《闇墮ち聖の語~病んだ聖はどんな手を使ってでも黒騎士を己のモノにすると決めました~》第百四十七話『星の寶玉』
____『理』へと辿り著いた。
隨分と昔の話だが、二人の聡明なエルフ姉妹がいた。エルフ族の王族である彼らは人との戦が絶えぬ世が憎かった。なによりも平和をし話し合いで戦爭を解決する事に盡力した。だが努力は虛しく、戦爭は続いた。
____止まらない。
人はエルフらのしさにをぶつけ、エルフは人をゴミの様に見下す。エルフ族の長である王は平和を訴え行を起こす娘姉妹を案じ、辺境の地へと移す事にする。
____辺境の地とは人とエルフが共存する里だった。
姉妹にとってその場所はまさしくんでいたものであった。優しく暖かい場所であり、人とエルフが手を取り合う姿を見て姉妹は自分達のしてきたことが正義であったことを改めてじる事が出來た。しかし、平和な時は長く続かず、辺境の地を戦場として人とエルフの間に再び戦が始まった。
エルフの姉妹は里の住民達と手を取り合い戦を止めようとした。
____だが、住民達は殺された。
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何度を見たのだろう。何故生命はこうまでして爭うのか。手を取り合うという選択肢はないのか。絶だけが視界にる現実。嘆き苦しみ足掻いた。
そしてとうとう姉妹の妹は現実に耐えられず、心が壊れてしまう。
妹は己の魔力を無視して狂人の様に暴れた。エルフ族は魔法に長け、王族は霊達と共鳴することが可能な存在。リミッターが外れた王族のエルフは最早、一流の戦士クラスや高位のエルフ魔導士にしか止められない。
姉は必死に妹を止めるために戦った。
それでも尚、大多數の人族、そしてエルフの同胞達が妹の手により殺害される。自我を失ったエルフはが壊れまで霊との共鳴は解除されないのだ。
姉は命の燈火を最後の魔力の糧にする決意をする。
王族にのみ伝わる忌。命の煌きを糧にする事で霊との共鳴以上に巨大な力を手にする事が出來ると言われている。此れは自我を保ちながら周囲から魔力を吸収し続け、大魔法を連発して発出來ると言うものだ。
永き間、姉妹らは戦った。
そして周囲の援護もあり何とか妹を討ち取り自我を取り戻す事に功する。しかし、歓聲の中に置いて、姉は靜かにを橫にした。は既に限界を超えていたのだ。
「_____エルミアよ、妾は疲れた。」
數多のの上で仰向けに倒れるエレンミア。周囲には妹であるエルミアを警戒し、剣や槍を握る人族とエルフ族がいた。
「..........そう、ですわね。」
エルミアは正座の勢でエレンミアの隣にいる。そのは徐々に砂のように消えており、彼も一分も経たずと死ぬだろう。エルミアの瞳には涙が溜まり今にも泣き出ししまいそうだ。
「喜怒哀楽など、ない方が爭いは止むのやも知れぬな。」
苦笑をしながらエルミアの髪をでるエレンミア。世界は爭いが耐えない。今回の様な異例がない限りは人とエルフは手を取り合わないだろう。何もかもが無に見える。赤に染まる空を見上げ手をばすエレンミア。
「お姉さま..........」
エレンミアの姿がとても儚くしいものに見えた。周りの人間、エルフ族もそのしさに眼を奪われた。
(いつの日か、人と同胞が......手を....取り....る....)
腕は靜かに地面へと落ちる。
「お姉.........さま?」
エルミアはエレンミアを揺らすが反応がない。
「お姉さまッ!!」
涙を流し必死に揺さぶる。しかしエレンミアは起き上がらない。
「.................そん、な。」
エレンミアの死に対し、エルミアの瞳から生気が徐々に失われいく。
「.....罪を、償わなければ、私の、せいで、お姉様」
消えゆく己の。もう限界が近い。それでも尚、の握っていた短剣を奪い取り、己の首に當てる。周りの兵達が警戒し武を構える中、自らの首へと剣を差し込んで行く。
(エルミアの所為でお姉さまを死なせてしまった.......もしも來世があるのなら.........私はお姉さまを)
自の存在を嘆きながらエルミアは命を絶った。そして、後世に置いて戦を止めた神としてエレンミアは元の渦へとわれたと古き書には記されている。
「_______お姉さま?」
エルミアはエレンミアの書斎を尋ねると目頭に手を當て涙を流すエレンミアの姿があった。
「.............すまぬな。昔の事を思い出したのだ。」
涙をハンカチで拭い大丈夫だと言う。
(お姉さま.....)
エルミアは姉であるエレンミアを後ろから抱きしめ優しく告げる。
「エルミアが全全霊を持ってお姉さまをお守り致します。」
目を閉じ安堵とした表を見せるエレンミア。
「あぁ_____お主が生きていると言うだけで妾は十分だ。」
死した後に世界の『理』へとわれた。世界を観測し傍観する存在へ。妹が無き無限の糸の中、ただ彷徨い続けた。
(超越した存在へと。ただ一人、妾は生き続けたのだ。何萬年、何億年と言う年を孤獨に。)
しかしあるとき、意識を取り戻すと完全なるを取り戻し、大地へと足をつけていた。
(そう、11ヶ月と14日程の前の事だ。私はこの世界に辿り著いた。もう會えぬだろうと確信していた実妹と。)
エルミアも共にこの世界に降り立ったのだ。此れは奇跡以外にありえはしない。
(この奇跡を守る為ならば妾は____)
鋭い眼で城から街を覗く。
(降霊師と掃除屋が消えた今、妾らに殘された戦力はエルミア、そして竜宮の娘のみ。)
口元を歪ませエルミアへと振り返る。
(しかし、忌々しい人の守護者、原初の悪魔は死んだ。彼方も殘り二対。)
敵対関係に當たるゲシル・ボグドー、そしてエルリュングを指しそう言うエレンミア。
「お姉さま?」
ニコニコしながらエレンミアへと笑顔を見せるエルミア。
(そして、未知數であった五のの二対が墮ちた。いや、あれらは妾の様に一つの存在として現界したか。だが、これは行幸である。)
相打ちではあるがシュヴァルツヴァルトがカミーユと芙蓉を屠っている。
「妾達も真にく時が來た様だ。竜宮の娘へと間に來るように指示を出せ、エルミア。」
エルミアは一禮をすると乙姫を呼ぶ為に部屋を退出する。
(死を與える魔眼(バロール)、 善い思考の現化(ウォフ・マナフ)へと接し、北歐神どもを先ずは討ち取る。)
エレンミアはバロール達の居所を観測する。
「その後に未知數である三対の創作らをゆるりと狩ってくれようぞ。」
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