《闇墮ち聖語~病んだ聖はどんな手を使ってでも黒騎士を己のモノにすると決めました~》第百八十七話『登場と心臓』

「..........星の寶玉エレンミア」

蚩尤は驚きと共に底知れぬ恐怖をじる。

(何故このタイミングで出てきた........まさか、ヴァン・ヘルシングと結託したと言うのか?)

見當違いな考えを頭に浮かべ、対抗策を張り巡らせる。

(この場は一時撤退をした方がいい。空港での被害をけ、警察もき出している。)

それになんの策もなく戦闘へと移行するのは無謀というものだ。ヴァン・ヘルシングなどとは違い、エレンミアは異次元の存在。

「くく、兵主神よぉ其方ぁ北歐の神々を裏切ったのであろう?」

世間話をするが如く気安く話を掛けてくるエレンミア。蚩尤は眉をピクリとかし落ち著いた口調で返事を返す。

「それがどうかしたのかね?」

「なに、あの雙子神の娘が困る顔はさぞ稽であっだろうなと想像しただけだ。」

くすくすと失笑をするエレンミア。

(........何もじない。)

その様子を警戒とした様子で見ていたディアーナはエレンミアの存在を疑問にじていた。

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(なからず人や、神でさえも『生』の流れが存在する.......なのに、あのからは何もじられません。ですが僥倖______)

目の前に存在するからは全くと言っていい程、気配や気と言ったものがじられないのだ。無明、“無”と表現できる程に。

「________探す手間が省けました。ジョンを返しなさい。」

明確な殺意を向けながら、ヘルシングから立ち上がるディアーナ。しかし、何故かヘルシングはかなかった。いや、けなかった。様子が可笑しい。可笑しいどころではない。まるで生気がないようにその場へと倒れてしまう。

ドクンッ ドクンッ

心臓の高鳴る音。自分のの高鳴りかと思い確認するが違う。疑問に思い、ルキフェルへと顔を向けると、黒髪のエルフを見る様に視線を導される。そして顔を向けた先には____

「千と命があろうとも”點”へと辿り著く事は出來る。」

エレンミアは手のひらに赤く染まる心臓を握りしめる。そしてふぅと一息吹きかける。

「はっ!」

ヘルシングは息を吹き返した様に荒い息をつき眼を覚ました。

「ボクになにをした......」

尋常ではない汗を流すヘルシング。を抑えながら立ち上がるが、足元がおぼついている。

(あれはヴァン・ヘルシングの心臓なのか?)

握られる心臓を凝視していると、その視線に気づいたのかエレンミアは嬉しそうに口を開いた。

「妾は幸運よなぁ。そこの牙付きへと施した仕掛けがこうも上手く行くとはなぁ。奴の格ならばこうして未知數とやらに接蝕し妾との戦に備えると予期していたがぁ、くく、こうも予想の範囲であると些かつまらぬぞ?」

鬼はその言葉を聞き牙を見せた。そしては切れが流れ出る。

「醜き姿よなぁ。人の尊厳を捨て唯の獣とり果てた愚か者の末路よ。」

空港に存在する窓ガラスが全て割れていく。吸鬼であるヴァン・ヘルシングが怒るに塗れた顔で己の力を解放しているのだ。

「なんだ、深淵の虛栄よぉ。何か言いたげだな?」

は殘してくれませんかぁ?」

殺すのは構わないが消されたら捕食が出來ないので五満足で殺してしいのだろう。悠長なことだと蚩尤はじる。

「僕の...........」

鬼はゆっくりと立ち上がり震えた様子で口を開ける。

「僕の心臓を返せぇええええええええええええ!!!!!!!!!」

超音波にも似た雄び。より近くにいたのであれば確実に鼓は破れていただろう程の聲量。

「スウぅぅ........んんんんッ!!!」

ヘルシングの背からハリネズミの様に無數の杭が突き破るように現れる。まさに化けの様な姿。

「答えは否だ。妾へと敵対すると言うのならば其方の命運は一つだ。」

その臺詞を言い放つと同時にヘルシングはその場から姿を消した。

「_______死ね。」

エレンミアは上空から仕掛けようとしたヘルシングをひと睨み効かせるとヘルシングは重力に引っ張られる様に地面へとをぶつけた。ヘルシングは何が起きたのかを理解できずにいたが、すぐ様立ち上がり己の心臓をただただ凝視する。

「僕の心臓っ!!」

そして即座に腕をばした。人ならざる、そして歪な曲がりを見せエレンミアの手から己の心臓を奪い取ろうとする。

「面白い絡繰だ、だが妾には屆かぬ。」

びる腕による攻撃を避けずに自らのけ止めるエレンミア。

「なッ、無傷!?」

しかし一ミリたりともその場をかず口元を歪めるエレンミア。そして心臓を軽くつつき、挑発をする。

「これがしいのだろう?ならば取ってみよと言いたいところだが、いつまで妾のへとれる、下郎めが。」

へとれるヘルシングの腕を埃を払う様に叩く。するとヘルシングの右半が消え失せた。まるで最初から其処になかったように。

「がああああああああああああああああああああああぁああああ!!!?」

そのまま勢を崩し地面へとをぶつける。

「クソッ」

再生途中にあるに無理を聞かせ立ち上がるヘルシング。

「壊し拒み突き刺せッ!杭よぉッ(スタープル) !!」

能力の一部を解放する。

「杭か、つまらん。」

何百という杭が地面からエレンミアを襲うように突き出る。空港の一部は破壊され、周りにいた客らの一部も杭による刺傷をけた。恐らくだが助からないだろう。

「民らが串刺しではないか、くく。」

ヘルシングの攻撃を苦ともせず一般客らが串刺しにされる姿を見て笑っていた。

「案外と脆いものよなぁ。」ツンツン

己を突き刺そとした杭を小指でつつく。すると全ての杭が塵の様に消えていく。まるで魔法が解かれた様に。

(奴は今、何をしたんだ.......)

蚩尤から見えたエレンミアの姿は彼を恐れる様に杭が捻じ曲がる姿だった。そして小指で小突くと共に杭が全て塵と化した。

「化けか、彼奴は。」

ブランチェは目を細めグルルと警戒の聲を上げる。ディアーナも驚きの表を見せていることからかなりの事象が起きているのだろうと推測する。

「天使よ、一は何をしたんだ?」

蚩尤の問いに対しルキフェルは目を閉じ靜かに答える。

「_________“破壊”の力です。」

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