《闇墮ち聖語~病んだ聖はどんな手を使ってでも黒騎士を己のモノにすると決めました~》第百五十七話『イマームバーラー』

短期の修行を終えた後、観がてらにイマームバーラーを四人で歩く。ちなみにではあるがイマームバーラーとはインド北部、ウッタルプラデシュ州の都市ラクナウにあるイスラム教の複合宗教施設である。

「何だろう、久々な気がする。」

修行帰還(約四日)を終えアワドの都、ラクナウへと帰還したのだ。修行と言うには余りに短い期間ではあったが技は吸収出來た。あとは経験と修練のみである。

「_____ホテル代とかの手続きはどうしてるんだ?」

一応、旅上の財政管理係であるディアーナへと聞いてみる。

「心配しなくともぉ一週間程の料金は先払いしてましたからぁ大丈夫ですよぉ♩」

「荷は紛失してないよな、パスポートとか?」

四日程、ホテルルームへと戻っていない為に心配だ。

「金庫に細工した瘴気に反応が無いことを見るとぉ大丈夫ですかねぇ♪」

「清掃員以外はあの部屋へとは室はしていませんね。」

「形跡は確かにじられぬな。」

以外にこう言うところはしっかりしているルキフェル一同。

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「それにしてもけっこう使ったよなぁお金。」

日本を出てから凄い出費をしている為、寶くじの殘高がいくらなのか気になる。

「ご心配しなくとも一億円以上は殘っておりますよぉ♪」

「意外とまだあるんだな。」

「“二億円だから簡単に無くなる訳ないでしょう!”とカミィルが生きていたのならばツッコミをれていましたよ。」

無駄にクオリティの高いモノマネをするルキフェルにクスリと一同は笑う。

「...........我輩らは車などは購せず、公共施設を使い移をしておったからなぁ。」

「そもそも富に困ると言うのであらば、私かブランチェをカジノにでも送り込めば済む話でしょう。」

確かにと頷く。

「ふふふ、ならぁもうし贅沢しますぅ?」

ディアーナが財布を取り出しルピー(インドの通貨)の札束を見せびらかす様に扇ぐ。

「おい、周りの人達が見てるからしまえ。」

周囲からの視線がディアーナの手へと向けられる。それを隠す様にディアーナの手を握るとディアーナは嬉しそうに札束を地面へと落し、人繋ぎをして來た。

「おい!」

金が風により飛ばされる。ブランチェは頭を掻きながらそれの回収へと歩き出す。

「ディアーナ、離れなさい。」

ディアーナを引き剝がそうとするルキフェル。

「嫌です♪」

それをかたくなに拒むディアーナ。ぎゃぎゃあとめている姿は容姿と比例して注目の的になっていた。青年はディアーナをルキフェルへと押し付け一人とぼとぼと出口へと向かった。

「ジョンよ、この通貨はどうする?」

回収して來たお金を手に青年の元へと戻って來たブランチェ。

「はぁ、流石に腹も減ったし、ホテルに戻ろうか。お金は飯代に使おう。」

互いを摑み合うディアーナとルキフェルを放置し、ブランチェと共に施設を出る。すると凄い足音ともに二人が走って來た。

「私達を置いて行くとはどういう事ですか、ジョン!」

「私達はギャグ要員じゃあないんですよぉ!?」

ギャグ要員などと言う言葉をいつ習ったのか真面目に知りたい。

「はぁ、飯食いに行くぞー。」

一々説明するのもめんどくさいので目的を先に提示する事にする青年であった。

「_____お気楽な事だね。」

イマームバーラーのからディアーナ達の様子を伺う『勇者ユーノ』。

(なんとか瘴気の殘滓を辿って見つけれたけど、探すのに一苦労したぁ。)

「ジョン副団長はやっぱりかっこいいなぁ...............ん、あの隣にいる白い髪の奴」

ユーノの視線はディアーナからルキフェルへと移る。

(以前はディアーナに意識が行き過ぎて気付かずなかったけど.....)

ユーノは眉間に皺を立て、最大限の警戒を高める。

(僕とは次元が違いすぎる......存在そのものがラディアンスの『』力と拮抗、いや、超えていのか。)

自らの所有する聖剣以上の輝きをルキフェルからじ取り、畏怖をじた。

「...............それでも僕はやってやるさ。」

しかし、ユーノは勇者だった。諦めるという言葉は彼には存在しない。勇気ある者だからこそ、巨悪を打ち倒すのである。

「ディアーナ、僕は必ず君を打ち滅ぼす。そしてジョン副団長を取り戻すんだ。」

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