《闇墮ち聖の語~病んだ聖はどんな手を使ってでも黒騎士を己のモノにすると決めました~》第百七十九話『今後の向』
「久方ぶりの連絡だ。北歐神らよ、私は君達を裏切ることにするによ。」
遡る事、數時間前、蚩尤はディアーナ達が滯在先としているホテルの隣室を借り協力関係にあった北歐神らに連絡をれていた。
「聖鳥は死に、プシューケーも落ちた。殘る戦力はギリシャの彼を除くと君達と吸鬼だけということになる。現狀の戦力に置いて私達が上へと進むのは不可能だ。従って私は裏切るのだがね。まぁ、かつての仲間として一つ教えておこうか。”未知數”は強い。君達二人では倒せないと斷言するよ。其れでは君達の健闘を祈る。」
攜帯を置き窓際へと近づき街を眺める。
「何時迄も傍観が出來るほどこの戦は甘くはない。君達が逃げ切る前に私達が命の花を摘むとしよう。」
蚩尤は三本の矛を顕現させれる。
(五兵の、二本を失った。いや、一つはあの獣が所有しているのだったな。返してくれと申し出る事は可能だろうが、他の彼らはそれを是としないだろうな。)
蚩尤は疲れたのかベッドへと腰掛け目を瞑る。深く意識が沈んでいく。先程の戦闘からの疲労、そして未來への安堵から。
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「蚩尤が仲間になった。これは確定事項だ。」
ブランチェが機をコンコンと軽く叩き、二人へと述べる。
「裏切るかも知れないのですよ。早急に殺戮した方がの為です。」
「ふふ♩彼の方は現狀私達の仲間となったと安堵をしているはずです♩殺害するなら今ですよぉ♩」
寢込みを襲おうと提案するディアーナ。
「今は手を出すなと言ったばかりであろう。奴は何かしらの報を摑んでおる。其れを吐き出し、戦闘で酷使した挙句の果てに沈めれば良いのだ。」
ブランチェも案外と酷い事を言う。
「あの者の瞳には反骨の意思がなからず眠っている。いつ襲われても可笑しくはないのですよ。」
「仲間を二人も失ってるんだ、多は警戒をしても仕方がなかろう。」
オドの気配から其れはじられたが、其れは先程まで戦闘をしていたから警戒しているだけではとも考えられた。
「............取り敢えず奴をここに呼び出し、敵の報を整理しようではないか。」
ブランツェか冷靜に切り込む。
「すまぬな。休息のところ、起こしてしまって。」
ブランチェは謝罪をし、蚩尤を自室へと招きれた。
「気にすることはない。私達は協力関係にあるのだから。」
微笑を浮かべ、椅子へと腰掛ける。
「其れで........君達は私を今から尋問でもするかい?」
三人は鋭い眼差しで蚩尤を凝視しているのだ。蚩尤は苦笑をし両手を上げる。
「何度も言うが私は君達と爭うつもりはない。それに素も知らないという事は弱手をつく事も不可能だ。」
三人は警戒度を緩める。ブランチェは蚩尤へと紅茶を出し椅子へと二人同様に座り込む。
「アンタに聞きたい事があるから呼んだ。」
「そうだろうな。それ以外に呼び出しがあるとすれば君達との渉「口を慎まねば、貴様の命はないと知れ」おっと、此れは失敬。」
蚩尤の首元に天使の槍がスレスレの位置で止まる。蚩尤は冷や汗を流しながら紅茶を口へと含んだ。
「それで、聞きたいこととは何かね?と言っても一つだろうが。」
蚩尤は見據えたようにそう口にすると、語りを始めた。
「私達に殘された期間は一月を切っている事は君達も知っているね。君達は一度でもアジア圏外へと赴こうとした事はあるかい?」
「ないな。」
ブランチェが回答する。
「だろうな。何故ならば園外へと出てしまうと私達の様な存在は瞬く間に消えてしまうからな。あれは理の様なだ。本來あってはならぬ者らをこの世界へと顕現させた代償とでも言うべきか。」
「それが真なら、何故私は生きているのですか?」
ルキフェルが怪訝な表を覗かせた。
「それはどう言う........」
「私は以前、錯した際に外側、地球外へと飛翔している。しかし、私はこうして生きている。貴方の提示した報には誤りがあるのでは。」
「ほう、これは新しい報だ。」
顎へと手を置き何かを考える蚩尤。
「一つ問わせて貰う.......君達も毎夜、啓示をけているのだろう?」
「.........答えは否と言わせて貰おう。」
ブランチェは即座に反応した。
「ちょ、ブランチェさん!」
ディアーナがブランチェに対しなぜ、不要な報を與えたのかと憤怒とした表で見る。
「何は知られる事。吾輩らに欠點があるとしたら、啓示とやらが報を齎さぬ事だ。その點をこの者にカバーをさせる。芙蓉の際と同じような。」
ブランチェの発言に蚩尤は表を強張らせる。
(啓示をけず、地球外へ。それは理という鳥籠の縛りがないという事になる。つくづくと規格外の存在だ。しかし、彼らの存在は將來、アドバンテージとなるだろう。)
蚩尤は紅茶を飲み干し、一息つくと話の本題へとることにする。
「________敵の報、そして位置を伝えようではないか。」
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