《闇墮ち聖語~病んだ聖はどんな手を使ってでも黒騎士を己のモノにすると決めました~》第百八十六話『吸鬼』

「ふふ、ボクは幸運に恵まれているのかも知れない♪」

不遜な笑みを浮かべ蚩尤の顎へと手をれる。ひんやりとした手に思わず鳥が経つが、警戒心は緩めない。

「何故貴様が此処にいる、吸鬼。」

蚩尤は殺意に満ちた目でヴァン・ヘルシングと名乗る白髪の人を睨みつけていた。ヴァン・ヘルシングの表と態度は余裕然としたものだが、額には若干の冷や汗が見けられた。

「二度は言いません。そこの下郎から離れなさい。」

(下郎とは、失禮だな.............)

尋常ではないプレッシャーがルキフェルからじられるのだ。あれを明確に言葉で現すなら“死”そのだ。

(うぅ、)

アレはヘルシングに向けられたものだが、蚩尤も余波をけ気分が良いものではなくなっていた。

(しは抑えてくれないか、墮天使)

神気を循環させ、活化させるている現狀で尚もあれ程の恐怖。

「君たちがボクへと向ける矛を降ろしてくれるというのであれば、彼には攻撃はしないよ。」

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迫とした場。軽い気持ちでちょっかいを掛けたヴァン・ヘルシングからすればたまったものではないのだろう。

「ならば貴方が先に彼を解放しなさい。これは忠告ではない、命令だ。」

圧が凄い。まるで海の底へと落ちていく様な明確な殺意。

(どうやらこの蚩尤ちゃんも彼等にとって、重要なピースのようだね。)

ヴァン・ヘルシングはルキフェル達の対応を見てそう判斷する。

「あらあらぁ?あらあらあら!貴方ぁ.....ふふ、味しそうな香りをしておりますねぇ♪」

ディアーナは瘴気の黒鎌を解きヴァン・ヘルシングの元へとより近づく。

「ボクに近づかないでくれるかな........お嬢さん。」

嫌な気配をじる。ヘルシングの直はそうんでいた。

「まぁ!お嬢さんですって、ふふ♪」

くるくると周りを回るディアーナ。

「その牙ぁ貴方ぁ吸種ですかぁ?ふふ、その反応を見るに正解のようですねぇ♪」

ヴァン・ヘルシングは肩手で頭を抑える。

(なんだ、あのが話すだけで......)

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頭痛が襲う。ディアーナは目を細めヴァン・ヘルシングの眼前へと顔を近づけた。

「君は.....誰だ?」

頭痛が収まらない。ディアーナは首を傾げる。そして何かを思いつたように一言、吸鬼へと言い渡す。

「うーん、そうですねぇ。ふふ_______先ずは膝まづきなさい。」

ヴァン・ヘルシングは膝を付け手を床へとつける。

「なっ!?」

自分のの制ができない。蚩尤は即座にヘルシングから離れ、距離をとる。

「くっ.....僕に何をしたぁ!!」

先程までの余裕然とした態度はない。目には畏怖と殺意のみが現れる。

「ふふ............貴方がたの神、とでも言いましょうかぁ♪」

黒鎌で演劇の様に綺麗な舞を魅せるディアーナ。周りの客は此れが一種のショーだと勘違いし、警備員でさえも見ているだけと言う形になっていた。

「______神?ふふ、僕を馬鹿にしているのかい。ボクは吸種の頂きに至った超越種だ。僕の上は存在しないよ!」

事実、全ての吸種を絶やしにし、全ての吸種の力を蓄えた最強の生。それが今のヴァン・ヘルシング。

「それは吸種に置いて、でしょう。そして貴方方のような眷屬を統括し支配する“存在”は誰でしょう?」

黒い眼。闇よりも深い深淵が吸鬼を捉える。

「魔王......」

ヘルシングは魔界の王の名を出す。しかし、今のヘルシングであれば魔王をも打倒する力を兼ね備えている筈。にもかかわらず、己のは目の前のの言霊により犬の様に膝をつかされている。

(これだけの人だかりの中で僕を.....これ程の屈辱は初めてだッ)

周囲へと目を向け苦い顔をみせるヘルシング。

「惜しいですねぇ♪」

魔王、そして魔神以上の存在など存在しない。闇の眷屬である以上、それが到達地點であるのだ。

「そう、貴方の考える通り魔神以上の存在はしませーん♪」

空港部に指す日のが徐々に消えていく。何故ならば天候が深淵へと染まっていくからだ。

「.........................そうか、君は」

ヴァン・ヘルシングは理解した。目の前にて自を見下す存在は_____

「_______“闇”そのものなんだね。」

源的な畏怖、本能が目の間の存在を恐れる。自が如何に強者になろうとも逃れられない生命としての上下的な食連鎖。

「ご明察、と言ったところでしょう♩貴方がた闇の従者は闇に従わらずを得ない。」

強力な言霊が重圧の様にヘルシングを襲う。

「僕のいた世界と君といた世界とでは本質は違う筈だ。」

ヘルシングは重圧に耐え立ち上がる。そもそもその様な法則が違う創作である自分に適用されて言い訳がない。

「本質ではなく貴方の本能ですよぉ♩ほら、震えているではありませんかぁ♩」

プルプルと震える足。ヘルシングから見えるディアーナの存在は常軌を逸したものだった。底知れない深淵。一歩覗き込めば呑まれてしまうほど本能的な恐怖、そして狂気を持ち合わせている。

