《闇墮ち聖語~病んだ聖はどんな手を使ってでも黒騎士を己のモノにすると決めました~》第百六十五話『神鳥』

インド神話に登場する炎の様にり輝き熱を発する神鳥『ガルーダ』。

彼の一族はインド神話において人々に恐れられるナーガ族と敵対関係にあり、それらを退治する聖鳥として崇拝されて

いる。人間のと鷲の頭部・・翼・爪を持ち、翼は赤く全は黃金に輝く巨大な鳥だ。

主である『プラジャーパティ』には『ヴィナター』と『カドゥルー』という2人の娘がいた。2人はそろって『ブラフマー』の子である聖仙『カシュヤパ』の妻となった。

夫となった『カシュヤパ』は2人の願いを葉えると約束する。『ヴィナター』は『カドゥルー』の子より優れた2人の息子をみ、『カドゥルー』は1000匹のナーガを息子とすることをんだ。その後『ヴィナター』は2個の卵を産み、長い時間を経て『カドゥルー』は1000個の卵を産んだ。2人は卵を500年間あたため続け、やがて『カドゥルー』の卵からはナーガたちが生まれた。

「何故、何故なのですか.....」

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しかし、『ヴィナター』の卵だけは孵らなかった。『ヴィナター』は恥ずかしさのあまり卵の1つを割ると、上半しかない子供が出てきた。卵を早く割ったために下半がまだ作られていなかったのである。この息子は後の暁の神『アルナ』である。

ある日、カドゥルーは太を牽引する馬ウッチャイヒシュラヴァスのについて、ヴィナターに話しかけ口論となってしまう。そして負けた方が奴隷になるという條件で賭けることにしたのだ。

「言わずとも分かるでしょう、白です。」

「あら、貴方は盲目なのかしら?尾が黒だという事に気づきなさいな。」

ヴィナターは全が全て白いと主張したのに対し、カドゥルーはは白だが尾だけは黒いと主張した。※実際にはヴィナターのいうとおりであったのだが。

「私が負ける事などあってはならないわ。ましてや、ヴィナターにはね!」

しかし、カドゥルーは確認は翌日にするということにし、息子のナーガたちにウッチャイヒシュラヴァスの尾に取り付くように命じ、黒く見えるようにした。

「母よ、私は貴方の命に賛同する事は出來ませぬ。」

「そうか、ならば其方らに用はないわ。」

中には命令を聞かなかった息子もいたため、カドゥルーは彼らに呪いをかけた。翌日、2人は海を越えて確認に行くと、ウッチャイヒシュラヴァスの尾のは黒かった。

「ふふ、私の勝ちよ、ヴィナター。」

その為、ヴィナターは負けて奴隷になってしまったのだ。やがて時期が経ち、ガルーダが卵から生まれる事になる。ガルーダは生まれるとすぐに長をし炎の様にり輝いて神々を震え上がらせた。神々はガルーダを賛してガルーダの放つと熱を収めさせた。

「_____母上よ、參ります。」

海を越えて母の元に行く。

「ほぉ、其方が數多の神々から賛けたと言う....くく、そうかそうか。」

だが、ガルーダも母と共にカドゥルーたちに支配されることになってしまう。

カドゥルーはガルーダにも様々な難題を振りかけるのだ。そして時が経つにつれ、ガルダは嫌気がさし、母に対してなぜこの様になったのかを尋ねる事にした。

「母上、何故我らがこの様な扱いをけねばならぬのですか!!」

ヴィナターは瞳を閉じ事細かにガルーダに説明をした。

「それは真ですか、母上........許せぬッ」

母がいかさまによって奴隷となったことを聞くとガルーダは立ち上がり、カドゥルーに対して母を解放するよう頼んだ。

「くく、其方の母を開放したくば天界にある海攪拌より生まれた不死の聖水アムリタを力ずくで奪ってくれるのだな。」

カドゥルー含めるナーガらは意地悪い表を浮かべ、その條件を満たせば開放すると言う。

(..............我を舐めるなよ、邪蛇どもが。)

