細め攜帯を凝視するルキフェル。

「殺した敵がいると言うのならばぁ復讐の剣を翳す事が出來る。ですが、結末は相討ち。あぁ、この気持ちは何処へぶつければ良いのでしょうかぁ。」

カミーユと芙蓉は敵と相打ちし死亡と記載されていた。瘴気がディアーナの周囲から溢れでる。

「おいディアーナ、抑えろ!」

周りにいる空港利用者が首を抑えもがき始める。

「あ、あらあら、申し訳ありません、」

(あぁ......無意識のうちに....が......)

即座に瘴気を抑え込み影響は収まる。ディアーナは落ち著き

を見せようとするが、揺の顔を隠せずにいた。

(俺は勘違いをしていた......)

ルキフェル達は強いから死なない。直ぐに王冠戦爭を終わらせていつも通りの日常へと返るものだと思っていた。

(だけど、そんなの簡単な話ではなかったのだ。)

ルキフェル達の様に強い者が召喚されている彼らと同等、それ以上の存在が召喚されていても可笑しくない。

「.....くそ、何でだよ、」

數日前まで共に過ごしていた仲間が突然死んでしまった。二度と會えない悲しみとどうしようもない怒りがただ沸き上がる。

「あぁ神よ、貴方はつくづくと私の事が嫌いの様だ。」

ラウンジの窓から見える上空を見上げ、その言葉をらすルキフェル。そして天使はその場で翼を広げた。

「な!?」

ラウンジの利用客達は驚きの表を見せる。

「おい、今あいつから翼が生えなかったか?」「天......使

?」「何かのショーでも始まるのかしら。」「本みたいだな。」「あの翼、いてないか?」「綺麗.........」

カメラや寫真を撮りだすものまでいる始末。

「早く翼を仕舞え!!」

青年がいくらルキフェルへと注意を呼びかけようとも天使は翼を収めず無言を通す。

「”黙りなさい”」

だが天使は直ぐにラウンジいる全ての客の意識を削いだ。ラ

ウンジには白翼の羽が舞い、青年の顎をくいっと上げる。

「ジョン」

真っ直ぐと自分の目を捉える鋭い眼。出會った時の様に全てを見かされている様な錯覚に陥る。

「ん」

を奪われ総勢12対の翼が自分を包み込む。何処か溫く安心した気持ちになる。

「芙蓉とカミーユは私達が必ず蘇生へと導きましょう。貴のそのような表はあまり見たくない。心が痛くなる。」

ルキフェルは苦しそうな表で自分を見つめる。

「あのぉ〜私だけぇ仲間外れというのはズルくありませんかぁ?」

ルキフェルの翼を手でこじ開けようとするディアーナ。しかし強固な為に開かない。

める役を獨り占めするなんてズルいですよぉ!」

ディアーナは涙目になりながら翼を叩く。

「............」

本當にルキフェルとディアーナはカミーユ達の死に対して悲しみを持っているのかと疑心になる。

「はぁ、もういいです。夜にうんと構ってもらうので。ま

ぁそれは一度置いておき、ルキフェルさん.........この先、どうして行くかお分りですよねぇ?」

自分を包み込む様に抱く翼を解除し、ルキフェルはディアーナへと告げた。

「當初の目的と同じです。二人を殘し第二幕を閉じる。そして最後の戦いである第三幕で生き殘りカミーユ達を必ずや、生き返らせましょう。」

二人を殘すと言うのは次フェーズの戦闘を考慮しての配慮だろう。総勢五名のみが次のステージ、即ちフェーズ3に移行することが可能なのだ。

「...........先ずはこのインドに存在する二の外敵を駆除するとしましょうか。」

二人は互いに目を合わせて此れからの道筋を確認して行く。

(二人は本気で怒っている。其れも尋常では無い程に。)

はいつも通りなのだが、圧と言うものが普段とは違う。あの目は獲を狩る獣の目だ。

「俺には何も出來ない、カミーユや芙蓉の仇だってとれない。でもアンタ達には其れが出きる。どうか、あいつらの為に頑張ってしい.......そして絶対に死なないでくれ。俺は、大切な人を失いたくない。」

涙目になる自分がみっともなくなる。

「子供の様な言い草ですね。ですが貴方の気持ちはけ取りました。」

臺詞とは違い、極まりを押さえるルキフェル。

「聖剣三本は持って來ないと今の私は死にませぇん♩ですので安心してください。貴方が側にいる限りは決して私が死に

瀕することはないでしょう。」

「はは、聖剣三本なら此処にありますよ。」

突如としてラウンジにある窓ガラスが全て割れ落ちた。そして割れた窓から一つの影が眩い太を背に現れる。

「.............あ、貴方はっ!!?」

ディアーナはあり得ないと言った表を見せ、即座に戦闘服へと服を変える。

「逢いたかった..............ジョン.....副団長」

視界に映るのはかつての世界で仲間であった男。ディアーナの天敵。の________

「...................勇者ッ!!」

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