《闇墮ち聖語~病んだ聖はどんな手を使ってでも黒騎士を己のモノにすると決めました~》第百九十三話『ヘイヴン』

「何用だ、エルフ族の者よ。」

親衛隊達が殺気だった視線で村長を睨みつける。それも其のはずだ。何故ならば、その者が人間であったのだから。

(この町はどうにも可笑しい。妾らが足を踏みれた瞬間から人一人と姿を見せず、この老人だけが姿を現した。)

考えられる可能は一つである。それは我らを警戒し、住人全てを避難させたと言う事だ。

(當然か。何せ、國紋が刺繍された裝束を妾らは著用しているのだからな。)

それも一個中隊はるであろう兵隊を引き連れて、だ。

「妾の名はエレンミア・ベイリャル=エン・グレイス。エルフの時期王にして人とエルフの架け橋となる者よ。妾らは訳あって、この地へと暮らす事となった。驚かせてしまった事には謝罪をしよう。しかし、是非とも妾らをれてしい。」

エレンミアは名を名乗り、村長へと頭を下げる。その行為を見たエルミアと部下達も共に頭を下げた。

「あ、頭をお上げ下され.....そうか、貴方様が、かの_______」

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エルフである者が人間に頭を下げるなど本來ならばありえない。しかしその者が戦場に置いて和平を試みる聖であるのならば行為も頷ける。

「_________エン・グレイスの乙。」

の名前は辺境地帯であるヘイブンへとも屆く程に有名だ。村長は立ち上がり、外へと一度出ると、聲を張り上げた。

「皆の者!姿を隠さずとも良い!彼等は隣人だ!」

から住人達が姿を現す。エレンミア達も住人達同様に外へと出た。

「此れは.......」「なんと、」

エレンミアの兵達は驚愕と嘆がり混じった聲で周りを見渡す。

「お父様は知っていたのですね.........」

周囲に広がるのは人族、エルフ族、ドワーフ族、そして獣人族が共存している景だった。ドワーフ族とエルフ族は本來であれば険悪な仲であるのだが、今世紀の世に置いては両國の王達が親友同士であるために爭い事は起き

ていない。友好の印が結ばれているのだ。それに何よりも人族の人口の増加に従い國を火山地帯に近い窟へと移しているのだ。地下都市ドヴェルグと祖國エン・グレイスは良き貿易関係にある。

「エルミアよ、此れが妾らが目指す究極の到達地點よ。」

夢に思い描いた姿が其処にはあった。誰もが差別なく共に暮らす。

「あんたがエン・グレイスの乙か。エルフ族なだけあって別嬪さんじゃねぇか。」

ドワーフの男が此方へと近寄りエレンミアへと話を掛ける。

「な、お姉様を下賎な目で見るな!」

エルミアがエレンミアを守る様にたつ。

「うっと、警戒されちまったか。これだからお堅いエルフ様たぁあんまし気が合わねぇんだ。」

「それは貴の不躾な態度の所為でしょう?」

すると後ろからこの村に住まうエルフのが話の中へとってくる。

「其方らは隨分と中がよろしいようだな。」

隨分と仲間むずましい表で會話をわしている。

「そりゃアンタ、“俺たちゃあ夫婦だからなぁ!”」

エルフのもドワーフの男とハモる様に俺たちゃあ夫婦だからなぁ!と笑った。

「またあの二人はのろけてるにゃん。いつもいつも新しい人が來るとそうやって見せつけるのはやめてしいにゃん!うぅ、私だって貰い手がればぁ.......」

二十代後半から三十代前半と言った獣人貓耳が群衆の中で聲を上げると、周りの人間が笑った。

「レインなら結婚できるさ!」「嫁ぎ遅れるんなよ〜」「いや、もう無理じゃね?」

「誰だー最後言ったのー!!」

(`・ω・ ́)ムッキー!としっぽと耳を逆立てる。

「あはははは!愉快!愉快よな!」

エレンミアは腹を抱え笑った。いつぶりだろうか、これ程までに幸福をじたのは。長く戦場にて活してきたせいか神の消耗が激しかったのだ。

「............ありがとう。」

心の底から笑う事が出來た事に謝の気持ちを言葉にする。

「いやいや、アンタのおかげで俺たちの様な村も増えてるんだ!こっちこそ、あんがとうよ!」

ドワーフの男はにっと歯を見せ親指立てる。

「エルミアよ、妾らの働きは間違えではなかったのだな。」

仲良く戯れる異種族達の姿を見ながら、エルミアへと小さく言葉を向けた。

「お姉様に間違えなどありません。私たちの信念が民たちへと屆いた。ただそれだけなのです。」

異種族に垣などいらないとこの村は証明している。

「いつかきっと世界の全てがこの様に手を取り合える世になれば誰もが幸せになれると思うのだがな。」

エレンミアはボソリと心らすと、村長と皆へと顔を向け聲を張り上げる。

「妾らは新參者故、不快な思いをさせるやもしれぬ。だからこそしずつと學び皆と同じ土俵に立ちたい。どうか、妾らを迎えてれてはくれまいか?」

村長の許可は貰ったが住人の許可はまだだ。だからこそ、承諾を得ぬばならない。

「そんなの決まってるだろ、ようこそ、我が村へ」

人間の年が照れ臭そうにそうぶと走り去ってしまう。

「あいつ、エレンミアさんに惚れたな?」

エレンミアはクスリと笑い、走り去った年へと一禮をする。その姿を見たエルミアは何ですと!と惚れた年(仮)の方へと追いかけるように走り去ってしまう。

「彼奴の言う通り、アンタ達は俺たちの新たな仲間だ!これからよろしくな!」

ドワーフの男を筆頭に挨拶をしていく。に溢れた村人達に謝の気持ちが溢れてしまう。兵達も極まり涙目になるものまでもいた。其れは一重に散っていった仲間達の無念がなからず晴れたからだろう。

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