《闇墮ち聖語~病んだ聖はどんな手を使ってでも黒騎士を己のモノにすると決めました~》第百五十五話『マルシュ』

「オドの力?」

確か、『オドの力』ってドイツの化學者カール・フォン・ライヘンバッハが存在すると考えた未知のエネルギーだったような..........。

「そうです。全ての生命、創造められた超自然的な力を指しオドの力と表現します。これは生まれた時より神の奧底に眠る潛在機能の様なもの。それをこじ開ける事で貴方は力の使用が可能となります。」

ラィヘンバッハは、宇宙に存在するすべてのもの、星々や星、水晶、磁石、人間などから発出している質が存在すると考え、北歐の神オーディンに因んで「オドの力」と名づけたのである。

「それで、どうやってそれをこじ開けるんだ?」

ルキフェルは微笑を見せると十字を己のに切る。そしてヘブライ語を用いて何やら詠唱を唱え始めた。

(が妙に.....)

何処か暖かい気持ちなる。

「これは.........」

瘴気により、枯れていた自然が以前の姿へと戻っていく。花はしく咲き、木々には葉が芽生える。湖でさえも徐々にだが浄化されはじめていた。

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(..........繋がりをじる。)

大気に流れる生命の糸が複雑に絡み合いどこまでも長くびていく。

「_____綺麗だ。」

その糸へとれると虹へと姿を変え跳ねるように數多の生命へと接続された。

「ふふ、ありがとうございます。」

ルキフェルは自分に言われたものだと勘違いし照れた顔で青年の臺詞に返事を返す。大公園が以前以上の姿に戻り空気の良い風が舞った。

「此れがオドの力です。」

「あぁとても暖かく、優しいものなんだな。」

まるで生命が繋がり支え合う、そういったじだ。

「生命とは元來協力し合い生きていくもの。助けを必要とするのならば隣人は必ず貴方を助ける。其れこそがオドの力、『』なのです。」

「助けあう、か..............俺たちの関係みたいだな。」

ルキフェルは自分の手を握り嬉しそうに微笑む。

「えぇ、まさに私達の関係に酷似している。」

ルキフェルは青年と自分だけがその関係にあると諭すように耳打ちする。

「ルキフェルさぁん♩」

ディアーナが眉をピクピクとかしていた。

年の言う”達”とはこの場にいる吾輩ら全員に対してだ。カミーユや芙蓉も、な。」

ブランチェの言う通り俺たちは全員で仲間だ。これ以上は誰一人として犠牲者は出さない。出させない。

「_____オドの力を応用し、歩法は完するんだな。」

「応用というよりも用途ですね。オドの力を行使するのは生命にとって呼吸と同じ。イブとアダムは無意識のに此れを行使していましたし。」

「いやいや、原初の人間と現代の人間を一緒にすんな!」

「分かっております。ですので私はオドに対する共を共有したのです。」

ルキフェルは再び奇跡を使い青年と自分の視界を繋げる。

「一つ一つの生命から糸が出ている事は視認できますね。」

「あぁ、薄くだけどな。どれも複雑に結びあってる。」

「その質の清廉さに比例し糸は明に映ります。」

確かに殆どの草木や達からは明な糸が出ていた。

(ルキフェルやディアーナのオドが濁っている気がするんだが..............)

「いま、何か言いましたか?」

勘が良い天使だ。

「いや、何も言ってない。」

「生命の糸、これは何者にもれる事は出來ません。例え創造主である神であろうとも、です。」

神にもれる事が出來ぬ糸。理のようなものなのだろうか。

「話を戻しますが歩法を遂行するには複雑に絡み合う糸との共振が必要不可欠です。そして流水へとを任せるが如く足を添えるのです。さすれば己がオドが開花し貴方が願う目的地へと屆けてくれるでしょう。」

さぁやってごらんなさいと言うが、今の難解な説明で出來るわけがないだろう。

「.................えっと、もっと分かりやすく説明してくれないか?」

ルキフェルはやれやれとした表で自分を見る。

「ふふ、しょうがないですねぇ。ジョンだから特別に優しく教えてあげるのですよ、ふふふ。さて、己のオドをじられますよね?」

「あぁこのじる暖かい、この気持ちがそうなんだろう。」

「そうです。その覚と張り巡られる生命の糸へと協力を仰ぐのです。」

(簡単に言ってくれるが........ん?あれ?)

出來ないと言葉に出そうとした瞬間、明確な繋がりをじた。

「そうです。生命とは助けを求める者に対し無條で手を貸し與えるもの。」

青年は己のの違和を払拭し、をオドのゆくままに任せる。

「あぁ、が軽い........軽い?軽いいいいいいいいいいいいいいいいいいッ!!!!?!」

が有り得ない速度で前進を開始する。

「と、止まれぇええええええええええ!!!!」

前方にある木へと衝突しそうになる。

を任せすぎてはダメです。」

だが、ルキフェルがいつのまにか自分を擔ぎ上げ止めてくれていた。

「た、助かった......」

ルキフェルはクスリと笑うと自分を下ろし軽い説明を済ませる。

「己にあるオドの力を活化させれば生命の糸、オドの本流を可視出來るでしょう。ですが、あまり慣れすぎない事をお勧めします。」

「如何して?」

「常にオドの力が放出される狀態になるからです。オドとは貴方の生命力でもある。其れが常に流れ出る意味を理解出來ますね。」

恐らくだが命、自分の生命力が失われていくと言いたいのだろう。

(ちょっと待て............ディアーナから授かった瘴気の短剣は扱える時間を越えれば命が削られていく。今教えられたオドの力も慣れすぎたら生命力が削られると言われた。)

...........................命の代償、多くないか?と心の中で嘆く。

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