「なんならぁ、貴方の様なぁ巧な吸種を作り上げましょうかぁ♩」

の創造はディアーナの能力の一つである。そして時間を掛ければ掛けれほど、強い魔を創造する事が可能である。

「意思を持った魔はあまり作りたくはありませんがあぁ、ふふ、貴方に近い能力を持ち合わせた魔を作れない訳ではありませぇんよぉ♩」

深淵の王の名は伊達では無い。彼は一作品の主人公であり、ラスボスでも會ったのだ。

「ディアーナ、やめなさい。」

ルキフェルが橫から口を挾む。

「何故でぇすぅ?せっかく面白くなって來たというのにぃ♪」

狀況を理解していないのか。

「............気づいていないのか、周りを見たまえ。」

空港にいる利用客や従業員らはその場に倒れ過呼吸を起こしている。

「あらあられてしまいましたかぁ、ふふ♩」

々程度でこの大規模な慘狀。

「瘴気を抑えなさい。」

ルキフェルは溜息を吐きながら事態の収束に當たる様に命じる。

「あらまぁこれは酷い!」

わざとらしい反応を見せ、ディアーナは瘴気を引っ込める。

「............君達にはモラルというものがないのかい?」

鬼がそんな事を言う。

「君だって吸はするのだろ?」

「もちろん。は飲まないと死んじゃうからね。だけどこんな大々的にはしないよ。君達は”裁定者”の事を考慮をしてない様だけど、あまり暴れ過ぎると制裁をける事になる。」

若干やつれた顔を見せる事から何かしらの事を過去にしたのだろう。

(と言うかいつのまにかカフェテリアの方へと移して會話をしているのは何故だろうか。)

全ての人間が昏睡狀態にある中で優雅に椅子に座り意見換もとい談義をしているのだ。しかも何故かディアーナはヘルシングを椅子とし、その上へと堂々と座っていた。

「裁定者...............そういえば、クトゥルフ神話の方を捕食した際に見た記憶では彼も地球を焼き盡くそうとした折、裁定者により封じられておりますねぇ。」

「特徴や能力といったものは確認できたか?」

ブランチェが聞く。

「いいえ、靄がかかる様に彼らの姿を確認する事が出來ないのですよぉ。其れに能力も不明です。ただ一言言えるのだとしたらアレらは次元が違い過ぎる。」

報が遮斷されている。

「そのもの達を捉えれば王冠戦爭の核に近づるのでは?」

蚩尤はルキフェルの発言に鼻で笑う。そしてある事実を告げた。

「全知全能の神ゼウス、そしてテュポーンが奇しくもアジア州へと顕現した。その二人が戦ごととなるのは宿命だった。大地は荒れ大陸は焼き盡くされただろう。」

蚩尤は続けて語る。

「しかしご覧の通り、その様な結末を迎える事はなかった。確かに各地では死者が出たと言う報道は出る。しかし其れは自然の影響、または事故として処理される。」

何故かは語らなくとも分かる。これだけの被害を得て音沙汰なしとは辻褄が合わないのだ。明らかに作や隠蔽工作を行なっている者がいる。それこそが裁定者と呼ばれるバランサーなのだろう。

「後始末で大変そうですね、”裁定者”って。」

可哀想とまでは言わないがなからず同はする。ルキフェルはディアーナへと視線を向けつつそう考えていた。

「まぁ簡潔に言うとだね、ゼウスは死にテュポーンは引きこもってしまったと言う訳だ。」

蚩尤が続けて言葉を紡ぐ。

「へぇそうだったんだ♩だから彼はあれ程までに靜かだったんだね〜。」

(その勢のままでいいのか、君は。)

ディアーナの椅子、即ち四つ這いになっている狀態で會話に參加していたヘルシングを稽にじる。しかも若干息が荒い気がするのだが気のせいだと思いたい。

「裁定者の圧倒的な迄の力を目に萎してしまっているよ、彼は。」

ライバルとも呼べる全知全能の雷神を眼前にて瞬殺されたのだ。暴れたいと言うも沈まざるを得ないだろう。

「まぁ話は戻すのだが、彼はどうするんだい?」

裁定者どうこう以前に先にこの吸鬼についての問題を解決した方がいい。ヘルシングは蚩尤を睨みつけるがこのまま有耶無耶で逃がすわけにはいかない。

「え、喰いますけどぉ?」

當然と言う様に言うディアーナ。まぁ其れが妥當だろうなとルキフェルとブランチェが頷く。

「ちょ、ちょっと待ってく「本當に愉快なことをしておるな、”未知數”。」

ヘルシングは冷や汗を浮かべ何かを言おうとした剎那、の聲が遮る。

「以前は急かしてしまった故、挨拶が遅れてしまったな。」

倒れる群衆の上を躊躇なく踏み付け帝が如く此方へと迫る黒髪のエルフ。

「_________アジア州に置いて頂點に立つ創作とでも言おうか、くく。」

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