《闇墮ち聖語~病んだ聖はどんな手を使ってでも黒騎士を己のモノにすると決めました~》第百九十五話『村の崩壊』

「若い衆は子供を守るのだ!チェルノ、お主が皆を纏め上げ、逃がすのだぞ。」

村長がチェルノの肩を摑み若い衆を纏め上げろと命じる。チェルノは頷くと直ぐに指令を出し、避難の導をした。

「そりゃあ戦わな行かんわな。」

泣きじゃくる子供達の様子を見た大人達がボソリとそうらした。

「ああ、大人が子供を守らずして何を守るってんだ。」

鞘から剣を抜き、村の出り口付近へと待機をする。既に人間の軍勢が目視出來る位置にいる。

しでも時間を稼げればいい。お前たち、此処が死に場所だ。」

チェスターは十字を切ると皆へと宣言した。皆は覚悟は出來ていると言う表で、迫り來る軍勢へと視線を向ける。

「なぁ、この村に來て幸せだったか?」

「勿論だよ。俺は満足した。だからしでも恩返しが出來るようにッ!」

左足を損傷し、祖國エン・グレイスにて居場所を失った元上級魔道士のエルフの男は矢を天へと掲げる。

「力を出し切るッ!!!」

エルフの男は矢を先行隊の隊列へと向ける。矢は天にて輝きを放ち、數百という矢に分裂し地上へと落ちた。

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「始まったにゃん、」

ゴクリと唾を飲み込むレイン。しかし武を握る力は緩めない。

「耳を抑えろ、みんな!!」

矢をったエルフの男は皆へと警告をすると詠唱を始めた。

「聖なる波に導き輝きを放て________アルテミスの矢よッ!!!」

すると矢をったであろう場所はたちまちと発を起こし、地形の形を変えた。先導隊は壊滅に近い形となり、後ろに控えていた別働隊が生存者の救出を始めていた。

「す、凄いな、」

元上級魔導師だけに卓越した技能を持ち合わせる。チェスターや他の者達は彼が仲間であった事を心強く思う。そして今の発の隙に次なる奇襲地點へと移を図ろうとするのだが、

「よし、この調子でいこッ!?」

エルフの男は口からを吐き出す。そして自元を見ると剣先が元から出ていたのだ。

「無念っ............」

エルフの男のから剣が引き抜かれる。

「冒険者だとっ!!」

チェスターがぶ。実戦に置いて類稀なる戦闘力を発揮する冒険者を人間側は伏兵として送りこんでいたのだ。

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「汚らしいエルフだぜ。人間だろうが亜人に味方した時點でテメェらは同罪だ。死んでくれや。」

チェスターへと襲い掛かる冒険者。

「ぐっ!!」

初撃を弾き、鍔迫り合いをする。

「なぁ、どもは犯していいんだよなあ?」

一人の冒険者が鍔迫り合いをしている男へと話を掛ける。

「ああ、好きにしな。」

周りを見渡すと數多の冒険者達がぞろぞろと姿を見せていた。

「させるかよ.............」

そしてレインなどの戦士達を舌舐めずりをしながら下衆た目で見ると一斉に襲い掛かる冒険者達。

(くそ、隠れてこの村にいやがったってのかッ!)

「うおおおおおお!!!!どけええええええ!!!!」

その男を力づくで斬り伏せる。そして蹴りを放ち、今まさに襲われんとしているレインの元へと走り出す。

(クソ、やはりみ者にしようとしやがる!)

チェスターはレインを囲い服を毟り取ろうとしている冒険者達を斬り殺していく。

「うおおおおおおおおおお!!!!」

それと同時に複數の切り傷や刺し傷がへと出來ていった。

「テメェらがれていいじゃねえ!!」

「いい加減にしろよ、裏切り者がっ!!」ブンッ

チェスターの首筋を槍の一撃が深く刺さる。

「っ、にすんだオラあああああ!!!」

しかしチェスターは大剣を大振りに振り回し、槍使いを真っ二つとした。そして剣を大地へと突き刺し息を荒げる。

「チェ、チェスター、」

傷口から止め処なくが流れ出る。もう助からないだろう。

「よう、無事か?」

レインは涙を流し、チェスターの頰へと手を當てる。

「なんで、」

「なんでもかんでも、おめえはいいだからな..............」

にっこりと笑う。レインの涙線は更に崩壊し、大粒の涙を流す。

「もっと早く.......言って.........にゃん.........」

「悪いなぁ.......俺ぁ........奧手、なんだぁ.......くく..........」

「..........チェスター?........チェスターぁ!!」

チェスターは息を引き取った。彼の亡骸をひたすらと抱きしめるレイン。周りを見渡すと男達は全滅。冒険者達はの戦士達を犯していた。

「なんで、戦爭なんてするにゃん..........なんでっ!!」

こっちへと足を進める冒険者も存在する。萬事休すと言った狀況だがレインの目は死んでいない。

(せめて.......)

諦めると言う選択肢は無い。レインは覚悟を決め短剣二丁を逆手持ちに替える。

「お父さん、お母さん..............私は獣に戻るにゃん」

忌の、獣人の最終奧義。一度発をすればを求めて暴れ続ける『獣』となる。元の姿へとは戻れない。

“ガルルルルルルルッ!!”

両手を地へと付け唸り聲を上げる。理が徐々に失われていく。

「おい、お前ら、」

冒険者の一人が様子が変な事に気づいたのか仲間を呼びに行こうとす。だが、

“グラァ”

頭部を食い千切られる。その異様な強さ、そして俊敏が冒険者達を襲う。

「やめ、助けっ」ザシュ

「た、頼む!金で雇われ」ザシュ

「もうしない!見逃し」ザシュ

両手に握る短剣は最早の一部と化していた。周囲一帯はの海となり、殺戮が続く。

「レイン、やめて!私よ!ねぇお願っ」

が無いレインは犯されていた戦士らであろうとも食い殺していく。止まらない。ただ、に飢えた獣として生者を殺していく。

「チッ、醜い獣人めが。」

“グルゥ?”

反対側から到著をしたエン・グレイスの先導隊達がレインを発見する。そしてレインは標的を見つけたと言わんばかりに駆け出すが、

「炎のよ、燃やせ!」

紅蓮の炎がレインを燃やす。そして炎を風の魔法で掻き消すと黒焦げのレインが膝をつき倒れようとしていた。

「しぶといだ。消えろ。」

次なる炎熱系魔を用い大地へとを倒そうとしてるレインへとトドメを刺す。

「お前達は逃げて言った住人を追え。エレンミア様やエルミア様を発見されたのならば連れ帰れ。それ以外の者は殺しても良い。」

炎が晴れた頃には既に塊は殘らず、黒ずんだ大地だけが姿を見せるのみだった。

「よう、テメェの旦那の前で曬す癡態はどうよ?へへ」

村の置き場にて両腕両足を鎖で繋がれるドワーフ。そして目の前には人間達がコンスタンティアを辱めんと下半出していた。

「頼む、俺の命で勘弁してくれねぇか?」

ドワーフの男は懇願する。しかし冒険者達は唾を吐き捨てニヤリと意地の悪い笑みを浮かべた。

「あ?亜人が命令してんじゃねえよ。」

「ぐっ!」

ドワーフの男の腹へと蹴りをれる冒険者の一人。

(お願い、余計な事を言わないで、ダリウス。私がしでも時間を稼げれば他の子達は遠くへと逃げることができる。)

風魔法を応用とした意思疎通魔をドワーフの男、ダリウスへと伝えるコンスタンティア。ダリウスはを強張らせ、苦渋とした表を見せた。

「流石エルフのは違うぜ。」

コンスタンティアは自ら服をを見せる。

「それじゃあ、味見としますかねぇ。」

しいに男達は餌を貪るように襲い掛かった。ダリウスは地獄を見せられる。夫婦の契りをわした夫の前で陵辱をけるコンスタンティア。ダリウスの怒りは有頂天と化し、鎖らを無理矢理と引き千切ろうとする。しかし、其の姿に気づいた一人の冒険者が頰を毆りつけ地面へと転がる。

「クソ!クソ!!!」

両手両足の皮が裂けようとも一向に外れない。只ひたすらと妻であるコンスタンティアが陵辱される姿を見せつけられる。

「うぅ............うぅ..........」

行為を終えた冒険者はコンスタンティアを解放する。彼は地面へと倒れ小さくき聲を出しながら泣いた。

「すっきりしたし、余興は終いだな。」

冒険者のリーダー格の男がダリウスの前へと立つ。殺気とした表で見上げるダリウス。

「_______死ね。」

ダリウスの首が跳ねられる。コンスタンティアはその姿を見たと同時に心の何かが砕け散る音がした。

「はは、ダメだよ、エルミアちゃん、料理は心を込めて作るの。味しさはから生まれるものよね、ダリウス?ふふ、ダリウスもそう言ってるわ。」

譫言のように淡々とそう口にするコンスタンティア。その様子を見た冒険者のリーダー格の男は頭を掻き、コンスタンティアへと近づく。

「壊れちまったか。まぁ當然といやぁ當然だが、こんなんじゃあ商品にもなんねぇな。」

剣を掲げコンスタンティアをも殺そうとする冒険者一同の元にエン・グレイスの兵達が押し寄せる。

「な、なんだ、驚かせやがっ?」ザシュ

その場にいた冒険者達は安堵とした表を見せるが其れは杞憂と化す。何故ならばエン・グレイスの兵達はその場に存在する人間を全て皆殺しにしたのだから。

「逃亡兵のコンスタンティアか。無様な姿だな..........かつての上だ、せめてもの慈悲で俺がお前を殺してやろう。」

「もう、エレンミアったら、からかわないっ」

ゆらりゆらりと心なしに獨り言を呟き続けるコンスタンティアの心臓部へと剣が突き刺さる。

「ダリウス?ふふ、ダリウスね...........もう...............會いたかった..........わ................」

突き刺さる剣を出るように抱き締めると眠るように息を引き取る。エルフの兵士は何処か悲しげな表を見せると剣を引き抜き鞘へと戻すのだった。

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