《闇墮ち聖の語~病んだ聖はどんな手を使ってでも黒騎士を己のモノにすると決めました~》第二百二話『創造の力』
「_______あぁまた私は約束を反故にしてしまいますわね。」
口元からが流れ出る。腹部には蚩尤により突き刺された『戈』が存在する。
(瞳に宿る闘志は衰えてはいない、か。)
圧倒的に不利な狀況で未だに勝機を手放していないという表だ。
(奴が奧の手を引き出す前に肩をつけさせてもらうッ!)
『戈』をエルミアの腹部から引き抜き、もう片方の手に剣を創造する。そしてその剣にて心臓を一刺する為に腕を振るうが、
「________地の加護『ノーム』ッ!」
エルミアが背をつける壁が盛り上がると、蚩尤を襲う様に前へと突き出る。
(面倒な小細工を、)
蚩尤は妨害を喰らい、剣を手から手放すと『戈』にて襲ってきた壁を砕する。
「ふふ、信の為の時間稼ぎは出來ましたぁ!!」
砕した瓦礫を踏みしめ前方を確認すると、魔力が発的に膨れ上がっているエルミアの姿があった。
(人の域を逸している。流石は創作が一人といったところか。)
「だが、その契約は完全ではない。」
戈を消し、五兵の一つである巨大な『弩』へと武裝を変える。
「周囲の魔力を強制的に略奪するその奧義諸共、灰へと返してくれる。」
一本の矢が裝填され、蚩尤は弓をる。神速の速度と言ってもいい矢は風を切りエルミアの額へと一直線に進む。
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「ふふふふふふふふふふふふ!あははははははははははははははははははは!!」
しかし矢はエルミアを通り過ぎた。
「気持ちが高揚しますわぁあああああああああははははははははははは!!!」
大霊の加護ではなく大霊そのものをに宿す事で周囲の魔力を吸収し続ける能力を得る。これは本人の命が失われるまで永続する。故に。
「まるでがぁああ風の様に軽いですわぁ!!ふふ、あはははははははははは!!!」
傷口は加護により抑えられている。そして矢を有り得ない軌道へと捻じ曲げる事が可能な屬は一つ。
「________風の大霊か。」
始まりの風。その姿はほっそりとした優な人間のに似ていると言われるが、事実は風により生み出される幻影。
「何という風力、圧だ。」
飛び道は完全に使えなくなった。いや、正確には通じなくなった。そして何よりも、
「くっ、私を近づかせないつもりか!」
白兵戦につめるしか打開方法がないが、其れを見越してエルミアは最大風速で此方を吹き飛ばそうとしている。
「つくづくと一筋縄では行かせてはくれないものだな。」
「ふふ、痛いですか?」
関節を破壊し、口元を緩ませるディアーナ。ウォフ・マナフは即座に浄化の力を自の周囲へと展開し、ディアーナを退ける。
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「あらあら、怖いですねぇ?貴方のそれはルキフェルさんの浄化の力と同等か、それ以上なのですから気おつけてくださいなぁ。當たってしまったら私は死んでしまう可能もあるのですよぉ?」
ワザとらしく怖がる表を作りウォフ・マナフの周りをくるくると回る。
「なら、死ねばいい。」
「善神とも思えない発言ですねぇ、ふふ。そんな事では誰かさんの様に墮天してまいますよぉ?」
挑発に挑発を重ねるディアーナ。
「.........なぜ、お前、死なない?」
ディアーナは顎へと手を置き考える素振りを見せる。
「それは.....うーん、何でですかねぇ?対策をしているからでしょうねぇ。ほら、私って瘴気を振り撒く災害じゃあないですかぁ。分を作る事なんて容易い事なんですよねぇ。貴方が先程浄化しようとしていた分は単に本からの接続を切っただけですのでぇ。」
「......なら、今、此処にいるお前、本、か。」
ウォフ・マナフは笑みを浮かべる。破壊された関節は徐々にだが回復されていた。
「さあ、戦って見ればわかる事ですよぉ♩」
(勇者の力『ラディアンス』をこのに吸収して以來、以前以上に耐は上がっています。多の聖であれば無傷でけられましょう。)
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瘴気がディアーナを中心として渦巻く。先程よりも質、そして圧が違う事からも明白である。アレは本だとウォフ・マナフは警戒する。
「そう。お前を浄化した後、あの羽つきも一緒に連れて行ってやる。アフラ・マズダーの元へ、な。」
拳に浄化の力を付與し、大地を割る。
「あらあら、いきなり騒ですねぇ♩」
衝撃により足場が盛り上がる。ディアーナは即座に跳躍をし勢を整えようとするが、
「隙だらけ。」ブン
跳躍した上空にてウォフにて近づかれたディアーナは頰へと拳を喰らう。
「消えろッ!!」
そのまま地上へと向け腕を振り落とすと、浄化の力も相まってか、ディアーナの頭部から部、そして右腕が弾け飛んだ。
ドン!!
