《闇墮ち聖語~病んだ聖はどんな手を使ってでも黒騎士を己のモノにすると決めました~》第二百八話『正義とは』

戦闘の停戦を呼び掛ける為、旅を続ける。聞きれるものなどいはしない。必ずと言っていい程、戦闘となる。しかし例外も一応は存在した。吸鬼ヴァン・ヘルシング。そしてバロールと呼ばれる魔神。両者が戦闘の際、自が割り込んだ結果、すぐさま爭いは収まったのだ。

「君は余り戦闘に秀でているとは思わないけど、怖くはないのかい?」

その後は三人で共に行をする様になる。今でも何故だかは分からないが、そこそこと充実とした日々を送っていた。

「怖い......何故?」

死に恐怖などじる事はない。人のを纏った時點で其れは死の概念が付與されるものなのだから。

「あぁ君は..........」

バロールは何かを察したのか、ウォフの頭へと手を置く。

「何故、私の頭に手を置く。理解不能。」

私は彼の行の意図が分からなかった。人のと言うは難しい。正しければ良いと言う思考の私では複雑なを完全に把握は出來ない。

「君もいずれ分かる日がくる。」

Advertisement

その臺詞を最後にこの話は続く事はなかった。共に過ごす時間が風の様に流れていく。このまま三人で生き殘りたいと心からじる様になった頃、ある事件が起きた。

「ヘルシングを追い出す事にするよ。異論は認めない。」

バロールの突然の発言に私は呆然する。何故、これ迄共に過ごした仲でもあるヴァン・ヘルシングを追い出そうとするのか。私はバロールを睨みつけた。

「はは、酷いね、バロール。僕に出て行けと言うのかい。」

「ヘルシング共闘者。必要な存在。追い出す必要はない。」

私は何故と反対だ。

「ウォフは優しいね。出來れば一緒に勝ち殘りたかったけど.....どうも、其れは葉わない様だ。」

ヘルシングは私の肩を優しく叩き首を橫に振った。出て行く事を認めるのかとヘルシングを摑むが。

「______ごめんね、ウォフ。」

何処か哀しげな様子で私を振りほどき、その場を後にする。あの謝罪の意図は彼が死んだ時に初めてバロールの口から聞く事が出來た。

「ヴァン・ヘルシングは怪だよ。彼は君が睡眠をとっている時に吸をしようとしたんだ。」

鬼故に吸の衝に駆られる。しかしヴァン・ヘルシングは其れを悪人以外には極力行わなかった。けれども時折、どうしようもない乾きが彼を襲う。それこそ無意識のが勝手に行を起こしてしまうほどに。

「彼は孤獨を嫌っていた。何故貴方は」

バロールは優しい表を浮かべ、『そうだね』と呟く。

「仲間が仲間を傷つける姿を見たくは無いんだ。それに彼も......」

仲間を傷つけたくはなかったのだ。その言葉が重く響く。

「ヘルシング.....この戦いへの報酬は貴方の吸からの開放も一願いとして約束する。」

ヴァン・ヘルシングはバロールの真意を悟り、自ら離れて行ったのだろう。

「____________君達の仲間になりたい。」

勝ち殘るには仲間が必要だ。私とバロールでは力不足。必ず最終局面では負ける。だからこそ、仲間を得なければならなかった。もう時期と一年の歳月が経とうとしている。流石に何処かの陣営に所屬しなければ危ない。故にモンゴルを拠點とする大英雄ゲシル・ボグドーの元を訪ねることにした。

「警戒。戦闘の可能。」

戦闘裝束へと姿を変えるウォフ。しかし其れを制し、前へと無防備に立つバロール。

「來たか、魔の眼を持ちし魔神よ。」

「以前のおいをけ様と思ってね。」

ゲシル・ボグドーら一味は仲間を集める為に一時期勧の旅へと出ていたのだ。その際に一度バロールとは邂逅している。もちろん仲間への勧も行なっていた。

「あぁ、空きは二席殘っている。大いに歓迎する。」

ゲシル・ボクドーへと纏わり付くように黒煙が渦巻くと、山羊の頭を持つ悪神が姿を現す。ウォフ・マナフは間髪れず拳をその邪神へと叩きつけた。

「くく、気が荒い奴だ。グエンサガンの孫よ、其処の善神を仲間に引きれる事は検討をした方が良いぞ。」

クスクスと笑いながら顔面へと叩きつけられた拳を退かすエルリュング。

「かつてはエルフの姫君どもと結託をしていた敵だ。斥候や偵察の可能があるやも知れぬからな、くく。」

ワザとらしくそう口に出すエルリュング。確かにこの悪神の言う通り、善神とは名ばかりの裏切り行為をしている不純者だ。警戒されて當たり前だろう。

「我らには時間があまり殘されてはいない。他陣営へと抵抗をするならば必然と戦力は必要となる。れる他あるまい。」

殘り一月としばかりの時で第一の段階は終了を告げる。王冠を得るには力が必要だ。個の力を主流とする者は確かに強い。だが、時にはの力が個を上回る。英雄譚や冒険記などがいい例だ。

「魔眼持ちの魔神は信用に足る男だ。仮に其処のが反旗を翻そうとすれば止めにろう。」

隨分な信頼のされようだ。バロールはゲシル・ボグトーと握手をわす。

「君みたいな真の英雄が僕の世界にいたのならば......いや、忘れてくれ。協定に謝するよ、ゲシル・ボグドー。この戦いを終わらせよう。」

    人が読んでいる<闇墮ち聖女の戀物語~病んだ聖女はどんな手を使ってでも黒騎士を己のモノにすると決めました~>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください