《闇墮ち聖語~病んだ聖はどんな手を使ってでも黒騎士を己のモノにすると決めました~》第百七十四話『古の劔の本懐』

カミーユへと貸し與えた『古の剣』を握る。星のエネルギーを強制的に吸収し、使い手本人の『力』を際限なく長させる剣。しかしその反からか強化していくごとにに多大な負荷を與える。

「貴様の振るう力と言うのは武を吐き出すだけか?」

雨霰の様に數多の武群がブランチェへと降り注ぐが全てを一振りの剣にて払い落とす。

「なに、兵主神の名は伊達ではないさ。」

蚩尤が人差し指を上へと上げるとブランチェの立つ真下から武が出現する。

「ふんッ!!」

しかしブランチェは大地の権能を使い、抉り出る剣群を抑えつけた。

「_______地よ」

地面から出る巨剣の勢いは減り、完全に錆びていく。

「大地の屬。面白い。」

蚩尤は雙剣で舞を見せるとを捻るように回転させブランチェへと突進する。

「ふっ!!」

曲蕓とも言える剣さばき、ブランチェは嘆の表を見せながら剣の撃ち合いが続く。

「_____________貴殿の願いは何か?」

「この世界に在ること。」

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ガルーダは目を細めた。

「我らは異だ。本來ならばこの世に居てはならぬ存在。何故、その願いをむ。」

ルキフェルはふっと微笑を見せると両手を広げ宣言した。

「親、いえ私の全てを捧げるに値する者がこの世界にはいる。過去の世界にはもう興味はありません。私が視界にいれるべきは『ジョン』のみなのです。それ以外のものは必要ない。故に障害である貴方は邪魔だ。」

六翼の翼が同時に開き、総勢、十二のしい翼が間の中心にて広がる。

「くくっ、然り。親する者が出來たのならばその者の為に力を振るうも道理という訳か。」

かつての自分を思い出し納得をすると壁から地上へと足を下ろし、ルキフェルのもとへ歩きだす。

「貴方が何者であり、如何様な理由の元に戦っているかは不明です。」

ルキフェルの瞳が銀に輝く。

(凄まじい闘気だ。それに強き意思、決意もある。)

ガルーダは両拳をバチンと合わせ殺意を増幅させる。

「しかし、私には関係の無きこと。貴方にはここで退場して貰う」

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ルキフェルが臺詞を言い終えると同時に鋭い拳がルキフェルの頭部を穿つ。

「すっ!!」

しかし、その拳の一撃を紙一重に避ける。

ブシュ!!

「なっ!?」

しかし頰に切り傷が出來た。拳圧による余波。後ろをチラリと確認すると城の一部が綺麗に抉り取られていた。

(なんと言う威力。膂力では確実に相手が上手ですね。)

ルキフェルはすかさず腰を落とし、ガルーダの足を蹴り上げる。

「ぐっ!」

ガルーダは蹴りにより勢を崩すが、拳をルキフェルのいる真下へと倒れゆく重ごと解き放った。地はクレーターの様に抉れ土埃を立てる。

「おほ、おほ、もう!何なんですかぁ!あっ、ちょ、待って!」

土埃の影響をけ、口を抑えるプシューケー。その隙にディアーナは攻撃を仕掛けるがギリギリの距離で避けられる。

「くっ、逃げないでくださいな」

「いえいえいえいえ!あ、あたったら、し、死んじゃいましゅよ!!」

攻撃の影響で埃が四方へと散る。ディアーナは黒鎌(ラディアンス)を使い連続攻撃を続けてはいるがやはりプシューケーの加護が働くために當たらない。

(厄介な加護。)

「あ、あぁ、やはり、貴方はび、人!」

依存主を見つけたと言わんばかりの粘ついたじる。

「も、もっと百合百合しましょう!」

プシューケーは隙をつき懐へとると、ディアーナの四肢の関節を砕き橫払いで壁際までディアーナを飛ばす。

「ッ!?」

「貴方の四肢をはか、破壊し、ました、へへ、もち、もち、持ち帰りましゅ、でへへ」

の髪でくるくると遊ぶ。その姿に何処か寒気をじる。

「ぱ、パンクラチオンを極めて置いて良かったぁ♫」

間合いにるプーシュケー。そして再生途中にあるディアーナの手首を手刀により破壊される。黒鎌は地面へと落ちプシューケーを睨み付ける。

「はぁ.....はぁ............んあああああああ♪そのし、視線、たまらない、あひ」

「気持ちが悪い。」

(攻撃が加護のせいで當たらない。なにか解決策は.......あるにはありますが、ルキフェルさんとブランチェさんの戦いを待たなければなりませんね。)

が修復経過中だがに無理をかけ、プーシュケーへと當たりをする。しかし、タックルをされた本人はうっとりした顔で、ディアーナの首っこを摑みその場で一回転させると壁へと再び投げ飛ばした。

「がはッ!」

壁へと直撃しディアーナはを吐き出す。そして壁へと打ち付けられた影響で膝をつけるディアーナを摑み上げ壁へと押し付ける。

「あぁ、貴方ぁ、混沌の化、なのにぃ、ほ、本當に、う、しい、ね♫ふふ、私の隣に來なさいな。そうすれば生かして私の隣人にし、してあげる、よ。」

プーシュケーはそう提案するがディアーナは笑った。

「くく...........斷ります。」

をペッとプーシュケーへと吐き出す。頰についたそれをプーシュケーは舐めとり頰を染めた。

「決めた_________絶対に貴方はワタクシノモノニスルワ。」

(この娘、いや神獣か......先程よりも速い)