殘されたが地上へとぶつかりピクリピクリとく。ウォフ・マナフは其れを汚らわしを見るように手を翳し浄化による弾を撃ち込んだ
「ウォフ・マナフの名の下にかの者は悪である______『斷罪の塔』よ」
下半へと撃ち込まれた弾は細い糸の様に天空へとびると、の柱にも似た黃金の塔がを裂く様に糸の軌道に乗り天を突いた。
「城を大分、壊しちゃった、まぁ、いいか。」
周囲を見渡すと更地にも近い狀態となっており、瓦礫すらも完全に浄化されていた。
「次はお前、バロール、殺した罪、償ってもらう。」
空へと視線を向けるウォフ・マナフ。その先には上空戦へと移行をしていたルキフェルとエレンミアの姿があった。
「ウォフ・マナフめが、黃金の塔とは粋な事をしてくれおる!!」
背後に聳え立つ黃金の塔を見て大きく笑い聲を上げた。
「さて、妾らも宴をより寛大にしようぞ!」
巨人が地上から起き上がる様に姿を現し、エレンミアはその肩へと著地する。
「その力を教示せよ。敵は羽蟲が一匹ぞ。」
前方にて飛翔をするルキフェルに対し、手を翳す。すると巨人はその大きな腕へと力をれ天使へと向け振り下ろした。
「次から次へと面妖な妖を使いますね、貴方はッ!」ブンッ
巨人の拳がルキフェルへと叩きつけられる。しかし、ルキフェルは避けず一振りの槍にて正面からの一撃を捩じ伏せた。拳は半分へと裂け、頭部を完全に吹き飛ばす。
「剣圧のみで此処までとはな。」
地上にはの雨が降ルキフェルは槍に付いたを払った。
「霜の巨人でも駄目か。ほとほと其方の人外ぶりには呆れ果てる、くく。」
霜の巨人。北歐神話に登場する超人的な強さをもつ、大自然の霊の集団の一員である。しかし、ルキフェルの一撃により地上へとその巨を倒し絶命した。
「それでは人外殺しの剣を出そう『子切安綱』。そして、鬼を切り伏せた名刀『鬼切丸』。」
エレンミアは巨人の死骸を足場に天使の元へと向かう為に駆け出し、ぶ。
「妾を天へと飛翔させよ________『太の二車』よ!」
全能の神ゼウスですらも乗りこなせなかったと言われる太の二車。天空をで切り裂くほどに速度に特化し、ルキフェルの元へと突進を仕掛ける。
(速い、)
ルキフェルは驚きの表を浮かべる。と同等の速度を持つ自分と空戦をしようと言うのだ。
「ほお、この一撃を避けるとはな。だか、この大車の威力は其処にはないッ!」
車は紅蓮の息吹を出し、周囲一帯を灼熱に包む。
「くっ、何という熱気!!」
突進の一撃を避けたが太にも等しいフレアが一帯を襲う。川からは水が失われ、木々は枯れ果てる。ルキフェルでさえもが焼け、苦い表を見せていた。
(神馬ですか、)
半神や人間の攻撃ならばルキフェルを倒す事は不可能だ。『人』というカテゴリーがつく以上、異能、概念、超常の力であろうと通じない。
「そぉら!どうしたぁ!足掻いてみせよ!!」
しかし完全なる神ならば天使の裝甲へと屆く。故に神馬の攻撃は天使のを焼いたのである。
「乗り手には熱の影響はない。消耗するのは此方だけと言うことですか。」
幾重の突進を避けながらエレンミアの騎乗する戦車を観察する。
(これ以上、長引かせる訳には行きませんね。)
地上の様子を見てそう判斷する。勿論自分のの危険もあるのだが、やはり人間のである青年の存在が気掛かりだ。この灼熱の気候を維持されては生命の危機に曬されてしまう。
「その神馬の命、貰いける。」
速で駆ける太の二車へと向け、飛翔する。
(あまり使いたくは無かったのですが________『モスタクバル(未來視) 』)
ルキフェルの瞳が白銀へと変わる。
「そのままでは骨と化そうぞ、墮天使!!」
挑発に加え、戦車による突進を行うエレンミア。その姿は道を與えられた子供の様に揚々としただ。
「___________”視”えました。」
同等の速度を誇る太の二車が通過をするであろう點を観測した。ルキフェルは太のを反させエレンミアの視線を先ずは潰す。
「くっ、その程度の小細工、妾には通じぬわ。」
エレンミアは一瞬だが目を閉じた。
「その一瞬の隙が貴方の敗北へと繋がる。」
その瞬間を狙い、二対の神馬のを槍にて切り裂き、臓が綺麗に外へと飛び出る。
「ふ、やってくれたな!!」
切り裂かれた太の二車を乗り捨て、『子切安綱』を使い上段から斬り付ける。
ガンッ!!
