《闇墮ち聖語~病んだ聖はどんな手を使ってでも黒騎士を己のモノにすると決めました~》第百八十五話『ヴァン・ヘルシング』

アムステルダム大學の名譽教授で、恰幅のよい60歳の老學者。それがかつての私、いや、ボク、ヴァン・ヘルシングの來歴だ。ボクはけっして吸鬼を専門とした研究をしていた訳ではない。何せ、僕の専攻としている學問は神醫學だからね。

_________『ヘルシング博士』

かっこいい名前だろう?地獄と言う名前が僕のラストネームだ。

アレはいつだったか......

そう、あれは僕の教え子セワードが依頼が始まりだったかな。セワード、ハーカー、ホルムウッド、モリス、懐かしい名前。彼等はかつての仲間達だ。ボクは彼等と共に吸鬼と戦ったよ。もっともボクは老故に若い彼等を補佐する役回りであったけどね。この世界に來て嬉しかった事と言えば、僕が単獨で吸鬼と対決し、倒したと記されている事だったよ。まったく歴史はいつも改竄されるものだね。

とはいえ話を戻そうか。そう、僕の教え子、セワードから相談をけたんだ。ボクはすぐに依頼先であるルーシー・ウェステンラの元を訪れたよ。そしてすぐに彼が吸鬼に狙われている事に気づいた。夜な夜なとじる殺意と好奇心に満ちた視線。そして溢れ出んばかりの濃いの香り。それに付け加えると彼しく白いをしただった。吸鬼の気配あらずして何処にあるのだと言う程に。

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「________ルーシー、先ずは君の寢室へ案してくれ。」

まず彼の寢室をにんにくの花で埋め盡くすことでドラキュラの行を妨害した。

「吸鬼についてはごにお願いします。あまり騒ぎを起こすべきではないでしょう。」

「は、はい.......」

しかし関係者を混させないよう吸鬼について説明しなかった事が災いし、家人が花の臭いを嫌って片付けてしまった事でルーシーは死亡してしまった。アレは僕の失態だった。僕の失態の所為で彼は_____

「あっはははっはは!!!!気持ちが晴れた様だわぁ!!!!」

______ルーシー・ウェステンラは吸鬼となった。

ボクはすぐに吸鬼について説明を行い、吸鬼として蘇った彼をセワード、ホルムウッド、モリスに指示を出して滅ぼした。

「僕達だけではこの事件を解決に當たるには力不足だ。協力を仰ごう。」

次いでハーカーとレンフィールドの協力を得る事に功した。

「アレらを処分してれ給え。ただし、一つは殘すんだ。」

ドラキュラの向を探ったボクは、ドラキュラがロンドンに持ち込んだ棺を一つだけ殘して処分するよう指示を出した。

(これで吸鬼は姿を現すはずだ。)

最後の棺が設置された屋敷でドラキュラを待ち伏せる。

(良し、作戦通り、奴は此処に來た。)

ボクは仲間達と協力し吸鬼へと十字架を突きつけることに功する。しかし、完全に仕留めきる事は葉わずドラキュラを退散させてしまった。

「奴の次の行はこうだね。」

トランシルヴァニアへと逃亡するドラキュラを追撃する為に進路を予想して先回りする作戦を立てた。

「くっ、多過ぎる.....博士、後は頼みました!」

ドラキュラの配下と激しく爭った。そしてモリスが戦死してしまった。

「くっ、小癪な人間めッ!!」

「此れで....止めだ!」

馬車からドラキュラの棺を引きずり下ろす事に功した僕達は、ドラキュラの心臓に杭を打ち、首を切り落とす事に功した。こうして吸鬼は滅びた。その後、ハーカー夫妻の息子がモリスの名前を取って“キンシー”と名付けられた事を語るシーンで、語は幕を下ろす。ここまでがこの世に書き記される語の全貌だ。しかしこの語には続きがある。

「先にいっていてくれ、セワード。」

モリスのの前にて黙禱をする。セワードはヘルシングの気持ちを察っし仲間達と共に馬でその場を後にした。

「はぁ、はぁ........僕のはどうなったと言うのだ.....」

機が収まらない。ヘルシングはモリスのを涎を垂らしながら見る。流れ出るが余りにも味しそうに見えたのだ。

「ドラキュラ伯爵よ......死の間際、何をしたっ!!」

仲間のを喰らうわけには行かない。衝を抑え犬の様に土をかきむしる。

「ああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」

。これほどまでとは。そして、ある事に気づく。それは先程切斷したであろう伯爵のと首だ。

「うぅあ.......あぅ.....」

縋る様にその殘骸へと近づき伯爵の首を持ち上げる。

味しそうだ.......」

首から止めどなく出るを舐める。

(あぁ!なんだ、これは!これ程の快楽がこの世には存在すると言うのか!)

まるでを雷が駆け巡るような覚だった。余りにも現実離れした快。酒、などと言ったなど微塵にも思えた。

「ふふ、あぁ♪」

完全に伯爵のを飲み干す頃にはは変わり若きとなっていた。

「へぇ、これは面白いね。」

の形は自由自在に変えられた。、そして男へとも。

「並の眷屬ならこれ程までの力は得られない筈.......」

これは一重に伯爵と言う吸鬼の集団の長のを呑み干した事にある。吸鬼には上位個によって未知なる力を隠しもっている。ドラキュラ伯爵には異常なまでの再生能力、そして変能力が備わっていた。そして自分にはどうやら........

「吸鬼の力の吸能力。」

上位個を捕食すればする程強大な存在となっていく。

「ドラキュラ伯爵は上位個に置ける先駆け的存在だったという訳か。」

何故ならば二つの能力を兼ね備えていた。しかしヘルシングの仮説は間違えである。何故ならばドラキュラ伯爵こそが吸鬼の真祖であり頂きに君臨していた原初の吸鬼であったのだから。

「ふふ、ボクのヴァンパイアキラーとしての仕事は終わっていないって事だね♪」

伯爵以上の上位個は存在しないだろうが、他にも吸鬼は存在はするはずだ。最強の吸鬼、そして最強のヴァンパイアハンターの二つの稱號を持つ合わせる事になったヴァン・ヘルシング。

________新たな吸鬼狩りの旅が再び始まる。

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