戦力は必要だとゲシル・ボグドーは言った。

「だが、一つだけ........私が死ぬ時、奴を葬ってしい。」

その日の夜、ゲシル・ボグドーは裏にバロールへと告げた。自分が死んだとき、エルリュングを代わりに葬る事。

(.......どうするの、バロール)

王冠戦爭の勝利者はどの様な願いも葉うと言われている。正確には全てを與えると言われているが、創作らは其れを願機だと思い込んでいる。それ故にエルリュングの野を野放しにする訳にはいかないのだ。

「君の頼みだ。必ず守る。」

バロールは微笑を見せ、握手をわす。此方側も混沌を世界に振り撒きたい訳ではない。斷る理由はなかった。それから程なくして、聖鳥ガルーダの奇襲、そして未知數らとの攻防が行われた。

「バロール、出なくていいの?」

「あぁ、ゲシル・ボグトーは強い。神が流れる英雄達の中でも上位へと名を連ねる程に。其れに今回の戦いはあの悪魔も前線に出ているよ。僕達の出番は恐らくはないだろう。」

バスを奇襲した際に置いて、未知數の実力は決して強くはないとの報告があった。だからこそ二人は城にて待機を命じらる。広大な平野にて巨大な気がぶつかり合う。創作同士の戦闘。地震、音と城外からは響き渡ってくる。

「バロール.....可笑しな気配が戦場に近づいてる。」

ウォフ・マナフは知能力に優れている。故に影に潛む何者かの存在にも気づくことが出來た。

「戦況も拮抗が続いている。だが、あのまま行けば彼は勝利する。邪魔はされたくはないだろう。」

「邪魔者、消そう。」

「あぁ、そうだね。」

戦闘裝束へと姿を変え、戦場へと赴く。

「........君も死んでしまったんだね。」

間に合わなかった。バロールはゲシル・ボクドーの亡骸の前へと立つ。周囲にはゲシル・ボクドーを除いた三の創作の死が存在した。そのの二は首が跳ねられており、もう一人は出死。

「相打ち。」

王冠戦爭による戦いが激化している。一気に四もの創作が命を落としたのだ。

「バロール、あっちに二つの巨大な気をじる。」

バロールはゲシルを弔いたかったが、彼との約束を果たすためにエリュリングの元へと向かう事にした。

「あぁ、君との約束を果たす事にするよ。」

ウォフ・マナフと共に巨大な気配のする方向へと駆ける。しかし、忽然と一つの気配が消えた。

「バロール、一つ、消えた。」

「あぁ、流石のボクも消失したのは知出來たよ。」

エルリュングではないもう一つの創作が殺害されたのだろう。

「見えて來た______」

エルリュングは大地の檻に幽閉されていた。これは幸運だ。無駄に抵抗されずに殺す事が出來る。

『グエンサガンの孫が死んだ、だと。ありえん.....なぜだ』

一人ぶつぶつと何やら呟いているエルリュング。

「バロール。」

「分かっているよ。」

エルリュングを捉える為に眼前へと姿を現す。

『おぉ、魔眼の持ち手!』

助けが來たのだと勘違いをするエルリュング。この悪魔の能力は事前に把握済みだ。如何な理攻撃をも通さない最強権能。一見、無敵にも聞こえるが弱點はある。

「_____君を“殺す”」

バロールの瞳が徐々に開けられていく。エリュリングは其れを察っし即座に止める様ぶが。

「待っ____.........」

即死の魔眼がエルリュングを完全に捉えた。既に息はない。

「バロール、行こ。」

「そうだね。」

二人はその場を後にするが、ある違和も同時にじていた。何故、エルリュングはあの檻に閉じ込めらていたのかと言う疑問だ。

_________その疑問の理由が今確実に分かった。

「あの戦いの生き殘り、おまえだったのか。」

大地の権能を持つ神獣。そしてその口にくわえられる剣が自の腹部へと突き刺さる。

「転移魔、油斷した。」

ディアーナへと敵意を向けるウォフ・マナフ。ルシファー達の戦いへと參戦する機會を伺っていた剎那、突如として現れたブランチェ、そしてディアーナに隙を突かれたのだ。

「貴方のおかげで私の自我に支障が出てしまいましので、お返しと言う訳です。」

かなり頭に來ているのかムスっとした様子の瘴気。確かに常にり付けたような笑みが消え失せ人の様に的になっている。

「言いざま。ついでに死ねば良かったのに。」

毒舌とした言葉を吐くウォフ・マナフ。は拘束され腹部からはが流れ出ている。

「善なる神であろうに、口が悪いのぉ、お主。」

大地の権能により四肢を貫かれ、きが出來ないのだ。それに例えけたとしてもこの神獣には聖なる浄化は無意味だろう。

(完全に詰んでいる。抵抗は......無駄、か。)

善なる神の最後にしては無様な姿だ。

「貴方は完全に補食します。私の獲ですもの。」

ディアーナが徐々に距離を詰める。ブランチェはウォフからを離し、ディアーナへと後を任せる。

「あぁ........ついてない。」

善なる世界を求め戦った結末がこれだ。つくずくと運命とは上手くいかないものだ。

(ヘルシング....約束を守れそうにない。)

「__________________バロール、今、そっちにいく。」

その臺詞を最後にウォフ・マナフは捕食された。瘴気により完全に食いちぎられる様は殘酷なものだった。