蚩尤はバク転でブランチェから距離を取る。その最中、蚩尤はブランチェの違和を思考した。

「貴殿が用いる権能は何か!神とは言え、司る権能は一柱につき一つのみ。それが神界における規則であろう!」

蚩尤は雙剣の一対をブランチェへと向け問う。

「阿呆。わざわざ敵である貴様に何故、吾輩の特を教えねばならぬ。漫畫でもあるまいて。」

小馬鹿にするようにそう口にすると、古の剣へと力をれ橫払いする。

「くっ!」

凄まじい突風に斬撃が乗せられ蚩尤を襲う。しかし、主兵神とてそれ程の事でやられる弱さは持ち合わせていない。

「はぁあああああ!!!」

巨大剣を一対、自の前に出現させ、攻撃を防ぐ。ブランチェの放った一撃は剣へと直撃すると四方に攻撃の余波が広がり城の間を破壊していく。

「大地よ、姿を現せ。」

巨大な苗木が蚩尤の真下から出現し手のひらを形取っていく。蚩尤は避けるように跳躍するが、樹木で出來た巨大な手が迫る。

「戈・矛・戟・酋矛・夷矛__________我が五兵よッ!!」

雙剣をすぐ様捨て、主兵裝を展開する。

「__________切り裂け」

五つの武が蚩尤を守るように迫り來る苗木を消滅させた。

「それが...........貴殿の真の力と言うわけか。」

(先程の武群とは違い、一刀一刀に強き神じる。奴の奧の手と言う奴だろう。)

ブランチェは蚩尤の用いる五つの武が己の握る魔剣同様の切り札であると推測する。

「あまり使いたくはなかったのだがね。」

くるくると凄い勢いで蚩尤の周りを高速回転する五兵。

「吾輩とて同じよ。」

獣の姿へと変わり古の剣を口で握る賢狼。2人の睨み合いが続く。

(長引かせはしない。この一刀にて敵を打ちやぶる。)

が破壊された間の隙間から二人へと降り注ぐ。

(奴は何かしらの権能を用いて力の向上を行なっている。ここで叩かなければ勝機はない。)

蚩尤は太を利用し、自らの獲へと當てブランチェの目を狙う。

「ぐっ!?卑怯者め!!」

が両目に直撃し、目を瞑るブランツェ。

(悪く思ってくれるな。これは戦爭だ。)

蚩尤は無言のまま怯んでいるブランチェへ駆け出す。

「終わりだ。」

五兵を用いてブランツェを引き裂こうとする。ブランツェは即座にバックステップで距離を取ろうとするが、一撃目に矛が右腕を貫きブランチェは前方に倒れる。

「グルゥ!!」

そして二撃目に戟が左肩へと突き刺さる。ブランチェは古の剣を用いて三撃目である酋矛をギリギリの所でけ流し、大地の権能を発させた。

(視界が回復した。)

ブランチェは四撃目が到達する前に大樹の枝へと乗る。

「ガルルルルルルルッ!!!」

挑発するように蚩尤を見下す。

「安い挑発だ。」

蚩尤はブランチェのいる枝へと跳躍し、矛同士の打ち合いが開始される。城の間は半壊し、いくつもの樹木がおとぎ話に登場する豆の木のように天空へとびて行った。

「____________やり過ぎですよブランチェ、ふふ。」

ガルーダの頭部へと足を置くルキフェル。ガルーダの姿はまみれで、満創痍の狀態だった。

「くっ、」

を口から吐き出しルキフェルを見上げるガルーダ。周囲はブランチェの権能の余波もあり完全に瓦礫まみれとしたフィールドとなっていた。

「力だけに特化している貴方では私には屆かない。何やら雷の神に対し強力な加護が授けられているようですが、私には関係の無きこと。」

天の槍を軽く捻る。するとガルーダの両翼が弾け飛びを周囲にまき散らした。

「聲を上げないとは、稱賛に値します。」

ガルーダは決してルキフェルトから視線を外さない。

「最期の時まで、敗北はれないと言った視線ですね。」

ガルーダが両腕を使い立ち上がろうとする。ルキフェルはクスリと笑うと頭から足を離ししゃがみ込んだ。

「貴方、面白いですね。」

その悪魔的な笑みにガルーダは恐怖をじるが拳を握り完全に立ち上がった。

「我の為に集うた二人の恩義に報いねばならぬ。無駄死にだけは決してせぬ。」

「翼のない鳥は最早、鳥ではない。」

その瞬間、ガルーダから渾の一撃がルキフェルに対して放たれた。強大な神気とともに放たれたソレは瓦礫と何本かの巨大木を破壊し城の外側に存在するガンジス川を割った。そして放たれた拳圧の軌道にそり、上空にある雲も形を変える。まさに嵐のように強大で強力な一撃だった。

(..............余力は使い果たした。)

天使の存在を確認できない事から一つ殘らず殺したことを確信する。

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