ガルーダは地上で腹ごしらえをすませた後、天上へと向かった。天上ではガルーダの襲撃を予兆して今までになかったようなさまざまな異常な現象が起きた。

「我の邪魔をするなぁッ!!!」

ガルーダは天上に乗り込むと、守備を固めて待ちけていた神々を次々に払いのけた。まさに鳥の超戦士。

「兵を集めよ!數で押すのだ!」

戦神である風神『ヴァーユ』が軍勢を整えるものの、多くの神々が神鳥により打ち倒された。

聖水アムリタの周りにも回転する円盤チャクラムや目を見ると灰になる2匹の大蛇などさまざまな罠を仕掛けていたが、ガルーダはそれをすり抜けてアムリタを奪い飛び去った。

(我は手にれたのだ......母上よ、今すぐに。)

ガルーダが飛んでいると主神の一神、ヴィシュヌと出會った。

「面白き鳥よ。名をガルーダと言うたか。」

ヴィシュヌはガルーダの勇気と力にしたため、ガルーダの願いを葉えることとした。

「其方の願いは聞き屆けよう、しかし條件がある_____」

それは不死の聖水アムリタを用いない約束だった。そしてガルーダ本人がヴィシュヌのヴァーハナとなることを誓う事である。

「______雷霆神の雷をけてみよッ!!!」

しかし、そこへ神々の王インドラが最強の武ヴァジュラを使って襲いかかってきた。

「効かぬわッ!!!」

しかしそれでもガルーダには敵わなかった。元々ガルーダは小人の種族ヴァーラキリヤのインドラより100倍強くなるようにという願いを込められて生まれてきたからである。

(我が最強の一撃を無傷だと........馬鹿な........)

インドラはヴァジュラが全く利かないのを見ると、ガルーダに永遠の友の誓いを申し込んだ。ガルーダはその申し出をれインドラを追い払う。そして、主神の一神であるヴァジュラへと向き直る。

「先程の條件、れさせて頂く。」

ヴァジュラはガルーダに不死のを與えた。それと共にナーガたち蛇族を食料とするという約束をわした。しかし、不死を得る代わりに、ヴィシュヌの乗り(ヴァーハナ)となる事を約束させられる。

「母上を自由にして貰うぞ、ヴィナターよ。」

一旦約束を守るためにガルーダはアムリタをナーガたちの元へ持ち帰る。

「ぐっ、」

ヴィナターは引きつった表でガールダを見ると、渋々、母であるヴィナータを解放した。そして、不死の聖水アムリタはクシャの葉の上におき、沐浴してから飲まねばならない事を告げた。

「くく、良いことを聞いたぞ。」

それを聞いてナーガたちが沐浴をしている隙に、インドラがアムリタを取り返してしまったのだ。ナーガたちはだまされたことに気づいたが、もはやどうしようもなかった。何故ならば、相手はあの神々の王なのだから。

「先程までは私達の手元にあったのに.......」

ナーガたちはどうにかしてアムリタをなめようと、アムリタが置かれていたクシャの葉をなめ回した。しかし、舌が切れ二となってしまった。話はガルーダへと戻るが、以後、ヴィシュヌとその妻、ラクシュミは、ガルーダに乗って現れるようになったと言われる。

ヴァーラーナシ舊市街のクレーターにて、一羽の神鳥がいた。その者はクレーターの中心にて仰向けに倒れ空を見上げていた。

「解せぬ........神、ヴィシュヌより授かった不死のを貫き、不遜にも傷を付けるものがいるとはな.......この世は広い、と言うことか。」

インドラのヴァジュラをも無傷でけた。それを貫通したのである。相手は何とか始末する事に功をした。しかし無傷とはいかなかった。創作はやはり一筋縄でいかない相手である事を再確認する。

「_____領域を穢せし者に天罰を下させねば。」

神ヴィシュヌの名の元にそう誓い、立ち上がるガルーダ。そして突き刺さった剣を右肩から引き抜き、天空へと飛び立つのであった。

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