《闇墮ち聖語~病んだ聖はどんな手を使ってでも黒騎士を己のモノにすると決めました~》第百六十九話『ガンジス』

ホテルへと無事チェックインを済ませ、ヴァーラーナシーの街並み一する。

「人がやはり多いな。」

地でもあるヴァーラーナシーは人で賑わっていた。

「I can take you to the place.Come Come.」

(訳:いい観地を知っている。案してあげるよ。)

其のせいか、上記の様に客引きの嵐にあっている。拙い英語を使い甘い言葉を投げかけてくるのだ。ブランチェは乞いや客引きがしつこいために失せろと強く言う。

「ありがとうございます、ブランチェさん。」

「構わん。ああいうしつこい輩には強気に出た方がよいのだ。」

周囲の視線が痛い。ため息を吐き、ガンジー(ガンジス川)沿いへと逃げる様に歩く事にする。あまり目立ち過ぎるのもよくない。

「そういえばルキフェルさんの姿が見當たりませんが、何処に行ったんですか?」

ホテルへと荷を下ろした後、一緒に街を歩いて居たはずなのだが、いつの間にやら姿を消していたのだ。

「さあな。敵視察か、又は神を休めているか..........いずれ我輩らの元へと戻ってこよう。」

「共に行をした方が安全だと話合ったばかりですのにぃ。」

「ディアーナよ、乗らぬか?」

ブランチェは何かを発見した様に川沿いをみる。そして指を指したであろう先を見ると、ガンジー川に停泊する複數の小型ボートが存在した。

「そうですね。インド最大の宗教都市に來た事ですし.........乗りましょうか。」

(川沿いから街を観察すれば敵の居所を把握する手掛かりになるかも知れませんし。)

200ルピーを払い小型のボートへと乗り込む。

「ガンジス川から火葬場とプージャーを見れるってガイドブックに載っているが、どのページにも値下げが必須だと書いてあるな。」

値段などがボラれる可能が高いので必ず値段の値下げを言わなければならない。現在乗るボートでさえ、最初は500ルピーを払えと言ってきたのだ。

「大分日も沈み、街が明るくなって來た。」

ブランチェは隣へと座り頭を自分の肩へと乗せる。

「綺麗ですね。」

「あぁ。」

ガンジス川から見える町を二人で見る。街には徐々にだがが燈り、とてもロマンチックかつしい景を映していた。

「ジョン............」

(できる事ならば貴方とこの景を見たかった。いえ、連れ戻した暁には必ずこの景を再び見ましょう。)

決意を固くするディアーナ。そして、ブランチェも同じく志をめる。

「もうすぐでこのアジア州の戦いは終わる...........カミーユ、芙蓉よ。必ず貴殿らを吾輩の手で蘇らせて見せる。」

「隨分と悲しい顔をしてますね。顔を上げなさい。」

ルキフェルが翼を広げた狀態でブランチェとディアーナとの間に無理やり著地する。

『誰だ、アンタ!?』

ボートを漕いでくれていたおっさんがびっくりとした表でルキフェルを見る。それもその筈だろう。何せ、天使が如く翼を羽ばたかせ降りて來たのだから。

『おい、見ろよあれ!』『え、あれって』『そんな、まさか』

河岸から見る地元民らも此方を凝視している。それは同様に近くにある他のボートに乗る人間達にもだ。

「この都市は宗教で有名な場所だって事をお忘れですかぁ?」

ましてや翼を生やした天使が降りてくるなど、信仰が深いこの地では刺激を與えるに決まっているだろう。

「自重して下さい、ルキフェルさん。」

が広まる前に処理してもらわなければならない。

“パチン”

ルキフェルは即座に指をパチンと鳴らす。その音はソナーのように周囲へと伝わり、一帯の人間らがきを止めた。

“忘れなさい。”

重くのし掛かるその言葉と共に止まっていた人間達は何事もなくき出した。

「終わりました。」

「それでそなたは何か報を得たのか?」

半日以上と姿を消していたのだ。何かしらの報を得た為に戻って來たのだろう。

「________敵城を見つけました。準備は良いですか?」

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