しかし、ルキフェルを切り裂く事は無かった。何故ならば、
「怪異殺しの名刀、されど人の作りし武には変わりありません。」
ルキフェルには『人間』の作りし武は通じない。神造であり、使い手が完全なる神によりようやくと傷をつける事が出來る。片方でも欠ければルキフェルを打倒する事は不可能である。
「ならばこれならばどうだ________『子切安綱』よ、吸せよ。」
『子切安綱』の真価である吸能力を発させる。通常の敵であれば全のを一瞬にして吸い上げる力を有しているが。
「無駄です。我ら天使の、特は理にも等しい。人の領域を出ぬ限りはこのを傷付ける事は葉いません。」
前述でも説明をした通り、ルキフェルには一定の條件をクリアしなければ刃や能力は通じないのだ。
「ふむ、ならば『鬼切丸』も使えなんだな。」
空を飛ぶ手段を失った為に下降しながらそう呟く。そして両手から二振りの刃を放棄し、一足の靴を創造する。
「『黃金のサンダル』よ、妾を浮上させよ。」
タラリアとはギリシア神話の伝令神ヘルメースを象徴とする有翼のサンダルである。ヘーパイストスによって、不朽の金を用いて作られたとされ、どんな鳥よりも速く飛ぶことができたといわれる黃金のサンダルだ。
「太の二車には劣るが、空を縦橫無盡に飛ぶ事は葉おう。さて、次の得は其方へと屆く代を用意しようではないか。そうさな、太神ルーが所持していた言われる寶の槍『ブリューナク』を顕現させよう。」
白銀の大槍がバチバチと雷を放ちながらエレンミアの手元に現れる。
「『ブリューナク』。アイルランドの言語に置いて貫くものを意味する槍。隨分と大層な名を冠しているのですね。」
元々の所有者は所有者は太神ルーであり、槍自が意思を持っているとも言われている。
「一度放れば稲妻が如く敵を貫き、殺す。必殺必中の槍だ。」
大槍を構える。太神の刃という事もあり完全なる神聖を帯びている。
「そして、此奴も創造してみせよう。其方を殺すには槍一本では些か足りぬからな。」
エレンミアの背後には山をも越える巨が生されていく。まず骨が構築され、がそれを覆い込んでいく。そして心臓の鼓が戻る様に一帯へと木霊した。
「目覚めよ『クンバカルナ』________食事の時間だぞ、ふふ。」
オーバーロード:前編
未來に存在するVRMMO『ユグドラシル』のサービス終了の日。最強クラスのギルドの一角である『アインズ・ウール・ゴウン』のギルドマスター『モモンガ』は、メンバーと共に作り上げた居城の玉座に、臣下たるNPCたちにかしずかれながら座っていた。たった1人で、もはやいないかつての仲間達を思いながら。 そしてサービスが終わり強制ログアウトが生じるその瞬間、異変が起こった。ログアウトできず、そして何より話すことの出來ないはずのNPC達がまるで生きているかのように忠誠を示しだしたのだ。さらには外の世界は未知の世界。モモンガは混亂しながらも、絶対者(ギルドマスター)として行動を開始する。 これはアンデッドの肉體を得た絶対者たるモモンガが、己の(頭のおかしい)目的のために、異世界を蹂躙していく物語である。 この作品はarcadia様の方でも公開しております。
8 189地球連邦軍様、異世界へようこそ 〜破天荒皇女は殺そうとしてきた兄への復讐のため、來訪者である地球連邦軍と手を結び、さらに帝國を手に入れるべく暗躍する! 〜
※2022年9月現在 総合PV 150萬! 総合ポイント4500突破! 巨大な一つの大陸の他は、陸地の存在しない世界。 その大陸を統べるルーリアト帝國の皇女グーシュは、女好き、空想好きな放蕩皇族で、お付き騎士のミルシャと自由気ままに暮らす生活を送っていた。 そんなある日、突如伝説にしか存在しない海向こうの國が來訪し、交流を求めてくる。 空想さながらの展開に、好奇心に抗えず代表使節に立候補するグーシュ。 しかしその行動は、彼女を嫌う実の兄である皇太子とその取り巻きを刺激してしまう。 結果。 來訪者の元へと向かう途中、グーシュは馬車ごと荒れ狂う川へと落とされ、あえなく命を落とした……はずだった。 グーシュが目覚めると、そこは見た事もない建物。 そして目の前に現れたのは、見た事もない服裝の美少女たちと、甲冑を著込んだような妙な大男。 彼らは地球連邦という”星の海”を越えた場所にある國の者達で、その目的はルーリアトを穏便に制圧することだという。 想像を超えた出來事に興奮するグーシュ。 だが彼女は知らなかった。 目の前にいる大男にも、想像を超える物語があったことを。 これは破天荒な皇女様と、21世紀初頭にトラックに轢かれ、気が付いたら22世紀でサイボーグになっていた元サラリーマンが出會った事で巻き起こる、SF×ファンタジーの壯大な物語。
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