《闇墮ち聖の語~病んだ聖はどんな手を使ってでも黒騎士を己のモノにすると決めました~》第百四十六話『力』
「俺に扱い方を、教えてくれないか?」
その臺詞を聞きルキフェルとディアーナは唖然とする。青年はべッドから椅子へと移し、二人へと顔を向けた。
「力の扱い方を師事してくれ。そうすれば幾分かは戦闘で楽になるだろう?それに筋が良ければ、援護だって可能かもしれない。」
帰さないと言う選択肢がない以上、これ以外に二人を戦闘に集中させる方法がない。
「____認められません。」
だがルキフェルはそれを否定する。
「えぇ、ルキフェルさんの言う通り、貴方を死地に赴かせる訳には行きません。」
(もう二度と貴方を何処にも行かせはしません。私の側にいてくれるだけで良いんです。戦闘なんてもってのほかです。)
ディアーナはルキフェルの意見に真面目な顔で肯定する。
「死地に赴かせる訳には行かないって、既に此処が戦地だろうが。」
二人は厶っとした表をするが言わせて貰う。
「流石にあの降霊師や富士の樹海の時見たく死にかけたくないのは確かだよ。だけど俺はそれ以上にしでもアンタらの生存率を上げたいんだ。」
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この半年間は本當に愉快な出來事ばかりだった。友人がいない自分からすると夢の様な生活だったんだ。
(語とか非現実なんか関係ない、俺はこいつらが大好きなんだ。だからこそ、俺は.....)
「俺はアンタらを庇って死ねるなら命は惜しくない。」
思わず心を言葉に出してしまった。カミーユや芙蓉の死が心を取り繕えなくしている。
「すまない、今の言葉は忘れてくれ。」
席を立ち、洗面所へと逃げる様にその場を去る。
その言葉を最後に取り殘された二人は顔を俯かせていた。
(あぁジョン.........何とおしいのでしょうか。貴方はそこまで私の事を大切に考えていたのですね。心配せずとも私は死にませんよ。私は必ず貴方のお側にいるでしょう。どのような被害を被ろうとその未來は変わらない。)
野心に満ちた表と乙の様な表が織りざった様にルキフェルはは自のを抱きしめる。
(貴方は私にとって必要な人。闇に呑まれ、闇そのものとなった私が唯一じる私だけの。どこまでも優しい男の子。けっして手放しはしない。何を犠牲にしようとも、私は......)
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悅と不のが互に渦巻くディアーナ。両者はけっして善良な人ではない。孤獨ゆえの獨占、支配がジョンと言う人間を対象に向けられているのだ。
「ルキフェルさん.........」
ディアーナは乾いた笑みでルキフェルへと問う。
「私の考えは決まりました。」
沈みゆく夕日を窓から見つめる天使。
「そうですか。」
ディアーナは軽く笑うと聖典を懐から出す。
「私がぁジョンに施したものは二つあります。」
ルキフェルはの向きを変えずにディアーナの言葉に耳を傾ける。
「一つ目はルキフェルさんもご存知の通り瘴気を毎夜、微弱に流し込みの強化、すなわち壽命の底上げをしております。そして二つ目は『過剰回復』と『瘴気』を合わせた応用の式、リジェネレーション(自己回復)を施しております。」
「自己回復?」
ルキフェルはディアーナへと振り向き概要を問う。
「対象が傷を得た際に自発する再生式です。瘴気の蓄積量を糧に傷は塞がり再生されます。」
「不服ですが、貴方が與えた瘴気其のはジョン自がコントロールをする事は可能ですか?」
「可能ではありますねぇ。しかし、それを行う場合は思考に異常を來たす可能も........あるのです。」
現狀、瘴気の異常を何のデメリットもけずに済むのはディアーナによる繊細な技が行使されているからである。徐々に馴染ませるているからこそ安定しているのであって、それを無理にかそうとすればにめるものが抵抗を起こし暴れるらしい。
「ディアーナ、貴方と言う闇はッ!」
ルキフェルはディアーナを睨みつける。だがディアーナはけっしてルキフェルから視線を離さなかった。
