《闇墮ち聖語~病んだ聖はどんな手を使ってでも黒騎士を己のモノにすると決めました~》第百八十二話『エレンミア陣営』

「死を與える魔眼、善い思考の現化よ、妾らは其方らと協定を結びに來た。即座に表に出よ。否、拒絶を申すと言うのならばこの一帯を灰燼に帰すと知れ。」

高らかに響く帝が如き唯我獨尊とした発言。バロールは一息つくと答えを提示した。

「星の寶玉らよ、その申し出をれよう。」

ここで戦闘を起こせば両陣営、タダでは済まない。いや、片割れである『エルミア』と『乙姫』を奧へと控えさせた事から、此方の魔眼を警戒したのだろう。

(僕の魔眼、そして魔ではあの豹を仕留め切る事は出來ない。そしてウォフは戦闘向きの力ではない。)

故に協定を結ぶか片割れである金髪のエルフを殺害する他、この狀況を攻略する方法がないのだ。

「貴様ならそう口にするであろうと知っていたよ、魔眼使い。」

エレンミアは不遜極まり無い笑みを浮かべ宮殿へと一人進んでいく。

(お姉様.........ご無事で。)

宮殿へと歩みを進める姉の無事を願い、見屆けるエルミア。

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「私達はこちらでエレンミアさんのお帰りを待つのみですか?」

「えぇ、お姉様には何か策がある様ですから。」

二人は外界に曬される山々を見つめそう口にした。すると一匹の蝙蝠が二人の元へと降りてくる。

「こんな場所に蝙蝠?」

乙姫が疑問の表を見せていると、蝙蝠が黒煙を上げる。

「______乙姫さん、私の後ろへ。」

エルミアがレイピアを抜刀し、乙姫を自の背後へと移させる。

「ふふふ♩そう怖がらなくても良いよぉ♩ボクもただ、君達と仲間になりたいんだけなんだからさぁ♩」

エルミアは冷や汗を流し、目の前へと姿を現わした人を睨みつけた。

(.........吸鬼ッ、何故この者がこの場にいるのですかッ。)

數時間ほど前にてけた啓示には目の前の吸鬼はタイ王國に居たはず。にも関わらず吸鬼は神出鬼沒に姿を見せた。

「仲間、ですか。笑わせないで下さい。お姉様が貴方のような薄汚れた下等種族などと協力をする訳がないでしょう。」

「下等種族て、君達も人族も一緒でしょ?低脳で低俗で僕たちの家畜でしか存在たり得ない愚かな種族。あまり舐めた口を聞かないで貰えるかな、エルフ。それに差別主義はよしなよ?語で學んだでしょ、くく。」

ゾッとする様な覇気がエルミアと乙姫を襲う。

「おっと、警戒しないでおくれよ♩ボクは本當に君達の仲間になりたいんだからね。」

レイピアを握る手に力がる。其れを察したのか吸鬼は舌舐めずりし、獲を見るような視線で二人を捉えた。

「君達が悪いんだよぉ♩ボクはただッ______」

鬼は突如として臺詞が止まった。いや、死んだのだ。

”靜かにしていろ、下郎。”

空間に突如現れた神を帯びた剣が吸鬼を貫くと、吸鬼は消滅した。

「お姉様!!」

エルミアは嬉しそうに聲を上げる。

「ねぇ、バロール、どうするの?殺される、よ?」

バロールの背後に隠れていたウォフ・マナフが姿を見せ吸鬼がいる方角へと指差す。

「吸鬼には不死がある。だから大丈夫。」

うんざりとした表を見せるバロール。それを察したのかウォフは口を閉じた。

「汚らしい蝙蝠を即座に控えさせよ。不愉快だ。」

「バロール、命令、するな」

命令をバロールへと下すエレンミアに対し、ウォフは怒った表で睨み返す。

「殘念だが彼を完全に殺す事はボクには不可能だ。」

その発言を聞き、興味深く吸鬼のいる方角へ目を向ける。そして一言呟く。

包する魂、全てを時の彼方へと飛ばしお前自をこの場で消滅させても良いのだぞ?”

使い魔の蝙蝠を使いその場を観察する吸鬼は使い魔越しに殺意をエレンミアへと向ける。そして蝙蝠は影へと帰化するように消えていくのだった。

「さあ、邪魔者は消えた。そして妾の駒も揃った。未知數どもが如何様なものだとしても妾らには敵うまい。裏切ってくれるなよ、死を與える魔眼。」

バロールの魔眼を我がとした以上、エレンミアに恐るものはなかった。何故ならば即死の攻撃手段を持つバロールを手にれる事で、エルミアへの危機が無くなったからである。

「君達次第だと言っておくよ。」

ここに新たなる陣営が完する。そして宮殿の外壁が黒へと染まり新たなる旗を掲げた。

「忌々しいエルフが.........ボクをくだしたつもりでいるのかい?」

タイ王國にて自の擬態が消滅させらた事をぼやく吸鬼。その表は怒濤としたもので、握っていたガラスコップが砕けちる。

「あの〜お客様、大丈夫でしょうかぁ?」

店員が吸鬼のを案じ心配の聲を掛ける。

「あはは、大丈夫ですよぉ♩そう、何もかも.........大丈夫」

だが直ぐに表を普段通りに戻し、笑顔で答えるのであった。

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