「_______いや、それでも構わない。」
洗面所から戻るとディアーナ達が自分に與えた能力の説明をしていた。何というをぶち込んでくれてるんだと心思わなくはないがディアーナの扱う瘴気を多なりとも扱えるのであればブランチェ含め三人のサポートに回れる。
「しかしジョン、貴方のにもし危険が及ぶのなら。」
心配した表で言うルキフェル。
「例え危険があろうとも俺が上手く扱えばいいだけの話だろう。それにアンタらの話を聞くに師事してくれるんだろ。なら話は簡単だ。オレに扱い方を教えてくれ、ディアーナ。」
「えぇもちろんです..........ですが、ルキフェルさん、ブランチェさん、そして芙蓉さんが殘した貴方への奇跡らも考慮しなければならない事を忘れないで下さい。」
そう____ディアーナだけではない。ルキフェル達も何かしらの異能を自分に施しているのだ。
「ルキフェル、アンタは確かオレに加護を與えたって言ってたけど、どんな効力があるんだ?」
ルキフェルはキッチンから備え付けのナイフを取り出す。
「失禮します。」
そして自分へと近づくと心臓部へと向けナイフを振り下ろした。
「ッ!!」
ディアーナは即座に機を蹴り上げ瘴気でルキフェルを攻撃しようとする。
「なっ!?」
だが、ナイフがを通らなかったのだ。
「闇を沈めなさい、ディアーナ。」
の障壁で瘴気を防ぐルキフェルはディアーナへと収める様に言う。ディアーナは現狀を理解し、矛を収める。
「は、はは.........やるなら一言、言ってからやってくれ。」
冷や汗をかきながら乾いた笑みがでる。
「貴方に授けた加護、それは『不老』_____そして、武が通じぬ奇跡です。」
不老と言うのは以前にも説明をしてくれた通り壽命による死はないと言う代だ。
「武を通さないと言うのは人の創りしものに限ってです。銃弾、剣類などの武は貴方のを通さないでしょう。しかしながら魔、概念的な異能は防ぐ事が敵わないのです。それは同様に聖剣などの神造にも該當します。」
いかな近代武は自分には通用しない。しかし概念的なは効くらしい。それと徒手空拳、もしくは素手による攻撃は例外なく通るらしいので気をつけなければいけない。
一覧は以下の通りだ____
ディアーナより授けられた能力
・瘴気 (壽命)
※殘量あり。コントロールを會得すれば多は扱えるが思考に危険が生じる可能あり。
・リジェネレーション (自己再生能力)
※包する瘴気を燃料にし、傷を回復させる。
ルキフェルより與えられた(無斷)奇跡
・不老の奇跡
※年を取らない。
・武が通じぬ奇跡
※に武と見なした理的なものを通さない。
とことん生命に重視を置いた能力だと笑いがでてしまう。しかし此れは有用だ。瘴気の扱い方を學べばそこそこ補助的な事は可能な筈。
「そんな凄い加護を俺に施してたのか........凄いな。」
傷を負っても即時回復、其れに普通の武では傷を負わない。まるでホラー映畫の怪の様なスペックだ。
「あぁ、其れとブランチェさんにメールを送り能力を確認したところ大地の権能の一部の譲渡だそうですよぉ。」
「権能の譲渡!?」
ブランチェはそんな重大な代を自分に與えていたのか。ちなみにブランチェは現在、休む間も無く疾走しながら此方へと向かっている。位置は調度、中華人民共和國からミャンマーへと移った所だと言う。
「芙蓉も貴方にした呪が有ります。其れが如何様ななのかは私達も知りません。ですが彼の事です、貴方を想ってのものなのでしょう。」
「芙蓉..........」
暗い気持ちになる。期限を守らなければいけないという脅迫観念に縛られ各創作は殺し合いを始めた。仮にルキフェル達が自分に會わなければ、知らない場所で闘爭を繰り広げていたのだろうか。
「大地の権能の扱い方はブランチェが來てからで良いでしょう。先ずはディアーナに闇の扱い方を學びなさい。その後に私が高速で行う歩法を教えます。」
ルキフェルは優しく笑うと何故かハグをして來た。若干教えられる事に喜びをじている気がするが敢えて言わないで置こう。
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